先週末の夜、お気に入りのカフェで仕事をしていたら、後ろのテーブルに座っている女の子たちから、こんな話が聞こえてきた。
女子A:「私ってね、気づけばいつも都合のいい女みたいになっちゃってるの。付き合い始めの頃はみんなすごく優しかったのに。何年かすると、なんていうのかなぁ。扱いが雑になるっていうの? 長年付き合ってるから素の自分を出せる、落ち着くっていうのとはなんか違うんだよね……。
今までは、「付き合ってこんな風になる人とは結婚できないから無理」って思って別れてきてたけど、今付き合っている彼まで最近ちょっとそんな感じになってきたの! で、気づいちゃったんだけど。相手がこんな風になっちゃうのって私のせいだったりしてって思ったんだよね。ねえ、私、そんな感じかな」
女子B:「いや~。ほら、いつも私は、Aからしか話聞かないじゃん? 主観がAだから、私も一緒になって“え~それはないね彼”とか言っちゃってたからなぁ。でもそうだなぁ。私がいつも思ってたのは、Aは彼氏ができると超尽くすよね。彼氏がいるときといないときのギャップがすごい(笑)
彼氏がいる時は、自分のことは後回しな感じで彼氏一直線! で、彼氏がいないと自分のことに一直線っていうの? これは全然悪いとは思わないけどね。」
女子A:「あ~それはあるかもなぁ(苦笑)それこそ、喜んでくれるのが嬉しくていろいろ頑張っちゃうんだよね。でもそれこそ、彼氏の中では、いつしかそれが当たり前のことのようになっちゃうの。
“こいつから俺と別れようなんて言うわけない”みたいな余裕が、“別に大事にしなくていっか”って無意識のうちに変換されるんだよね。
……てかわかった。そうだ。私、相手に尽くしてばっかで、自分のことは大切にしてなかったんだ……。え~!! やっぱ私がダメンズを育ててたのかも~!!!」
女子B:「え、なになに落ち着いて? どういうこと? なにをしてきたのよ一体(笑)」
女子A:「誰かと付き合うとね、全てを相手に合わせちゃうの。遊ぶ予定も、もし先に女友達と遊ぶ予定が入っていても、彼に誘われたら女友達の予定をずらす。今日は、たまっている仕事を片付けたいな~って思っている日も誘われたら、無理して遊ぶ……。
家で遊んだ日は、最初の頃は、すすんでやってくれてた食器洗いも「いいよ~私が全部するからゆっくりしてて」って言って、料理も食器洗いも私が喜んでしちゃってたの。さらには何か月記念~とかって言っては、いつも何かちょっとしたものをあげてたような……。
で、彼からは何にもないんだけど、それでも私は“喜ぶ顔が見られて幸せ~”って思っていたの。彼のことをどんどんどんどん甘やかして、彼が私のために頑張る機会を踏みつぶしてたのって……私自身じゃん(涙)」
女子B:「私別になんも言ってないけど、なんか、原因わかってよかった……ね?」
女子A:「しかも、今まで付き合ってきた彼氏が付き合いたて言ってくれる私の好きな所っだいたいみんな“自分を持っているところ”って言ってくれるんだよね。でも実際に付き合ったら、自分なんて全くない女になっちゃってたなんてさ。この現実が皮肉すぎる」
女子B:「てか思うんだけどさ、そこまで彼に尽くして ”私はこんだけやってんのに……” って一度も思ったことないの? 私、前にそうやって思っちゃったことがあったから、一切そういうことしないことにしたんだよね。
相手になんの見返りも求めないって、結構大変じゃない? さらに言えば相手の方は、対して ”自分もなにかしてあげなきゃ” なんて思ってないわけよ。(苦笑)自分で一人相撲して、結局そのことで自分自身の首を絞めるなら、そもそもそういうことをしない方がましって気づいたの。
そうしたらもっのすごく楽になったよ? 彼との関係もそれからの方がいい具合になったしね。だからこそ聞くけど、Aは、ほんっとになんの見返りも求めてなかった? どこかで相手のこと、責める気持ちはなかった?」
女子A:「……ごもっともだわ。だって私、彼と別れる時は大抵 ”私はこれだけ我慢したのに! ” って気持ちになってた。 “好きでやってることだから” って言いつつ、結局なにかを期待してた。私が無理してやってたことって何ひとついいことないってことかぁ~。 私、今の彼とは付き合いながらも自分の時間も大切にするように頑張ってみる」
私、思うのよね。
都合のいい女に成り下がるのも、彼氏をダメンズに仕上げるのも、彼女の思考と行動次第。
もちろん最初からダメンズもいるけど、今回の彼女の場合はちょっと違ったようね。よかれと思ってやることが、相手にも自分自身にもよくない結果になっちゃっうパターン。
とにかく無理はしないこと。これだけは絶対!
そして、彼だけじゃなく自分のことも大切にすること。相手を大切にできるのは、まずは自分自身を大切にできる人だと思うから。
まぁ、彼女の場合はきっと大丈夫でしょうね。だってこんな痛い現実を自分で気づいて、自分で受け入れることができたんだから。
彼女が今付き合っている彼が、まだダメンズに仕上がっていませんように。



