今、私の周りでにわかに旦那に抱かれたくないという女が増えてきている。この前、久しぶりに会った○美(名前)もそのひとり。カフェテラスでランチをしながら、お互いの近況報告をしていたら、「私、もう旦那とそういうことできないかも」と言い始めたの。

 

○美は今年で結婚13年目。恋愛感情なんて長くて3年で枯渇するっていうし、それから先は一緒にいて楽しいかとか尊敬できるかとか、そういう部分で相手を見ていくことになっていくのが自然の流れ。そうなると、確かに付き合いたてみたいにはいかなくなるわよね。

 

それにしても「旦那はね、子供が欲しいんだって。でももう抱かれる気には全くなれないの」って、言葉に出すのもなかなかよね。相手が子供を望んでいるってことなら尚更。そこまで無理になっちゃったのはどうしてなのか、率直に聞いてみることにしたの。

 

その理由が、想像以上に根深かった。

 

〇美「私たち夫婦って共働きなのに、旦那は家事をなにひっとつやらないんだよね。毎食のご飯の準備も後片付けも洗濯物もなにもかも! ふたり分を私ひとりでやってるわけ。でも、これって付き合いたてや結婚したての時に私が“ちゃんとやって”って言ってたら……。こうはなってなかったかもしれない。

 

言わなかった私も悪いんだよね。それなら、今からでも言えば?って思うじゃん? でもそれ言われたら旦那的には「え? それずっと思ってたの?」って思うはず。そのときの旦那の衝撃とかショック、ダメージって計り知れないと思わない? それを考えると、まぁうちら夫婦の形はこれでいいのかなってね。そうやって折り合いをつけてきたの」

 

りか「〇美って遊ぶ時も、必ずご主人のご飯用意してるもんね。ほんっとすごいなぁっていつも思ってる。確かにご主人的には、今それを言われたら、“ずっと〇美、そう思ってたの?”とは思うかもね……。でもそうなると、〇美の負担はこれまで通り変わらないからなぁ。私はなんとも言えないな」

 

〇美「そう。だからね、りか。男は甘やかすとな~んにもしなくなるから気を付けるんだよ。家事も率先してする男に自分が育てなくちゃダメ。それこそ付き合いたてに、上げ膳据え膳やっちゃうとそれが当たり前になっちゃうから。あんたもそういう所あるから気を付けるんだよ!」

 

りか「はーい。気を付けます(苦笑)」

 

〇美:「これね、本当に根が深いから。夫婦ふたりだけの生活さえ何もしない旦那が、子供が生まれたところでいきなりするようになると思う? するわけないんだよね。この状況で子供を産んだら、育児ノイローゼになってる自分の姿が余裕で想像できちゃうもん。

 

だからこそ、子供が欲しいなんて言われても“どの口が言う?”って思っちゃうし、彼に抱かれたいっていう気持ちにもなれない。これが、私がセックスレスになった理由」

 

その日は結局、カフェ閉店の時間まであーでもないこーでもないと話し込んで1日が終わったの。

 私、思うのよね。

 

家事を一切しない男を育てた過ちが招いたセックスレス。なかなか悲惨なものだった。

 

〇美は自分の失敗をちゃんと理解しているからこそ、このままの形を貫こうとしている。かと言って、そのことを話す彼女はとてもつらそうだった。〇美にとって子供という存在は“世話をする人間がまたひとり増える”という存在でしかなくなってしまったのよね。そんなこと、本当は思いたくなかったはずだもの。

 

もし上手にご主人を成長させていたら、今頃幼稚園くらいのお子様がいたかもしれない。でもそれってほんっと、今更感がすごいたらればなのよね。

 

ちなみに〇美のご両親は典型的な亭主関白夫婦。そんな両親のもとで育った女性って、このパターンで自分自身の首を絞めるパターンが本当に多い。かくいう私も、THE・亭主関白の父親のもとで育っているから、どうしても上げ膳据え膳をやってしまいがちなのよ(苦笑)

 

でもやっぱり、心のどこかで感じる「なんか違う」っていう違和感。違和感を感じながらも他の方法を思いつかずにそのまま続けてしまっているのなら、私たちはその違和感をもっと大切にした方がいいのかも。またもやたらればだけど、○美が違和感としっかり向き合えていたら、相手にも「ちゃんと互いに家のことをしよう」って言えたかもしれない。

 

両親と自分は違う。そして、時代もだいぶ違う。男も女もバリバリ働くこの時代、助け合ってやっていくのが、今の時代の自然な姿のはず。両親の見よう見まねで苦しくなるのは、他の誰でもない、自分自身だということを忘れないようにしないとね。

 

昔の当たり前と今の当たり前は、きっともうだいぶ前から変化してきているはずだから。

 

〇美のご主人へ。そして「家事は女がやって当たり前」という昭和的考えがまだまだ抜けない、私を含めた男女のみんなへ。

 

もし本当に子どもが欲しいと思うのならば。相手のことをまた抱きたいと思えるようになりたかったら。おそらく、まずはあなたが変わること。

 

家事を一切しない男。そしてそんな男を育てがちな女。どちらかが過剰に我慢をするのは、結果的にはやっぱりよくない。必要以上の我慢をする女はもちろんの事、男側はなんの我慢もしていなくても、子供が欲しいという願いはこのままだと一生受け入れられないまま。その願いは、ふたりが理解しあった先にあるものだから。

 

○美夫妻のような夫婦って、少なくないと思うのよね。

 

これを読んでくれているあなた。自分で自分の首、絞めてない? 必要以上の我慢なんて、する必要は皆無だから。

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