この前ね、大学時代の同窓会があったの。正確に言えば、短大ね。私たちが通っていた短大は表参道にあって、毎日毎日表参道に通っていたのは、とおおおおおおい昔(遠〜〜〜い昔)。実はその短大、悲しいことに来年なくなっちゃうのよ。(大学の方はきっと大丈夫でしょう)

 

まさか母校がなくなるなんてねー。そのニュースを聞いた時、時代の流れを、ひしひしと感じたわ。まぁそんな事情もあって、「久しぶりに集まろう!」ってことになったの。

 

会場になったのは、母校の近くにあるオーガニックカフェ。短大の頃からあるお店だったけど、敷居が高くてなんとなく入らないまま卒業しちゃったんだっけ。それが今では、同窓会の会場にできちゃうなんだから、年を重ねるのも悪くないわよね。

 

卒業してから早15年。たまに会う友達もいれば、卒業式以来に会う子もいて、そりゃあ〜もう女子同士の会は盛りあがりまくり! 結婚したり、離婚したり、双子のママになっていたり、独立して起業したり……あの頃は、みんなただの女子大生だったのに、ちゃんとみんな自分の道を歩んでいた。

 

過ぎ去ってみればあっという間だけど、やっぱり15年という月日はみんなを多少は大人にさせたみたい。

 

でもそんな中、時代に取り残されたような女性が一人……。

 

最初は、「この違和感なんだろう……」と思ってたんだけど、その子だけ会話の内容が大学時代となんにも変わってなかったのよね。

 

当時は一緒に盛り上がれていたことも、35歳になった私達にとって「……はい?」みたいなものばかり。更に残念だったのが、当時はものすごくいい子だったはずなのに、イタい勘違い女に成り下がっていたこと。

 

短大時代、その子はお世辞抜きで抜群にモテた。あどけなさが残る少女のような顔つきで、透明感のある肌、くっきり二重にのっかる長い長―――いまつ毛。外見だけでもモテ要素抜群だったけど、中身が最高によかったの。

 

それだけ可愛かったら、「自分は人に比べて可愛い」ってわかりそうなもんだけど、天然なのか親の育て方がよかったのか、自分の外見のよさにちっとも気付いていなかったのよね。だからこそなのかなんなのか、非常に謙虚、そしてどがつくほど真面目。そして、友達思いのとってもいい子だった彼女。だからこそますます、男にも女にもモテた。

 

だったはずなのに……。

 

そんな彼女の15年後は、

 

「ねえねえ聞いて、この前オープンした○○のイベントに行ってきたよ~。そこでね、芸能人の○○と連絡先交換しちゃった! 今度飲み会あるんだけど、みんなくる~? あ、でも年齢は秘密ね~! 私26歳って言っちゃってるから♪」

 

「この前ね、ちょっといいな~って思っている同期とごはんに行ってきたの。でもそしたらさ、お会計の時に割り勘だったの! どう思う? 私、今までお金払ったことなんてなかったのに、もう信じられないよね~。超失礼!」

 

「あのね、今度読者モデルやらないかって出版社の人から言われてるんだけど、あれかなぁ、やっぱ枕営業とかあるのかなぁ。どうしよう、こわいなぁ私。でもこれで芸能界とか入れたらとか、ちょっと思ってて~。」

 

 

……イタい。イタすぎる。

 

その場の空気が凍ってる。確かに相変わらずキレイだけど、さすがに26歳には見えない。絶対ばれてるわよ? その嘘……。あぁ恥ずかしい。同期で飲みに行ってお金払うのって……普通じゃない? 枕営業……タメだから言うけど、35歳には枕営業さえこないし、読モで枕営業って……ない(苦笑)

 

この子だけ、時間が動いてないの? ってくらいにやばい会話の浅さ。いや、でも違う。15年前のこの子は、こんな会話なんてしない人だった。

 

私、思うのよね。

 

この子、卒業して社会に出てからようやく自分の外見が人よりも勝っていることに気付いちゃったようね。しかも運の悪いことに、かんっぜんに調子に乗った。そういう女、私はあまり好きじゃないけど、需要と供給が一致していた20代なら世間的にはまだOKだったかもしれない。でもさ、今あなた、何歳?

 

35歳で先程からの発言は残念すぎる。誰もこの子に言ってこなかったのかしら。それとも、途中まであんなにいい子に育った分、暴走したら止まらなかったのかしら?

 

確かに、人生100年と見たら35歳はまだまだ若いのかもしれない。でも、その若いは20代の頃に言われる「若いね~」とは明らかに違う。その事を、大体のまともな30代は無意識に理解しているし、その他の色々な社会経験で落ち着いた考えも出来上がってくる。

 

でも、この子はまだ(自分の中では)ちやほやされている気でいるのね。そういう傲慢さや驕りって、どうしても顔つきにも出てきちゃうのよね。

 

今だってもちろん顔の作りは端正だけど、なんだろう、一言で言っちゃうと「勘違いがまるごと顔に出ちゃってる傲慢女」みたいな顔つきなのよ。

 

あんなにうらやましいと思っていたその子の顔を、全然うらやましいと思えなくなっていた。一歩なにかを踏み間違えるだけで、こんなに人って変わっちゃうものなのね。中身は外見に、必ず現れてくるものなのよね。そしてそれは、年を重ねれば重ねるほどに。

 

でも本当は、「若い頃もよかったけど、年を重ねた今のこの感じも楽しいよね。まぁこれからどんどんどんどん、変わっていくんだろうけどね、あははー!!」

 

そんな感じで、彼女と笑いあいたかった。

 

若い頃にモテまくった、そこのあなた。

 

ただのイタい女になってませんか?

 

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