この前ね、出張で名古屋に行ってきたの。
その日はタイミングよく金曜日。せっかく名古屋に来たなら、名古屋のカフェを楽しみたいじゃない? 名古屋で働いている友達と落ち合って、その子行きつけのカフェに連れて行ってもらったの。
名古屋と言えばカフェ文化。至る所に雰囲気のいいカフェがあるのよね。そんな中でも連れていってもらったお店は格段に良かった。
女子同士でもデートでも、はたまた家族連れでも気分よく楽しめるお店。料理もコーヒーも美味しくて、ついつい長居しちゃったの。
気付けばゲストは私たちとカップルの2組だけに。最初はカップルのことなんて気にもしないで、女子同士くだらない話で大笑いしていたんだけどね。
2人の会話が一瞬耳に入って、思わず私たち、シーンとしてしまったの。
「ねぇ、私たちってどうして互いに結婚してから出会っちゃったんだろうね」
そう、どうやら2人はイケナイ関係。
その日たまたま居合わせた、この先、おそらく一生会うこともない不倫カップルは、まぁ一言で言えば、そのシチュエーションに完全に陶酔、いや、泥酔。
お互いに結婚してます ⇒ でも好きになっちゃった ⇒ え、お互い両想い? ⇒ でも結婚してるし ⇒
……切ない!!!!
というループの真っ最中。
久しぶりに、ドラマの「昼顔」を思い出しちゃったのは言うまでもないけど。
ちらっとカップルの方見たら、指輪はお互いしてるのよね。へえ~って思ってたら
「指輪して2人で飲んでれば、知り合いに会っても、そういう関係ってばれないもんね」
って、お互いに頷き合う2人。
熱くなっているのは2人だけで、完全にこっちはしらけムード。
どこまで、お互いの結婚相手のことバカにしてるのかしら、この2人。
私、思うのよね。
不倫は、はまって当たり前。
ましてやダブル不倫ならなおさらよ。なんでか分かる?
2人とも、帰る場所があるからよ。
矛盾しているようだけど、帰る場所があるから、安心して裏切れるのよ。
不倫相手のことを思って切なくなってみたり、結婚相手のことを憎んでみたり、密会して「どうして俺たち・私たちばっかり……」とか言い合って、抱き合ってみたり。
客観的にみると、見ていられないほどの腐った茶番。でも本人たちって大真面目なのよね。結婚相手を裏切っていることも気づかないくらいに。正当化しちゃって、自分が悪いなんて1ミリだって思わない。
不倫って、都合のいいことしか見えないように出来ているのよ。
っていうより、相手の嫌な部分なんて見る必要がないの。どうしてかって?
要は、本気じゃないから。
不倫相手に対して本気なら、結婚相手がどうのこうのって騒ぐ前にたぶん離婚してるんじゃないの? そこのお2人さん。
このシチュエーションだけ、楽しんでいるだけじゃない。
別に正しく生きろなんて言わないけど。せめて「結婚相手に悪いことしてる」って、そこは潔く認めてほしいものよね。なぜか不倫を公表している人たちは「相手には悪いことしたと思ってる」だけでは終わらないの。絶対そのあとに「でも……」が続くのよね。
まぁなんだかその店にい2人は、似た者同士でいいんじゃない? もし最終的にくっついても、自分が結婚相手になった瞬間、互いに疑心暗鬼になるだけよ。
「この人は結婚しても裏切る人」という事実が、今度はあなたたちを苦しませるの。
その時にでも、自分の浅はかさをどうぞ悔んでちょうだいね。



