この前ね、2年以上ぶりに同じ取材部署の先輩と飲みに行ってきたの。その先輩は、私とはちょうど20歳差のダンディなおじさま。あだ名もおじさま。一緒に出張なんか行くと、会社の代表に間違われちゃうくらいにおしゃれかつ謙虚な出で立ちなのよ。でもねそのおじさま……全く仕事をしない(できない)の。
何も知らない入社当時は憧れていたものだけど、実情を知ってからは、もう呆れモードに入るしかなかった。そのうちだんだんイライラが募ってきて……(苦笑)
一時は「どうして私の方が3倍以上仕事量が多いのに、だいたい寝ているおじさまの方がお給料高いのでしょうか?」と本物の社長にも直談判したほど。
社長も社長で、「そうだよねぇ……。そうなるよねぇ。私も面接の時点で「この人できる!」って思って給料決めたけど……まじ見た目と年齢の割に物腰の柔らかさにだまされちゃった」ですって。まぁ、共感しすぎて二人して苦笑いしてたんだけどね。
そんなんだから、他の会社の人間からも、もちろん相手にされない状態。ただ、何も知らないクライアントからはやはりその物腰の柔らかさとおしゃれさから非常に大好評なの(笑)。
でもいつの頃からか、私の怒りは峠を越えて、「まぁ……今まで仕事もせずにプライドばっかり高い人はいたけど、おじさまは違う。仕事はしないけど、ものすごくいい人だ」と思考をチェンジ。
イライラしない方が仕事に集中できるし、何よりおじさまに優しくできる。そうしたら、なぜか「りかさんが頑張っているのを見ていたら、私も頑張らないと思ってきたよ」となり、これまでよりもだいぶ睡眠時間が減ったおじさま。そうなると、こちらもますます優しくなれるのよね(苦笑)
そんなこんなで、二人で飲みに行くようになるくらい関係が良好になった私たち(笑)。
まぁ元々おじさまは優しいし、嫌悪感を抱いていたのは私だけだったんだろうけど。その日は美味しい焼き鳥屋さんで飲んだ後、「この前できたちょっとこじゃれたカフェ知ってる?」とのことで2軒目はそのカフェへ。
職場の近くのカフェは行き尽くしたと思っていたら、穴場も穴場、かなりおしゃれなお店だった! 夜の雰囲気が大人な感じで素敵だったけど、今度はランチにも来てみよう♪ 焼き鳥屋とは真逆の落ち着いた雰囲気の中、しっぽりと仕事やプライベートの話をしていたの。
そこでおじさまが私に言ってくれた言葉が意外や意外、めちゃくちゃ深かったのよ。あ~こういう大人になりたいなって思ったほどに。まぁ、「まさかこのおじさまがこんな深いことを言うとは!!」って意外過ぎたからこそ心に響いたかもしれないんだけど(苦笑)
私ね、今の会社に入社したのが33歳の時で、この前の誕生日で36歳を迎えたの。3年って、自分の中で本当にあっという間。でも確実に時間は流れていくのよね。入社当時に比べると「あぁ~、加齢の変化わかるわ~」って感じる瞬間が結構多くなってきて。
それは例えば、出張帰りに飲みに行くとだいたい次の日風邪気味だったり、出張の疲れを1週間後まで引きずったり、仕事に対する嫌悪感は皆無なのに朝がつらかったり……。最近は遠出の出張になると、出張先でどれだけ食べ飲みしても多少痩せて帰ってくるようになった(まぁそれは個人的にはうれしいんだけど)
そんなことを、同じ大変さを味わう同じ部署のおじさまになら言ってもいいかなと思い「20歳上のおじさまに言うのもなんだけど、最近自分の体の変化についていけない時があるんですよ。前は北のはずれでも最南端でも軽々行ってのにな~! 体力だけでもいいから昔に戻りたいって思いません?」ってネタっぽく話したら……
おじさま、こう言ったのよ。
おじさま「“こういう自分じゃないといけない”はない。自分の変化を楽しむこと。そして、自分の変化に戸惑わないこと。これがとっても大事だよ」
って。
おじさま「りかさんが36、37、38~ってなって40代になっていくの、めーっちゃ楽しみだよ。これからどんどん楽しくなっていくから。もちろん変化はするよ。それは生きてるんだから当たり前! その変化を楽しまなくちゃ。りかさんなら、そんなのお茶の子さいさいでしょう?」
って。
大げさじゃなく、未来が開けた気がしたの。
私、思うのよね。
いくら仕事ができなくても。いくら一人休憩時間が長くとも(社長不許可)。いくら入稿時期を勝手に延ばしても。いつもにこにこ謙虚にしているこのおじさまも、やっぱり年相応に、素敵に年齢を重ねてきたんだなってね(おい)
仕事のそれだけじゃない、心根の優しさに触れた気がした。確かにおじさまは実際年齢よりも若々しくて、常に何か新しいことを目論んでいる(仕事じゃなくて趣味の方だけど)
そして、「私は男の人の中ではもしかしたら少数派かもしれないけど、女性は年を重ねていくことで、ますますキレイになっていくってことを知ってるからね」
ですって。
世の中の男性がみんなこうならいいのにね(苦笑)
おじさま。ありがとう。
変化を恐れずに歩いていく気になりました。
これまで小馬鹿にしてて、ごめんね!♡



