先週、仕事帰りにカフェで待ち合わせをした時のこと。

 

待ち合わせ場所に行ったら、女友達と見知らぬ男性が……。

 

「ん? どうゆう状況?」

 

とクエスチョンマークが浮かんでいる私に、女友達よりもその男性の方が先に状況を説明してくれた。

 

「驚かせてしまってごめんなさい。実は私、○○さん(女友達)の元同僚でして。さっき打合せが終わって休憩しにこのお店に来たんですが、そうしたら偶然○○さんを発見して! りかさんを待ちつつ、ちょっとお茶でもしようか~ということになったんです」

 

あ~なるほどそういうことか。たしかにこのカフェ、女友達の元職場と近かったなぁ〜と納得しながら彼女の方をみると……。

 

え、なんっかめっちゃ恋する女の顔してるんですけど(笑)

 

あれあれ? もしかしてこの人、前に彼女が何年も片思いしていた相手!? 名前は確か、片桐って名前だったはず……。よしここは名刺交換といこうかと思ったところ、彼はサッと私に名刺を差し出した。その名は……ビンゴ! 片桐さん!!

 

彼女の表情からするに、まだ片桐さんへの想いは完全にまだ残ってる感じ。しかもまだ帰ってほしくないオーラがすごい(笑)。よし、ここはひと肌ぬぐか……。

 

りか「片桐さんですね。よろしくお願いします。前から片桐さんのことは○○から聞いていました! 同じ島の先輩と後輩だったんですよね。すっごい仕事ができる人でいて、女子からも男子からも憧れられてるんだよ~ってものすごいベタ褒めしてましたが、その片桐さんですよね?(笑)私達これからここでご飯なんですけど、もしよかったら片桐さんも一緒にどうですか?……って顔を○○がしています(笑)」

 

片桐さん「恥ずかしながら、おそらく私がその片桐、なはず(苦笑)え、いんですか。いやでもあれでしょ? 今日コロナ明けで久しぶりに会うってさっき聞いてたので、いいんでしょうか……」

 

女友達「ぜひぜひぜひぜひ!」

 

りか「久しぶりですけど、いつもオンラインで会っていたので大丈夫ですよ。ほら、彼女もこんな感じだし(笑)」

 

片桐さん「お前(○○のこと)、ほんっと変わらんなぁ(笑)じゃあ俺も久しぶりに会えて結構嬉しかったんで、りかさんのご提案に甘えようかな」

 

ということで、思いがけず女友達の元(今も?)片思い相手と3人でご飯をすることに。でもなるほどね~。片桐さんと会って数分しか経ってないけど、彼女が彼を好きになる理由がすぐにわかった。

 

だって彼、相手の気持ちを汲み取る能力がかなり高い。そして、すっと人の心に入っていく術も身に着けている。

 

まず最初、彼女と見知らぬ男がいる状況に少し戸惑った表情を見せたであろう私に対し、すぐに説明。これ、相手方の気持ちを即座に考えられる人&すぐに行動するスピードを持ってる人じゃないとなかなかできないのよね。

 

さらに名刺交換の時。おそらく私が「名刺交換を……」と心の中で思った時、動作でバッグの中に手を入れたはず。そこで彼は察知して、私よりも先に名刺を差し出したわけ。

 

で、デキる……。

 

ご飯に誘われた時も、まずは私達のことをおもんばかり、OKとなったら一人称を「私」から「俺」に自然にシフト。その上女友達に会えて嬉しかったとサラッとお伝え。そして女友達をお前と呼んだところで二人の関係(先輩・後輩で結構仲良しだったヨ)ということが私にも伝わるようあくまで自然に周知! そして敬語とタメ口の割合の推移が完璧!!

 

で、デキる……。

 

もし彼が意識的だろうが無意識でしたことであろうが、そこはあんまり関係ない。その場にいる人が気持ちよく時間を過ごせるように動ける人って、間違いなく仕事もできるからね。

 

そして女にも相当モテるのであろう。

 

こうして片桐さんのことを観察しまくってる自分に若干ひきつつ(だって暇なんだもの)彼女と片桐さんの会話を聞いていたの。そしてついに、それまでもモテ要素満載の片桐さんだったけど、女友達が好きになる決定的なポイントを会話の中に見つけちゃったの(暇すぎるでしょ私)

 

彼、女の誰もが一度は求める「そんなことないよ」が非常にサラッと言える男だったのよ。

 

女友達「私最近太っちゃって。もうすぐ夏なのにやばいです」と言えば

 

片桐「そんなことないっしょ。会社にいた時から全然変わってないよ。むしろもう少し太った方がいいでしょ」

 

と言い

 

女友達「私最近仕事がうまくいかなくって。やっぱり転職しない方がよかったかなぁ」と言えば

 

片桐「いやそんなことないでしょ。○○はうちの会社じゃもったいないって。お前なら絶対今の会社でもどんどん頭角現すと思うよ俺は」

 

と言い。

 

この男、「そんなことないよ」を完璧に使いこなしてる!! ここまで「そんなことないよ」を使いこなせる男はなかなかいないよ片桐! 彼の「そんなことないよ」には全く嫌味がない。おそらく心の底から、「ソンナコトナイッテ」って思っているのでしょうね。

 

「そんなことないよ」を連発された彼女はまさに恋する乙女。でもね、「あ~これは、再燃するかもしれないなぁ」と思っていた矢先、彼の爆弾発言で事態は急変しちゃったの。

 

片桐「あ、そういえば俺今年の12月に結婚するんだ! お前もよかったら式にきてくれない? 後輩代表として! 招待状送るから住所教えて~」

 

女友達「え? ケッコン……? あ、結婚!! おめでとうございます。住所ですね! はい! こちらになります!! この度は、誠におめでとう!」

 

現実を受け入れられず、てんぱって変な日本語になった彼女。片桐さんは「サンキュー! じゃあまた偶然会ったらお話しような! りかさんも、今日は本当にありがとうございました!」と颯爽と帰っていってしまったの。

 

こんなことって……ある、のよねぇ。現実は(涙)

 

私、思うのよね。

 

「そんなことないよ」がサラッと言えちゃう男はひどくモテます。

 

女性が求めている言葉を言ってくれるんだもの。そりゃ需要が出て当たり前。

 

でもね、自分の彼氏が片桐さんのように「全ての女性に対して」言っていたとしたら?

 

彼女からしてみたら「この、女たらし!!」ってなっちゃうのよね(苦笑)

 

すごく勝手なんだけど、実のところ、女性が本当に求めるのは「自分だけに言ってくれる(他の女には言わない)“そんなことないよ”」なのよね。

 

でもそこにはまたしても悲しい現実。「そんなことないよ」を言わない男は、どれだけ好きな彼女に対してでも、言わない人が多いです。

 

もし今あなたが「だれかれ構わず一生に一度は女性にモテまくりたい!」と思っているなら、この魔法の言葉「そんなことないよ」を言うのもあり。でも使い過ぎには要注意。今回の彼女のように、影で泣く女性が増えるかも。

そして意中の人がいるのなら、今度はその人だけに、この言葉を言ってみるといいかもね。

 

片桐さんがいなくなったテーブルに残った女2人。

女友達のやけ酒に朝まで付き合ったのは、ここだけの話。

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