いよいよ8月に入っちゃったわね。本当なら今頃、オリンピックで日本中、世界中が寝不足の日々を送っていたことでしょう。実際にやってきた今年の夏は、寝不足どころか外出制限もかかってややもてあまし気味な日々。でもそのおかげとまでは言えないけど、近所のおしゃれなカフェを何軒か発掘できた。

 

最近見つけた居心地のよいカフェで、小説を読んだり仕事をしたりしていた時のこと。なんとなーく最初から不穏な空気のカップルがやってきたの。まさか、こんな雰囲気のよいカフェで痴話喧嘩とか……「ないないない」とか思っていたけど、その嫌な予感は見事的中。さらには喧嘩どころか別れ話にまでヒートアップしてしまったの。

 

こうなると周りにいる人のことなんかお構いなしよね。彼らの視界にはお互いしか映っていない。これまで溜めてきた鬱憤を互いに言い合う若い男女。

 

でもその互いの不満の内容っていうのが、勝手に聞いておいてなんだけど、なかなか「……え? そこ?」っていう感じが多かったのよ。

 

彼女「もうマジで無理。最初の頃は毎回ごちそうしてくれてたよね。どうして最近は割り勘なわけ? 私にはお金払う価値もないってこと? しかも付き合いたては食器だって洗ってくれたし洗濯だって干してくれたし、ほぼ私の家にいるからって家賃まで補助くれてたじゃない。最近じゃ、もうなっんにもしてくれない。しかも、この前、私に嘘ついて飲み会行ったのだって知ってるんだからね。女を舐めるのもいい加減にしてよ」

 

彼氏「お金の話ばっかりうぜえな。お前だってそうじゃん。最初はおごるたびに嬉しがってくれてたけど、そのうちそれが当たり前でしょみたいな顔するようになって、それがなんか嫌だったんだよ。小さいって言われるかもしれないけど、なんか癪に障るんだよお前のその態度。お前が喜んでくれるならって思ってできていたことが、最近全然そんな風に思えないんだよ。

 

飲み会もお前に嘘つかなきゃ行かせてくれねーじゃん。俺もこの際言わせてもらうけど、お前だって最初はしてくれてたこと最近はなんにもしてくれてないよ? 雨の日は駅まで傘届けにきてくれることもなくなったし、料理も作ってくれなくなったし。しかもさ、お前、俺に舐めるなっていうけど、お前だって相当俺のことバカにしてんだろ。お前と今後やってける自信ねーよまじで。」

 

 

彼女「もうなんか、話になんない……。とりあえず一回家で話そう」

 

そう言ってカップルはお店から退散。嵐が過ぎ去ったあとのような静けさと、少しの気まずさが店内には流れていたの(苦笑)

 

 

私、思うのよね。

 

 

人を好きになる理由や付き合う理由は人それぞれ。でもその人を好きな理由が、さっきのふたりのように「○○をしてくれるから」っていうのは見誤りやすい落とし穴。

 

もちろん互いに好意がある時って、相手に喜んでもらえるのが嬉しいわよね。相手の喜ぶ顔が見たくて、色々したくなるのはわかる。でもそれは、その人の「普段の本質」ではない。恋をした時に発動する「イレギュラー」なものだったりするわけよ。

 

人の魅力は、何をしてくれるかじゃなくてその反対。何をしない人なのかっていう部分に詰まっている方が多いと思う。

 

例えばそれは、自分に都合のいい嘘をつかないことだったり、他人のせいにしないことだったり、人の悪口を言わないことだったり、付き合うまでは手を出してこないことだったり。

 

「してくれる」ことは、短期的に見るといい部分に見えるかもしれない。でもその人のことを本当に知りたいなら「しないこと」に重きを置いてみること。そうすると、その人の本質が自然にすーっと見えてくるから、ぜひやってみて欲しい。

 

それにしてもさっきのふたりは、付き合いたてにしてもらっていたことをしてもらえなくなったことが、不満でしょうがなかったみたいね。そこよりも、彼が彼女に嘘をついたことをなんにも思ってない方が……。話すなら、そちらの方を話し合った方がいい気がするけど。

 

それから個人的には、相手に対して「うぜえな」とか「お前」とか言えてしまう人ってだけでかなり抵抗感がある。言葉使いも大事よね。まぁ私に無理と思われたところで? っていう話ではあるんだけど。

 

「してくれること」で愛をはかると、後々結構しんどくなる。あなたが今気になる、「付き合っている女性・男性」はどんな人かしら? その人が「してくれること」じゃなく、「何をしないか」を今一度見てみると、相手のよさを再確認できるかも。

 

 

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