「私、サバサバしてるから」ってことあるごとに公言していて、実際ほんとにサバサバしている人に出会ったことが一度もない。

 

本当にさばけている女性って、そういうセリフは、まず吐かない。本物のサバサバ女子は、たぶん普段は「しれ~」っとしていても、いざという時とても頼りになるカッコいい女性のことをいうと思う。

 

でも、そんな「サバサバ女子」に憧れてる、実はとっても粘着質な自称「サバサバ女子」って、かなり面倒臭い感じに仕上がってくるのよね。

 

かっこよく見せたくて必死に「サバサバ女子」を演じても、本質は真逆。なにかしらいつもトラブルの中に身を置いているトラブルメイカーでもある彼女たち。

 

実は、うちの職場にもいるのよ、自称「サバサバ女子」が……。

 

私の職場の男女比率は男性2割の女性8割。会社の雰囲気は明るく自由、年に一度の社員旅行も楽しみになるくらいは割と仲のよい会社なの。そんな中、いつもトラブルを巻き起こすのが、例の自称「サバサバ女子」M美。

 

彼女は、とにかく口が悪い。口を開けば悪口ばかり。そしてかなり、承認欲求が強い。彼女に誘われて初めてランチに行った時、食後のアイスコーヒーを飲み終わるまでずっと自分の話と他人の悪口ばかりだった。

 

「この前、初めて打合せにきた○○さんいるでしょ? あの人メールの返信超~遅いの。仕事できねーのかな。私くらい早く返信しろっつーの。まじ死ねばいいのに」

 

「この前、目の前を赤信号で渡る大学生4人組がいてさ。まじ車にひかれちゃったらいいのにね、あんなやつら」

 

「夏だからって浴衣着るのはいいけど、歩くの遅いから邪魔なんだよね。しかも浴衣がはだけちゃって超だらしない。私、ああいう着方大嫌いなんだよね」

 

「ねえねえ、あの人の太もも見てよ、セルライトがすごいよ(笑)あ、でも私も人のこと言えないか~(相手の反応を伺う)」

 

美味しくておしゃれで有名な行列必須のカフェに運よく入れたけど、一緒に行く人がこんなんじゃぁ……。彼女と私の2回目のランチは、もう一生ないと思うわ。

 

とにかく、一から十までこんな感じの会話なんだけど、彼女が必ず最後に言う言葉があるの。それが

 

「私、嫌いなものや物事に対して全部こんな感じなの。ほら、私ってサバサバしてるから。 だからごめんね~、思ってることすぐ言っちゃうの~」

 

とんでもない勘違いを彼女はしているみたい。これは「サバサバ女子」でもなんでもない。人が不快にしかならない言葉を言うことがカッコいいと勘違いしちゃってる、ただの「めっちゃイタイ女」

 

いつも相手より優位に立ちたくて、相手を悪く言うことで自分の位置を勝手に保った気になっているのよね。でも、いつもその表情はびくびくそわそわ。相手の反応をこっそり伺っているのが丸わかりなの。

 

まぁ、基本は職場だけの付き合いだから、みんなその子とはある程度の距離をとって仕事をしていたんだけどね。でも、まさかのまさか。あろうことか新入社員が彼女の餌食になってしまったの。

今年の春に入ってきた、社内の女子がどよめくほどの爽やか新人イケメンが今回の被害者。まだ女性の恐ろしさを知らなかった彼は、なんと彼女のことを「裏表のない、さばけたイイ女」と勘違い! 年上のかっこいい女性と思って付き合い始めたものの、実際はバリバリの粘着質、承認欲求丸出しの依存女だってことにほどなくして気付いたそう。

 

「なんで私のことなんて好きになってくれたの? 私のどこがいいの?(いいことを言ってもらいたい)」

 

「あ~今通った子まじで可愛い。でもなんか太くて残念。だよね~?」

 

「さっき会社で目あったよね? でも目そらしたよね? なんで? もう私のこと嫌いになった? まじでありえない。あんたもどうせ他の男と一緒なんでしょ?」

 

最初の頃は、自分にだけ弱いところを見せてくれているんだと思っていた彼も、日に日に悪化する彼女のメンヘラぶりに次第にうんざり……結局彼は、お付き合いして3ヵ月で恋愛関係を終わりにしたそう。

 

ひどかったのが、そこからだった。

 

なんと彼女は、翌日から彼の悪口を社内で言い始めた。それも、付き合っていた頃のプライバシーに関わることまで含めて。

 

「○○ってさ、イケメンだけど実は夜の方はちょっと頼りなくてね~。年下だし最初は我慢してたけどさ~全然満足できなくって。男なら、もうちょっと頑張れよって感じ」

 

「サバサバしてる私のことが好きだって言ってた割に、“その言い方は、さすがになくない?”とか言ってくるのよ。なんかねちっこくない? だから私からバイバイしちゃったんだよね~、彼には悪かったけど」

 

嘘に嘘を重ねて、あることないことを吹聴された彼は「彼女と同じ空間にいるのは無理」と、会社を去ってしまったの。もちろん周囲は、彼女に非があることはわかっていた。彼の方からも事情を聞いて「あぁやっぱり」となっていたけど、彼の決意は固かった。(そりゃそうか)

 

 

でもね、彼が会社を辞めた時、彼女が放った一言がこれ

 

「あ……ほら、私サバサバしているから本当のことを言ったまでであって……たぶん私は、悪くないと思うんだけど……」

 

 

私、思うのよね。

 

ずけずけと酷い事を平気で言えちゃうことを「サバサバ女子」とはき違えて生きて、でも実は、自分になんの自信もない女。

 

弱い犬ほどよく吠えるとはよく言ったものだけど、弱い女もよく吠える。勝てる自信がないから、なにかに負ける前に、傷つく前に、去勢を張る。誰かに認められたくて、「そんなことないよ」という返事がきそうな言葉を選ぶ。依存傾向が強いのも、自称「サバサバ女子」のこわいところ。

 

そんな自称「サバサバ女子」と出くわしてしまったら、対処法はただ一つ。否定しても噛みつかれるだけ。そんな時は

 

「へ~、あ、そうなんですね~」

「あ、私ちょっと、よくわかんないんですけどね。あ、そうなんですね~」

 

友達だったり自分の大切な人なら、面倒くささを覚悟してなにか言ってみるのもあり。でも、もしそうじゃないなら。

 

さわらぬ神にたたりなし。

 

「ほら私、サバサバしているから」って公言している女性って、結構多いわよね。

あなたの周りは、大丈夫?

 

カフェから始まる恋もある
2019.8.7
ひっさしぶりに、聞いてる側までときめくような恋話を女友達が持ってきた。先週末、暑くて暑くて溶けそうだからと私たちが向かったのは、としまえんのプール。だったんだけど、入場口に溢れかえる人だかりを見て即断念(笑)「とにかく涼もう!」ということで、近くのカフェに入ったの。 何も調べずに入ったお店だったけ...…

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