やばいやばいやばいやばい。
今年があっという間に折り返し地点。仕事と仕事、時々プライベート、そんな感じで駆け抜けてたら、気づけば夏まであともう少し。
なーんてちょっとセンチメンタルな感じで、バーカウンターでコーヒーリキュールのお酒を飲んでいた夜。席をひとつ空けて、私より少しだけ年上かなという女性もね、一人お酒を飲んでいたの。
お互いに一人だったけど、特に話しかけて意気投合なんてことはせず、それぞれ淡々と一人の時間を過ごしていた時。
どうやら彼女と知り合いらしい男性が入店。
「あ~久しぶり~。隣りいい?」という流れで、彼女とその男性は一緒に飲むことに。予想通り、2人はこの店で知り合った飲み仲間みたいね。それぞれ仕事の愚痴や近況を互いに報告しあってたんだけど、男性が、ふと「あれ? そういえば、彼氏いるんだっけ?」と何気なく彼女に質問したの。
(と、その前に彼女は今年37歳になるという会話済み)
彼女はそれこそ自然に「うん、いるよ~。彼氏もこの近くに住んでるけど、今日は仕事なんだよね~」という返答。男性の方は家庭持ちなようで「そーなんだ。じゃあ今度俺の家族も連れて、ここでみんなで飲もうよ」と提案。
それまでは、自然と耳に入ってくる2人の会話を聞き流していたの。でも、男性の提案に対する彼女の返答におもわず「……え?」となってしまった。
彼女「あぁ、うん……。彼氏さ、彼氏は彼氏なんだけど。妻子持ちなんだよね。だから、不倫」
その時一瞬にして返した男性の言葉が、ほんとに心の声そのままって感じだった。
男性「え。それでいいの?」
そこからは、堰を切ったように話し始めた彼女。
”自分だって、この関係がいいわけじゃいし、彼は将来のために自分の子供と合わせたいと言ってきている。私は、まだそこまでの覚悟はできていない……。でも、でも、この気持ちは簡単に捨てきれないの”
……まぁ、きっと、誰かにこのことを話したかったんでしょうね。
ただね、私には、これから話す『ふたつの言葉』がとても気になったの。
私、思うのよね。
その①について-----------
怒られるだけまだマシよ。本当に友達と思っていなきゃ、相手も怒るなんてことしない。若干面白半分で「で? で?」って聞く子の方が多い世の中。あなたが怒られるってことは、怒ってくれる友達が、まだあなたにはいるということ。
ただ、ちょっと危ないわね。「どれだけ言ってもこの子には無理」って、諦められてそうな予感。
不倫、不倫じゃないかに関わらず、あなたを叱ってくれるありがたい存在を、あなたは手放して本当にいいのかしら。言葉にすると陳腐だけど、友達って、本当に大切よ。
そして、あなたにとって、それ以上の価値がその不倫男にはあるのかしら。
その②について------------
別れる時の自分の優位性だけを考えながら付き合ってるなら、今すぐにでも別れたら?
しかも「彼が後悔するように別れてやる」って、あなた、よっぽど「おばかさん?」
年上なわりに幼稚な考えね……。そのくらい憎らしいっていう気持ちはなんとなく分かる。憎らしいけど好きっていう気持ちも、想像しかできないけど、理解はできる。
でもね、相手は妻子のいる不倫男。あなたにフラれた所で、家に帰れば妻と子供がいるわけ。分かる? 彼にとっては、こっぴどくフラれようがフラれまいが、おそらくどうってことないわけよ。軽く傷つきながらも、普通の顔していつもの家庭に戻るだけの話。
受け止めたくない現実だけど、このままだと全てを失ってしまうわよ。不倫男一人に、あなたの人生狂わされてどうするのよ。
でもね、話を聞いていた男性はどうやらまとも。彼もこう言ってたわよ。
「いや~……。家族すら大事にできていない男が、君のことを幸せにできるなんて、到底思えないんだけど。家族持ちだからこその発想かもしれないけど。もう一回聞くけどさ、本当にそれで、いいの?」
ピリオドを打つのは彼女しかいない。友達があなたを叱る理由や、男性のその投げかけについて、冷静に考えてみて欲しい。
聞いているのがつらくなって、お会計を済ませた私。家に帰って、今度はお酒じゃなくて、濃いブラックコーヒーを飲みほした。
全てがきれいな恋愛って、なかなかない。でも誰かに嘘をついて成立するような恋愛は、遅かれ早かれ破綻しちゃうよ。
あなたなら、どう思う? 彼女が見直す部分はたくさんあるけれど、なるべく早めに、どうか幸あれ。
そう願って、ベッドに潜りこんだわ。