この前、数年ぶりに高校時代からの男友達に会ってきたの。互いにフリーな頃は毎週飲みに行くくらい仲がよかったの。私が女友達を紹介したり、その子に告白して振られたり(涙)、地元の方言で互いに話して爆笑したり。私の中で、男女の友情はあると断言できる相手がズバリ、その人。

 

そんな彼に、長いこと付き合っている彼女がいたの。男友達から「俺の彼女」って紹介された時はかなり驚いた。だって、「嘘でしょ?」ってくらいに可愛くて性格がよくて、笑顔がものすごく素敵だったんですもの。

 

私は、もう母親みたいな気持ちになって、「いい子と出会えてよかったねえぇぇぇぇ」と喜んだんだっけ……。コーヒー好きという彼女と私はすぐに意気投合して、いつしか男友達抜きでも遊ぶ仲になっていったの。

 

そんな彼女から「彼と別れました」という連絡がきたのは、ちょうど台風が関東に直撃した日のこと。食料品や避難道具を一式用意して、お気に入りのコーヒーをたっぷり淹れて家に引きこもっていた私は、思わず一人で「えええ!」と大声をあげてしまった。

 

だって、つい先日、彼はLINEで「今度彼女にプロポーズする」って言ってきたばかりだったんだから……。

 

彼がプロポーズしたかどうかは彼女からのLINEじゃわからなかったから、そこには触れずに一体何があったのかを電話して聞いたの。彼女も電話の向こうでコーヒーを飲んでいた。互いに温かいコーヒーを飲みながら、彼女はぽつりぽつりと話し始めた。

 

彼女「ごめんね。りかには言わなくちゃって思ってね……。別に好きな人ができたとかじゃないの。今でも彼のことは基本的に好きだと思う。でもなんか、もうわからなくなっちゃったんだよね、あの人の気持ちが」

 

りか「気持ち? 気持ちって、○○ちゃんのことをどう思っているかっていう気持ちってことだよね」

 

彼女「そうそう。あの人ってさ、“言葉にしなくてもわかるでしょ”ってタイプじゃない? いつも“好き好き”って言ってくる人よりは私も楽だと思って付き合ってきたけど、あまりにも言われないと不安になってね。

 

“あぁ、別に私がいなくても大丈夫なのかも”って思っちゃう時が増えていったんだよね。それでもまぁ、彼は私が思うほど何も思っていないだろうと思ってやり過ごして。それもまぁなんか虚しかったりしたんだけどね(苦笑)」

 

りか「あ~、たしかに。あいつは“彼女には何も伝えなくても俺のことわかってる”ってずっと言ってた、ね……」(まぁそんな彼は、プロポーズするって言ってたんだけど……)

 

彼女「そう、なんか疲れちゃったんだよね、彼の気持ちをおもんばかるのに。いつもじゃなくていいの。ここぞって時にだけ言ってくれるだけできっと安心できたと思うんだけど。でね、あーもういいやって思ったことがあったの。

 

来月の11月、私たち付き合って4年になる予定だったんだよね。私は、ただ“4年一緒にいれた”って事実が嬉しくて、二人で「4年になるんだね、よかったね、これからもよろしくね」って話したかったの。だけど彼に「もう4年だね!」って言ったら、彼は「あー、うん」てだけ。

 

そこからは、その話はするなオーラ全開。前に将来の話が出た時のことを気にしてるのか、また私がその話をするかと思ったのかな。その話、する予定なんてなかったのにね。

 

なんかすごく頭にきたし、それと同時に「4年経つことを喜ぶよりも、将来の話をされるのを避けるような人と一緒にいても、幸せにはならないかも」と思ってしまったの。」

 

りか「ん、たしかに“あー、うん”だけじゃ何を考えてるのかわからないね。こっちが勝手に相手の気持ちを想像するだけしかできない。しかもいい方にだけ考えがちだけど、それもいつか疲れる日がくるよね」

 

彼女「そうなの。あーあ、でも今はスッキリしてるよ。今でも彼が何を考えていたかがわからないのが少し心残りだけど」

 

りか「うん。でも今度、最後にもう一回聞いてみたら?(なんとプロポーズしようとしていたみたいだから。もしからしたら当時すでにプロポーズのことを考えていて、悟られないために言葉少なめになっちゃっただけかもしれないから……。)」

 

彼女「そうだね……」

 

私、思うのよね。

 

相手のことを大切に思うなら、たまにでいいから、その気持ちをそのまま相手に伝えた方がいい。それは、いくらお互い相思相愛でも。もしあなたが「言わなくてもわかってるでしょ」と思っていても。

 

だって「きっと私(俺)のこと好きなんだろうな。だから一緒にいるんだろうな」って思っていて、もしそれが正解だとしても、相手から直接「好きだよ」って言われた時の方がうれしいと思う。ただ単純に。でももしかしたら、2人に必要だったのは何気ない会話だったのかもしれないとも思う。

 

しっかり言葉を交わしていたら、もしかしたらこんな悲しいすれ違いは避けられたかもしれない。

 

彼女が最後に言った言葉が胸に刺さった。

 

彼女「私さ、プレゼントとかなによりも、ずっと「好き」って言葉が欲しかった。付き合っているんだから、私のことを好きなのは当然といえば当然だけど、それでも、せめて1年に1回でもいい。その言葉が、欲しかった」

 

後日、男友達に会った時。別れの理由がそこだったことに彼は絶句してた。

 

男友達「付き合ってるっていうことで、彼女には十分伝わってると思ってた」

 

りか「それでも言葉は必要なんだよ、きっと」

 

彼は、プロポーズをする前に彼女から別れを告げられたみたい。どうなるかはわからないけど、今度会った時にプロポーズをすると言っていたわ。

 

二人はこれから、どうなるかしら。

個人的願望だけど、できることならまた一緒に笑顔で過ごしてもらいたい。

 

彼女「なんだそうだったんだ! 早く言ってよ! これからはたまに言ってよね」

男友達「だってわかってるって思ってたんだよ。でもごめん! これからはたま~に言う」

彼女「たまにか(苦笑)」

 

って、いつものように明るく笑い飛ばしてもらいたい。

だって二人は本当にお似合いだったから。

 

相思相愛な二人も言葉が足りなさすぎると、こんな風になってしまうことがある。これは人間関係全体に言えること。感謝の気持ちや好きの気持ちは、いくら言ったって減らないから。

 

あとで後悔する前に、少し恥ずかしくても相手に伝えることって、かなり大切なのかもね。

 

 

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