大好きな大好きなBarでの話。
その日は、世間は3連休明けの日で。だからなのか、いつも賑やかな店内もしっぽりしてたの。
私としては、そんなこと滅多にないから「やった♡」くらいにして飲んでたのよね。
でも静かだからこそ、他の人たちの話がどうしても聞こえてきちゃう。
私も、ほどよくお酒がまわって、心地よく過ごしていたんだけど。
一瞬にして、一人で来たお客の話に引き込まれちゃったの。
その人は、性別男性・おそらく30代前半・会話からすると、どうやら編集関係の仕事をしているっぽい。
マスターと仲良さげに話している感じからみて、常連さんのようね。
その人がね、開口一番
「今日振られました。」
って、言うんだもの。しかもわりかし大きめの声で(苦笑)
マスターも「え、あの子だよね?よく一緒に来てた・・・・・・。」
私、思わず前回コラムに書いた、いい女の相手側なんじゃないかと思って。じっと見つめちゃったわよね。違ってほっとしたけど。
たんたんと静かに、いきさつをマスターに語っていく彼。
泣きそうになりながら話す姿は哀愁を漂わせるほど。
そんな彼が言ったのが、
「ようは俺たち、いつもいつも、価値観が違ったんですよね。なにもかもが。そのたびに喧嘩して。それが、こんな結果になっちゃたんすよね。」
あぁぁぁぁなるほど。結果的に、そこだったのね。
よしよし、大丈夫大丈夫。って肩をポンポンしてあげたい・・・・・・。でもね。
私、思うのよね。
全ての価値観が同じ人って、いるのかしら。
もちろん、ある1つのことに関しては同じ価値観の人とかならいるわよ?でも、全てが同じ人なんて、私会ったことないのよね。
全て合う人なんていない。でも、そこを前提にしていれば、価値観のずれは、【摩擦】じゃなくて【受容】の対象になると思うのよね。
ようは、その自分の正義という価値観を、互いに押し付け合っちゃってたんじゃないの?
押し付け合った2人の末路は1つしかない。
【別れ】しかない。
押し付け合いに、ハッピーエンドが待ってるわけないじゃないの。
今日別れたばかりの彼に言うつもりもないけれど。
今回の別れで、気づいてほしい。
互いに好きだと思ったことこそ、最高に2人の価値観が合ってるって証明してくれる事実だったのに。
残念よね。
浮気や借金や暴力とかは、もう価値観どころの問題じゃないからあれだけど。
今度付き合う彼女とも、価値観は合わないのは確実。でもそれが、当たり前。
その違いを受容できる心構えがあるかどうかで、結果は全然違ってくるんじゃないのかしら。
マスターは優しく聞いてあげてた。
優しいなぁ・・・・・・。
そんなマスターに、酔い覚ましのブラックコーヒーとシフォンを頼んで、その日はおいとま。
きっと彼も、優しいマスターに話を聞いてもらえて、心も少し落ち着いたはず。
陰ながら私も、応援させていただくわね。
がんばれ。何にも知らないけど。
がんばれ。きっといい恋が、待っている。

