いよいよ新年度がスタート。この春から何か新しいことにチャレンジしようとお考えの方も多いのではないでしょうか? そんな方にぜひご提案したいのが「コーヒー」です。
この春は「おうちでコーヒー」を始めてみませんか?
ご自宅でコーヒーを淹れるには、コーヒー豆を挽いた粉と抽出するための器具さえあればいいので、始めるのは意外と簡単。
コーヒー豆の入手については、以前にご紹介したこちらの記事を参考にしていただくとして、器具選びは種類や価格もさまざまなので、初心者の方は迷いやすいところかもしれません。
そこで今回は「これからコーヒーを始めよう」という人向けに、はじめての器具選びのポイントをまとめてみました。
器具によって扱い方や見た目の雰囲気、できあがるコーヒーの味わいも違ってきますので、好みのものを探してみてください!
最初の一歩はコーヒーメーカーから
インスタント以外のコーヒーを淹れたことがない、という初心者の方に最初にオススメしたいのはコーヒーメーカーです。
コーヒーメーカーの最大の長所は、「抽出が安定している」こと。当たり前のようにも思えますが、じつはこれってスゴイことなんです。
ハンドドリップは慣れていないと抽出が不安定になり、味がブレやすいのですが、コーヒーメーカーはコーヒー粉と水の分量さえ守っていれば、誰がやっても毎回同じ味に仕上がるんです。
なかには「コーヒーメーカーじゃおいしくないよ」と思われている方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。コーヒー豆の質と鮮度さえよければ、普通においしいコーヒーを淹れることができます。
機能的には、ただコーヒーを淹れるだけの単純なものから、温度や濃さの調整、浄水機能などを備えた多機能型、ボタンひとつでコーヒー豆から挽いてくれる全自動タイプまで、多種多様にありますが、最初の1台はシンプルなもので十分。
3,000円前後の安価な機種でも、コーヒーを淹れる機能に関してはまったく問題ないと思います。
もうちょっと予算を出せるという方は、コーヒー豆を挽くための「ミル」が付いている機種がオススメです。
コーヒーは粉に挽くまえの豆のまま保存しておくことで、格段に風味の良い状態を長くキープできます。
コーヒーメーカーといっしょにミルもあれば、飲む直前に粉に挽くことができるため、よりフレッシュでおいしいコーヒーを飲めるというわけです。
ただし、コーヒーメーカーに内蔵されているミルは、豆を均一に挽くことができないものも多いので、味わいにこだわるなら3,000~5,000円程度の手挽きミルを別に購入することをオススメします。
ミルについて興味のある方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
器具いらずで手軽なドリップバッグ
コーヒーメーカー任せではなく、自分でお湯を注いで淹れたい人向けで、もっとも手軽な方法がドリップバッグです。
ドリップバッグとは、不織布でできた小さな袋の中に1杯分のコーヒー粉を封入したもので、写真のようにカップの縁に引っ掛けてお湯を注ぐことで、お手軽にドリップコーヒー気分を楽しむことができます。
以前はお歳暮などのギフト用に人気でしたが、今ではスーパーマーケットでもよく見かける身近な商品になりましたので、ご存知の方も多いかもしれません。
いちばんの長所は、手軽に淹れたてのコーヒーが味わえることです。また、携帯性に優れており、捨てるのも簡単なので職場やアウトドアに持っていくにもピッタリです。
短所としては、封入してあるコーヒーが粉に挽いてあるため、鮮度が落ちやすいことと、普通にコーヒー豆を買うより1杯あたりの値段が割高になることです。
しかし利便性を考えたら、この点はやむを得ないともいえるでしょう。
最近ではコーヒーの自家焙煎店でもオリジナルのドリップバッグを販売しているところが増えていて、なかには注文を受けてその場でドリップバッグを作ってくれるお店もあります。
もちろん、私のお店でもやっていますので、ご興味がおありの方はぜひお問い合わせください。
素材本来の味を楽しめるフレンチプレス
フレンチプレスも手軽にコーヒーを淹れられる器具です。ガラスの筒状のものが多く、日本ではよく紅茶を淹れる時に使われていますね。
コーヒープレス、カフェプレスなどの名前で呼ばれることもありますが、いずれも同じ器具です。
淹れ方は非常に簡単で、筒状のポットにコーヒー粉とお湯を入れ、数分置いてしっかり抽出したら、プランジャーを押し下げて抽出液を濾すだけ。
この手軽さがフレンチプレスの長所で、コーヒー粉とお湯の量、抽出時間さえ守れば、安定した味のコーヒーが淹れられます。
また、プランジャーのフィルターは金属製なので、コーヒー豆に含まれるコーヒーオイルもしっかり抽出され、素材本来の甘みや香気成分を強く感じられます。
コーヒー豆の質がそのまま味に出やすいので、上質な豆でこそ試したい抽出器具といえるでしょう。
一方で抽出液にコーヒーの微粉が混じりやすく、ややザラついた舌触りになるのも特徴です。この微粉の感触は飲み終わったあとも残るため、普段ペーパーフィルターで飲み慣れている方は、少し違和感があるかもしれません。
抽出された微粉は器具やカップの底に沈殿しているので、気になる方は最後の一口は飲まずに残すようにするのがオススメです。
一番人気はドリッパーによるペーパードリップ
日本でもっとも普及しているコーヒーの抽出方法が、ドリッパーとペーパーフィルターを使ったハンドドリップではないでしょうか。
ペーパーフィルターをセットしたドリッパーにコーヒー粉を入れ、お湯を注いで抽出を行います。
とくにこだわらなければ、ドリッパーとペーパーフィルター合わせても1,000円前後で入手できるうえ、抽出後の片付けも簡単。さらに淹れ方によって味のコントロールがしやすいという特徴もあります。
今はドリッパーもいろいろなメーカーから、さまざまな材質やデザイン、形状のものが出ているので、自分の趣味や感性に合ったものを選び、集める楽しみもあります。
難点を挙げるとすれば、安定した抽出が行えるようになるまで、ちょっと練習が必要なことでしょうか。
とはいえ、決して難しくはないので、「これからコーヒーを勉強したい」、「カッコよくコーヒーを淹れられるようになりたい」という方は、ぜひ挑戦してみてください。
基本的な淹れ方さえマスターすれば、徐々に味が安定してくるはずです。その過程での味の変化や、日々の淹れる手間を楽しみながら練習するといいでしょう。
自分に合った器具を選ぼう!
今回は代表的な4種類の抽出器具と方法についてご紹介してきましたが、興味を惹かれるものはみつかったでしょうか?
最初は意気込むあまり、少し背伸びをして立派な器具を選んでしまいがちですが、長く続けていくためには「コーヒーを淹れる」行為自体が負担にならないことも大切。
準備や片付けにかかる手間、予算、置き場所なども考えて、自分に合った器具を選ぶことで、より楽しくコーヒーと付き合っていけると思います。
最初の一歩を踏み出した先には、豆選びや飲み方のアレンジ、道具へのこだわり等々、さまざまな楽しみ方も待っています。ぜひ自分なりのコーヒーの楽しみ方をみつけて楽しんでください。
次回は、人気のペーパードリップとそれに関する器具選びについて、ご紹介していこうと思います。どうぞお楽しみに!