機械化の進む現代。作業の効率化や人件費削減など多くの企業がその恩恵を受けている。機械化されたサービスを受ける僕らはどうだろうか?
『便利になった』という意見が大半を占めると思う。もうひとつ付け加えるのであれば『煩わしくない』という点だ。僕が抱く『煩わしさ』というのは“サービス提供側と客との距離”である。
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目次
煩わしさを取り払った利点について
「かっこよくなりましたねぇ!」
床屋のオヤジは満足気に言い放つではないか。
――ちょっと待ってほしい。
この発言にはいくつかの疑問点がある。
1
ひとつは『かっこいい』というのは“僕自身”のことなのか? それとも“髪型”のことなのか?
前者の場合、それは僕の遺伝子の問題であってオヤジにはまったく関係のないことだ。つまり、そこで頷くということは自画自賛――「そうです。僕はかっこいいんです!」と、ナルシズムを公の場で垂れ流すことになってしまう。だとすればそれはオヤジの罠だ。
後者の場合だったら合点がいく。この髪型はオヤジが作り上げたものなのだから件の発言も不自然ではない。しかし、それはレストランのコックが「どう?美味しいでしょ?」と言っているようなものではないか。なんにせよ、これが僕が抱く『煩わしさ』だ。
人間が接客しない時代が到来? 無人カフェ『変なカフェ』
サービス提供側はロボットみたいに無駄口を叩かず粛々と業務を遂行してくれるだけでいい。そんな煩わしさを解消したカフェが渋谷にあるという。なんとそのカフェは完全に機械化されており従業員がいないというではないか。
場所は渋谷駅ハチ公口から徒歩5分ほどのMODI地下1F。(渋谷モディ(渋谷区神南1)地下1階の旅行代理店「H.I.S.渋谷本店」)
店名「変なカフェ」。
この『変』というのはストレンジという意味ではない。『変化しつづける』というテーマが込められているらしい。目指す場所は“常識を越えた先にある、かつてない感動と快適性”とのこと。
しかし、旅行代理店を越えた先には、かつてないほどストレンジな奴がいるではないか。
カウンターに近づくと物悲しそうな顔で僕を見るロボット。なんだその顔は。本当にコーヒー淹れられるのか? 頼りなさ過ぎるぞ。
いざ、『変なカフェ』バリスタロボット・ソーヤー君でコーヒーを注文
ソーヤー君。HISのスタッフが来てしまったら僕がここに来た意味がない。くれぐれも失敗しないよーーに。ね。
変なカフェでのオーダー方法はまず、券売機でコーヒーチケットを購入する。コーヒーメニューはドリップコーヒーを始め、カプチーノやカフェラテ、アメリカーノ、カフェモカ、抹茶ラテなど種類が豊富。
コーヒーチケットに印刷されているQRコードをカウンターに設置してあるコードリーダーにかざして、所定の位置にカップを置くとソーヤー君がコーヒーを淹れてくれる。
所定の位置にカップを置くとソーヤー君が動き出した。
カップを持ち上げて、ドリッパーにセット。なんていう哀愁漂った顔してるんだい、君は。
コーヒー豆をグラインドして……。
抽出開始!
抽出が終わったらカップをカウンターに。お待たせしました~!
農園表記のプレミアムコーヒーをご提供。お値段は若干高い!?
ただ、人件費が0なのにコーヒー550円は高すぎる。※プレミアムコーヒー
また、提供時間が少し長めに感じた。個人的な意見だがこれは流行らないだろう。
ドリッパーを洗浄するソーヤー君に哀愁が漂っていた。
本気の感想(ちょっと辛口)
ただ、ソーヤー君を含めて店に情緒を感じられない。なんと言うかカフェ特有のかっこいい雰囲気がまるでないのだ。ここで高いコーヒーを飲むのなら自動販売機のコーヒーを飲んだほうがいい。
もっと外観や内観をカフェっぽくしてソーヤー君の顔にやる気を足せば、もう少し客足は伸びるのではないだろうか。
経営は旅行代理店会社H.I.Sらしく、そもそも話題作りが目的で集客は二の次なのかもしれないが……。
気が向いたらソーヤー君はアクセスのよい渋谷の中心部に位置した場所にいるので会ってみてほしい。
「HENNA CAFE 変なカフェ」
〒150-0041
東京都渋谷区神南1丁目21 渋谷モディ B1F
03-3496-9541