子どもにお金の大切さを学んでほしいと感じるものの、どうやったら理解してもらえるのか、悩む親は少なくないでしょう。かくいう筆者自身も、男の子を2人持つ母親であり、子どもの成長とともに、お金との付き合い方を知ってほしいと感じるようになりました。

 

そんなとき出会ったのが、『小1の男の子がコーヒー屋で家庭内起業』という話題の記事。

 

アートディレクターである佐藤ねじさんの息子さんについての話であり、子どもへのお金の教育という面で、親の視点から多くのことが学び取れる話です。

 

そこには親が子どもの金銭感覚を養うために必要なヒントがぎゅっと詰まっていました。

 

参考:小1起業家 〜900円借金して、コーヒー屋を家庭内起業〜

小1男子がコーヒー屋で家庭内起業

 

※以下、あらすじを含みます。

 

 

ポケモンカードが大好きな小1の男の子は、毎月のおこづかいが100円でした。でも、ほしいカードのパックは150円。どうにかしてお金がもっと欲しい彼は、100円を払ってお父さんが開く『おこづかい講座』に参加し、お金の増やし方を学びます。

 

いろんな方法でお金は増やせることを知った彼は、コーヒーをビジネスとすることに決定。

両親ともにコーヒー好きで、「お店で飲めるような1杯が飲めるならお金を払う」という要望に応え、お年玉貯金1,000円に加えて、お父さんに900円の借金をして、原料となるおいしいコーヒー豆を購入します。

 

さらにお父さんの『コーヒーの淹れ方講座』を受講し、晴れて家庭内カフェ『ブレンドコーヒー』を開店。きちんと出納帳もつけ、セットメニューで売り上げアップといった工夫をすることで借金も返済し、開店から2ヶ月後にはようやく黒字化!

 

今後の展望を聞いてみると、「もうちょっとお金の稼ぎ方のパターンがあるのかな」「稼いだお金でもっと豆を買っていく」など、欲しいものを買うよりもお金を稼ぐことに面白さを見出し、楽しんでいるように見られました。

『小1起業家男子』に学ぶ、親が子どもの金銭感覚を養うためのヒント

子どもを持つ親なら、理想的なお金についての教育方法だと感じますよね。しかし、まったく同じようにおこなうのは、なかなか難しいもの。

 

そこでまずは、学ぶ親が子どもの金銭感覚を養うために必要なヒントをこの試みから学び取ってみましょう。

1.親自身がお金の知識を身につける

この方法が成功を収めた理由に、お父さんである佐藤さんは会社を設立しており、子どもに教えられるだけのお金の知識を持っていた点が挙げられます。

 

しかし筆者をはじめ、一般的な親が子どもに与えられるお金の知識は「ムダ遣いしない」「貯金する」程度というケースが多いのではないでしょうか? 「お金を増やす」ことについて、私たちは驚くほど知識を持ち合わせていません。

 

それは「お金は使い方によって増やすこともできる」と理屈として知っていても、その方法について学校で習っていないから。知らないことは、どう頑張っても教えられないですよね。さらに、日本では「お金を稼ぐ方法」などは、タブーとされる風潮があり、お金の扱い方を知らないまま大人になる場合がほとんどです。

 

まずは、私たち親自身がお金の知識を身につけることから始めましょう。

2.子ども自身で考え、興味を持たせる

「カードが欲しい」というきっかけで始めたコーヒー屋でしたが、最終的にはお金の増やし方にも興味を持ち、さらなる展望を広げている男の子。

 

大人もそうですが、とくに子どもは興味がないことは続きません。この試みの場合、なぜ子どもが興味を持ち、それを維持できたのかと考えると、「子ども自身で考えさせた」ことも理由のひとつでしょう。

 

このケースでは『おこづかい講座』や『コーヒーの淹れ方講座』という土台こそ親が作っていますが、セットメニューなどどうすればもっと売上をアップできるか、子ども自身で考えています。そしてそれが成功することで、楽しさを見出し、さらに興味を持つというサイクルが回るように。

 

親が与える知識は最小限にとどめ、あとは子ども自身で考えさせることで、金銭感覚やお金の使い方を、自ら学ぶチャンスになるのではないでしょうか?

3.生活の中で身につけさせる

お金についての教育が大事とはいえ、一度教えただけで身に付くものではありません。

 

最近では子どものためのマネーセミナーなども多く開催されていますが、得た学びを持続的に意識できるかといえば、なかなか難しいものです。そのため、大切なのは生活の中で、実際にお金を使いながら身につけさせることではないでしょうか?

 

お金は生活していく上で重要なツールでもあり、金銭感覚を身につけさせるのには机上よりも実際の生活の中がベストでしょう。また、守られた環境にいる今だからこそ、失敗してもフォローしてあげられるため、暮らしの中でどんどん経験させてあげたいものです。

 

いきなり起業やビジネスにトライするのは難しいですが、まずはおこづかいを計画的に使うことも生活の中で学べる金銭感覚のひとつ。少しずつステップアップして、よりかしこいお金の使い方も学べるよう、暮らしの中でしくみを作っていけるといいですね。

子どもとともに金銭感覚をアップデートしよう

「お金の教育」と耳にするとつい身構えてしまい、苦手意識を持ってしまう方が多いのではないでしょうか? しかし、今回のエピソードのように、お金について子どもと学ぶチャンスは日々の中に転がっています。

 

まったく同じように真似をするのは難しいかもしれませんが、エピソードから学べるお金についての教育のヒントを元に、各家庭それぞれのやり方を見つけてみたいですね。子どもと一緒に、令和の時代を生き抜く金銭感覚を身につけましょう!

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