「スペシャリティーorスペシャルティー」
ちょっと前に、ライターの森山さんにスペシャルティーコーヒーって何? って記事を書いていただいたんだけど、そこで面白い発見があったので、ちょっと改めて記事として掲載しようと思いました。
コーヒーの注文をする際に、大きく分類を分けるとしたら、本当に大きく括りすぎだけど、ブレンドコーヒーとシングルオリジンに分けられると思います。
その中で、巷で話題になったり最近、よく耳にすることも多い「サードウェーブコーヒー」
詳しい内容は、サードウェーブって何? の記事の中で、わかりやすく紹介されているんですが、時代の流れとともに現代のコーヒー文化として生まれたサードウェーブコーヒーの中で注目されてるのが、「スペシャルティーコーヒー」です。
そこで、ちょっと紛らわしく、「スペシャリティーorスペシャルティー」どっちが正しいのか……という疑問でてきたんですね。
いつもお世話になっているライターの森山さんが、色々とお調べしてくれたので紹介したいと思います。
World English Dictionaryによれば
speciality or chiefly (US and Canadian) specialtyと書かれています。
つまり、イギリス英語では「スペシャリティ speciality」と書くこともある(※)が、アメリカ(カナダ)英語では「スペシャルティ specialty」なのです。これを踏まえて、各団体のウェブサイト名を見てみましょう。
※元々は中世後期英語"specialite"から来た言葉。
SCAA Specialty (=スペシャ「ル」ティ) Coffee Association of America
SCAE Speciality (=スペシャ「リ」ティ) Coffee Association of Europe
世界のスペシャルティコーヒー協会の中では、SCAAがその先駆けとして1982年に設立されています。
これに対してSCAEは1998年にロンドンで設立されました。
このため、SCAEではイギリス式の"speciality"(=スペシャ「リ」ティ)という語が用いられたようです。
日本では「日本スペシャルティコーヒー協会」 "Specialty Coffee Association of Japan (SCAJ)"という形で、
現在はアメリカのSCAAに倣った英語表記/カナ表記が採用されています。
つまり、どちらでも英語としては間違いではないけど、「現在、日本の協会が採用している表記は『スペシャルティコーヒー』である」というわけです。
実はSCAJのサイトの「概要」 を見ていただくと判るように、1999年に、"World specialty coffee conference"が日本で開催されることになり、
SCAJの前身である「全日本グルメコーヒー協会 (1987年発足)」が主催に当たることになったときに、
名称変更して「スペシャルティ」の語が名前に入ってます。
ただし当初は「日本スペシャリティーコーヒー協会」という名前だったようです(ただし英語表記は"specialty"だった模様)。
しかし、カンファレンスの終了後、2003年に「国内外に向け、より開かれた協会として」新規設立され、このときに現在の名称になったようです。
なるほどね。。。
ヨーロッパでは、スペシャリティーコーヒーと呼ばれ、アメリカではスペシャルティーコーヒーと呼ばれてるんですね。
コーヒーの歴史を辿ると元来、コーヒーの文化はアメリカで大きく発展し、なかなかコーヒー豆の流通が難しく安定して品質の整ったコーヒー豆を確保することが難しかったヨーロッパは、エスプレッソやアレンジコーヒーといった独自の発展を遂げてきました。
ここでは、シングルオリジン価値観やコーヒーの品質の保持・クオリティー評価の基準などを考えて書いていただく記事タイトルは「スペシャルティーコーヒー」でいきましょう! ということになりました。
コーヒーの世界って、難しい。