古くから人々に愛されているコーヒーですが、その魅力ゆえにさまざな映画に使われていす。
たとえば、コーヒーがキーワードになっている映画や、フェアトレード・生産農家についての解説映画、そのほか有名な映画の名シーンにも登場したり……。
見終わった後に、コーヒーで一息つきたくなるような映画を3本ご紹介します。
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目次
コーヒーをめぐる冒険
あらすじ
ドイツの街に住む青年ニコの、不運な一日を描いています。ある朝、恋人と些細な行き違いが原因で別れたニコは、彼女が淹れたコーヒーを飲み損ねてしまいます。
その後の彼の身には、原題である「Oh Boy」といわんばかりの不運が襲いかかります。 カフェでコーヒーを注文するも、小銭がなくて買えずじまい。ATMで現金をおろそうとしても、カードが吸い込まれお金も引き出せません。
その後もさまざまタイミングの悪さが邪魔をして、コーヒーを飲むことが出来ないニコに、至福の1杯を口にするときが来るのでしょうか。 |
映画の感想
人に対して不実なところがあるニコですが、気の毒なくらいの災難が彼を襲います。
彼女と些細なことから別れたり、役所の面接官に口答えをして、車の免許を停止されたりと、さまざまな不運は彼自身の言動から始まっているふしもあるので、因果応報ともいえるかもしれません。
役者のトム・シリングが、ツイていない青年の雰囲気をうまく出していると感じます。思わず「しっかりしようよ」と声をかけたくなるような、しょんぼりした悲壮感が印象的です。
彼が自分の父親との会話中に言った「考えている」ですが、ニコのように自分がどうしたいのかを見いだせずに悩む若者も多いのでは、と考えます。1日中次から次へと災難に見舞われ、明け方になり、飲み損ねていたコーヒーを飲んだ瞬間は、心からほっとしたのではないでしょうか。
おいしいコーヒーの真実
あらすじ
エチオピアで生産される、コーヒー豆についての解説映画。
今、世界のコーヒー豆の価格は下がっており、コーヒーの生産国のエチオピアでもコーヒー農家の人々の生活は困窮しています。一方で、世界では1日に約20億杯のコーヒーが飲まれ、小売価格も上昇しているのです。
それは、貧困にあえぐエチオピアの人々には想像しがたい光景といえるでしょう。コーヒーの小売価格が上がっているのに、なぜ、生産農家の生活が苦しいのか、フェアトレード問題も絡めながらストーリーは進んでいます。 |
映画の感想
世界の人々が口にするコーヒーの価格ですが、じつは驚くほど低価格で取引されています。
たとえば、コーヒー1杯が330円だった場合、小売業者・輸入業者の利益は約296円ですが、生産者の取り分は3~9円ほどと安価で、さらにコーヒー豆の選別をする女性は1日働いても0.5ドル(50~60円くらい)と、とても少ない金額になっているのです。彼らの収入が少ない理由は、たくさんの仲介業者が関わっているからといえるでしょう。
劇中に登場するタデッセ氏は、仲介業者の数を減らし、生産農家が適正価格で収入を得られるための活動をしており、彼の考えや行動にはとても賛同できると感じます。
コーヒー豆の生産国の人々が労働に見合った価格で、取引されるように変えていく必要があるのではないでしょうか。
ティファニーで朝食を
あらすじ
パーティガールのホリー・ゴライトリー(オードリー・ヘップバーン)は、自由気ままで天真爛漫な女性。
彼女はいつもお金持ちの男性との結婚を夢見ており、落ち込んで「気持ちが赤く」なったときはニューヨーク5番街にあるティファニーの前でコーヒー片手に朝食を摂り、気晴らしをするのです。
ある日、ホリーが住むアパートに作家を名乗るポール・パージャクが引っ越してきます。ホリーは、彼に自分の弟の姿を見て、彼と仲良くなっていくのです。
相変わらずお金持ちとの結婚を目標として、奮闘するホリーですが、上手く行きかけた矢先に、ひょんなことから結婚が白紙になってしまいます。落胆するホリーは、このときになり、いつもそばにいたポールへの気持ちに気づくのです。 |
映画の感想
コーヒーがメインではありませんが、誰もが知っている有名な映画です。
冒頭でのティファニーの前で店内を覗きながら、パンを片手にコーヒーを飲むホリーがとても美しく、印象に残ります。下手をするとお行儀が悪く見えてしまう行動も、ヘップバーンだから絵になるといえるでしょう。
気まぐれなホリーにポールは惹かれていくのですが、現代の男性でも、ホリーのような小悪魔的な女性を好きになる人も多いのではないでしょうか。
また、最初に出てくるティファニーの前で朝食を摂るシーンは、ホリーのお金持ちへの憧れの強さをとても上手に表現しているといえるでしょう。
コーヒーの映画まとめ
コーヒーをテーマにした映画を3本ご紹介しましたが、気になる映画は見つかりましたか?
いつも何気なく飲んでいるコーヒーですが、ときに映画のキーワードになり、また、生産農家の苦悩が描かれるなど、さまざまなストーリーがあるのです。
ときには、コーヒーを片手に好みの映画を見るのもいいかもしれませんね。