新茶の季節の茶畑

世界各地で日本の緑茶が人気です。味・色・香りなど嗜好品としての魅力はもちろん、健康効果があることも注目されています。

 

日本では緑茶が平安時代から飲まれているくらいですから、みなさんにとっては身近な飲み物だと思います。身近だからこそ、かえってよく知らない、という方もいるのではないでしょうか?

 

一口に緑茶といっても種類は多彩。種類が豊富な緑茶の中でも代表的なものをここでは取り上げてみましょう。

 

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そもそも「緑茶」ってなに? 烏龍茶や紅茶との違いとは?

様々な種類の茶葉日本で生産されるお茶のほとんどは緑茶です。そして、緑茶も烏龍茶も紅茶も、品種の差こそあれ、「チャノキ」という同じ植物からとられたものです。

 

その違いを生むのは茶葉の製法、とくに発酵度の違い。ほとんどの紅茶や中国茶が、多少なりとも発酵しているのに対し、緑茶は発酵させないことが特徴で、不発酵茶と呼ばれます。緑茶を淹れた時の色合い、さわやかな味や香りは、発酵させないからこそ生まれます。

 

お茶の葉は摘んだ直後から発酵が始まります。緑茶の製造では、その発酵を止めることが最初のステップ。生葉を蒸し(釜炒りの場合もあります)、鮮度と水分を保たせることで、発酵は抑えられます。

 

この蒸し加減が「浅蒸し」や「深蒸し」と呼ばれ、味や色に大きな違いを生みます。

 

「蒸し」の他、「揉み」や「乾燥」、「仕上げ」などのプロセスを経て、様々な種類の緑茶が作られています。

身近な緑茶「煎茶」「深蒸し煎茶」

煎茶は見た目も香りものどごしも爽やか。農林水産省のデータによると、日本で生産される緑茶の約6割が煎茶です。茶葉は細長く整った形状で、抽出すると山吹色で、甘みと渋みが同居したすっきりとした味わいです。

 

「上級煎茶」と呼ばれるものもあり、普通煎茶より旨味がより多く、渋みは控えめになっています。

 

深蒸し煎茶もよく見かけるのではないでしょうか。名前から想像される通り、生葉の蒸し時間が長い緑茶で、煎茶の倍以上の蒸し時間です。

 

深蒸し煎茶は、渋みが抑えられ、味にコクとまろやかさがあり、濃い緑色が特徴的です。蒸し時間が長いことで、香りは煎茶より弱くなりますが、茶葉が細かくなって抽出しやすく、水出しにも向いていますよ。

高級茶の代名詞「玉露」「かぶせ茶」

お茶の新芽「玉露」には高級なイメージがありませんか? その高級さの理由は、濃厚な甘みと旨味のあるまろやかな味わい、独特の香り、豊富なビタミンやミネラル、そして生産量の少なさゆえの希少価値にあります。

 

玉露と煎茶の大きな違いは栽培方法です。玉露の栽培では、お茶の新芽が出始めて間もなく、葦簀(よしず)や藁、寒冷紗などで茶園をまるごと覆ってしまいます。摘採までの約20日間、被覆して光合成を抑えつつお茶を育てます。

 

その結果、濃厚な甘みと旨味が出、苦みは少なく、葉にはビタミンと根から吸収したミネラルが多く含まれます。「覆い香」も特徴的です。

 

玉露と似た栽培法でできるお茶に「かぶせ茶」がありますが、この被覆期間は1週間程度で、玉露と煎茶の中間くらいの性格を持つお茶になります。

定番の風味になりました「抹茶」「碾茶(てんちゃ)」

日本の伝統文化には欠かせない抹茶抹茶味がスイーツの定番になったことで、抹茶は身近に感じられようになりました。

 

抹茶は、原料である「碾茶」を、石臼や粉砕機で挽いたものです。碾茶の製造方法は他の緑茶と少し違い、収穫したお茶の葉を蒸した後、揉まずに整形しないまま乾燥させ、茎や葉脈などの硬い部分を取り除いて作ります。

 

抹茶からは茶道も連想できますよね。お点前に使われる抹茶は、玉露のように被覆して栽培し、チャノキや土壌を細やかにケアしながら被覆期間を調整して作られたものです。

 

一方、スイーツなどに使われる抹茶には、覆いをせずに栽培した渋みのある碾茶を使うことが主流です。このほうが一緒に使う食品が引き立つからだとか。

まだまだあります、緑茶の種類

美味しいお茶で楽しいティータイムを!緑茶は捨てる部分がないといわれます。

 

煎茶や玉露の製造過程で選別された部分も、「茎茶」や「粉茶」など、他の種類のお茶として生まれ変わります。製造方法、お茶の摘採時期、産地などの違いによるバリエーションも豊かです。

 

緑茶は身近にあるからこそ、よりよく知るとすぐに生活に取り入れられ、日々の楽しみを増やしてくれるかもしれませんよ。健康や美容のためにも、あなたの近くにある緑茶を見直してみませんか。

 

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