6月も終わりに近づき、徐々に暑い日が増えてきました。梅雨が明ければいよいよ夏本番。アイスコーヒーが恋しくなる季節がやってきますね。
そこで今回は、ご自宅でも簡単に、しかも美味しくできるカフェカホン流のアイスコーヒーの作り方をご紹介したいと思います!
アイスコーヒーの作り方は二通り
ご自宅でアイスコーヒーを作る時に考えられる方法はふたつあります。「急冷式」と「水出し」です。
「急冷式」は、ホットで抽出したコーヒーを大量の氷で一気に冷やす作り方。
一方の「水出し」は、文字どおりお湯を使わずに水で抽出する方法です。
それぞれにコツや注意点がありますので、詳しくご紹介していきましょう!
パンチのあるしっかりした飲み応えの「急冷式」
まずは誰でも手軽に楽しめる「急冷式」の手順から。
- ホットコーヒーを濃いめに淹れる
- 別の容器に大量の氷を入れておき、そこにコーヒーを注ぐ
- かき混ぜて冷やす
これだけです。普段、ご自宅でコーヒーを淹れている方にとっては、「氷で冷やす」という手順が増えるだけなので、とくに難しいことはないと思います。
一点だけ注意したいのが、最初に淹れるコーヒーの濃さです。
「急冷式」の場合、冷やすための氷が溶けるとかなりコーヒーが薄まってしまうため、いつもと同じ感覚で淹れたコーヒーを使うと、薄く水っぽい味になってしまいます。
コーヒーを濃く淹れる方法としては、以下の3つが考えられます。
- 豆の量を増やす
- 豆を細かく挽く
- 抽出量を減らす
もっとも簡単な方法は、注ぐお湯の量は変えずに使用するコーヒー豆の量を増やすことです。これによりコーヒーの濃度を上げることができます。
ご自宅にコーヒーミルがある方は、いつもより挽き目を細かくして濃く抽出することも可能です。
当店でやっているのは「3.抽出量を減らす」で、通常ホットコーヒーなら200cc抽出するところを、「急冷式」のアイスコーヒーでは150ccにしてお作りしています。
なお、「抽出量」というのは「注ぐお湯の量」ではなく、「抽出したコーヒー液の量」のことです。この抽出量をいつも同じにすることで、コーヒーの味を安定させることができます。
お店によっては氷を入れたグラスに直接ドリップすることもありますが、この方法だと抽出中も氷がどんどん溶けていくため、実際の抽出量がわかりにくいという難点があります。
慣れるまでは目盛り付きのサーバーやドリップスケールを使い、抽出量を確認しながら淹れるのがオススメです。
「急冷式」のアイスコーヒーは、パンチの効いたコクと飲み応えが魅力。
一度にたくさんの量を作るのには不向きですが、1~2杯分なら普通にハンドドリップするのとほぼ手間も変わらないので、「ちょっと1杯飲みたいな」という時にはオススメです。
スッキリした味わいになる「水出し」
「水出し」は専用の器具がいろいろ販売されているので、それを使っても良いのですが、当店オススメの作り方ということで、コーヒー粉を直接水に投入する方法をご紹介します。
- コーヒー豆を中挽き程度に挽く
- 水を入れた容器に挽いたコーヒー粉を投入
- 全体が浸るくらいにかき混ぜて2~3時間放置
- 豆を濾して出来上がり
コーヒー豆は中挽き(通常ペーパードリップで使う程度の細かさ、ザラメ~グラニュー糖の中間くらい)のものを使います。
大切なのは分量で、当店の場合は水250ccに対してコーヒー豆は20グラムの比率にしています。
この比率は変えずに分量を2倍、3倍にすることで、一度に大量のアイスコーヒーを作ることも可能です。
水とコーヒー粉の用意ができたら、適当な容器(サーバーやピッチャーなど、できればフタのついているもの)に入れ、コーヒー粉が水に浸かるよう全体を軽く撹拌。
あとは常温に置いて2~3時間ほど待つだけです。
注意点は、上にも書いたとおり「常温に置く」こと。
とくに暑い季節は冷蔵庫に保管したくなりますが、水温が下がるとしっかり抽出されないので、必ず常温で放置してください。
水出し専用の器具を使って、メーカー推奨のレシピどおり作っているのに味が出ないという方は、一度常温で試してみるといいかもしれません。
抽出後はコーヒー液を濾したら完成ですが、この濾す作業が少し大変。ペーパードリップの器具があれば、ドリッパーとペーパーフィルターを使って、少量ずつ濾すといいでしょう。
出来上がったコーヒーは、冷蔵庫で1週間程度は保管できますが、日が経つほど味や風味が劣化していくので、3~4日以内に飲み切るようにしましょう。
「水出し」のコーヒーは、スッキリとして軽やかな印象になります。一度にたくさん作ることもできるので、作り置きや来客用にもオススメです。
いろいろなコーヒー豆でアイスコーヒーを楽しもう
今回は夏の定番、アイスコーヒーの作り方をご紹介しました。どちらもそれほど手間なく簡単にできますので、さっそく挑戦してみてはいかがでしょうか?
ところで、アイスコーヒー=苦いものと思っている方はいらっしゃいませんか? アイスコーヒーが苦味を強く感じるのは、多くの場合、深煎りのコーヒー豆を使っているからなんです。
アイスコーヒーは氷を入れる前提なので、あらかじめ濃い目に抽出しておく必要があります。その点、深煎りの豆なら味が濃く、苦味も強く出せるため、アイス用としては無難なチョイスというわけです。
つまり、しっかり濃く抽出できれば、必ずしも深煎りやアイスコーヒー用の豆である必要はない、ともいえるわけですね。
ご紹介したとおり、使用する豆の分量や抽出量でコーヒーの濃さの調整はできますので、いろいろな産地や焙煎度の豆でアイスコーヒーを楽しんでみてください。意外な発見があるかもしれませんよ!