「実はコーヒーより紅茶の方がカフェインが多いんだよ! 」

こんな話をよく聞くが、果たしてこの話は信用できるのだろうか? 一般的にカフェインと聞くとコーヒーを想像しがちだが、本当は意外にもコーヒーと紅茶のカフェインの含有量の違いは、紅茶の茶葉の方が多く含めれているという。今回はそんな真相をわかりやすく解説したいと思います。

カフェインの発見はコーヒーから?


カフェインは1819年にコーヒーから初めて単離(分離)されました。caffeine(カフェイン)という綴りからも分かるように、語源は英語のCoffee(コーヒー)、またはドイツ語のKaffee(コーヒー)が由来となっています。

 

このことから「カフェイン=コーヒー」というイメージがありますが、カフェインは他にもカカオやチャノキといった植物の種子や幹、葉などにも含有しています。

 

「チャノキ」と言えば緑茶やウーロン茶、そして紅茶といったお茶の茶葉として広く利用されていますが、カフェインの含有量はコーヒー豆とどのくらいの差があるのでしょうか。

カフェインの摂取上限。コーヒー・紅茶のカフェイン含有量とは?

カフェインは様々な効能があることで知られていますが、過剰摂取による副作用が危険視されることもあります。米国の保健福祉省(DHHS)は一日当たりコーヒーの飲用上限を3杯~5杯、欧州食品安全機関(EFSA)はカフェインの摂取上限を400mg未満と推奨しています。

 

ドリップコーヒー1杯(150ml)に含まれるカフェインは約90mgとなっています。そして紅茶1杯(150ml)に含まれるカフェインは約45mgです。ということは“コーヒーより紅茶の方がカフェインが多い”という話は間違いなのでしょうか? いいえ、あながち間違ってはいないのです。

 

関連記事:これホント?コーヒーのカフェインが日本人には効かないはなし

紅茶のカフェイン含有量はコーヒーに勝るのか?


「茶葉」と「コーヒー豆」が同分量の場合、カフェインの量は茶葉の方が多くなります。ですが、コーヒー1杯に使用される挽き豆は約10g、紅茶1杯に使用される茶葉は約5gです。

 

つまり抽出時に使用する量に違いがあるため、紅茶のカフェイン含有量はコーヒーに比べ低くなるのです。ですが、紅茶はアイスティーにすると飲みやすく、ついつい過剰摂取になってしまうことがあるので気をつけましょう。

紅茶以外の「茶」に含まれるカフェイン含有量は?


紅茶にカフェインが含まれているということは当然、同じチャノキから作られるウーロン茶やほうじ茶などにもカフェインが含まれています。ウーロン茶、ほうじ茶のカフェインの含有量は紅茶と同じ150mlあたり約30mgです。

 

玄米茶は玄米と茶葉を混合したものなのでカフェイン含有量が少なくなります。(玄米茶150mlあたりカフェインの含有量は約15mg)

「実は」の使いよう。カフェインも同じ。

「実は…」という前置きはなかなか使えるもんじゃない。この前置きは“対象”の本来のイメージを否定して、新たな価値観を植えつける言葉だからだ。正しい情報なら問題ないが、大した根拠がない場合は極力控えるべきだと思う。

 

でも「実は優しいもんね」と言う言葉はどんどん使っていってほしい。これは僕にしてみれば嬉しい誤解みたいなもので、言われた数日間は上機嫌でいられるからだ。カフェインの覚醒作用は強力らしいが、嬉しい言葉にはそれ以上の作用があると思う。

 

本記事のカフェイン含有量は文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」の数値を参考にしました。

 

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