アジアで世界的なコーヒー生産国と言えばマンデリンが有名なインドネシアが筆頭でしょうか。

 

スペシャルティコーヒーの流行で言及されることの減ったアジア圏のコーヒー生産国の中で、近年急成長を遂げているのがインドネシアからほど近い東ティモールという国です。

 

「東ティモール」と聞くと戦争のイメージが強い方は多いのではないでしょうか?

激動の時代を経ての独立が記憶に新しい東ティモールのコーヒーが注目を浴びる理由、豆の特徴などをご紹介します。

東ティモールとコーヒーの歴史

ティモール島は、16世紀にポルトガルによって植民地化されました。その後オランダの侵攻によって国土は分断、東ティモールと西ティモールに分けられることとなりました。東ティモールはポルトガル領となってもなおニュージーランドやオランダ、日本などに侵攻され、占領される運命を辿ります。

 

1975年に東ティモールとしての独立宣言がなされるも、インドネシア軍が全面侵攻を開始。1980年代までに20万人もの犠牲者を出したとされています。1997年にインドネシアの政権は崩壊、東ティモールに特別自治権の付与するという住民投票を実施するも成立せず、なおもインドネシア軍による虐殺が行われました。

2002年、国連軍の介入により東ティモールは独立を果たしましたが、その後も東部出身者への差別など混乱が続いたそうです。

 

産業は石油、天然ガスの輸出が盛んですが、天然資源に頼らない生産物を目指してあらゆる国やNGO・NPOの協力でコーヒーの生産が推進されました。

コーヒーはポルトガル領時代に植林され、インドネシア侵攻後に輸出対象とされますがその後放置。農薬や化学肥料にかける資金が乏しかったため、今でも続く無農薬栽培(オーガニックコーヒー)がなされたと言われています。

 

現在ではオーガニック栽培、様々な団体の支援によって成立するフェアトレードコーヒーなどで世界でもユニークなコーヒー生産地となっています。

東ティモール コーヒーの味と特徴

東ティモールは年間降雨量が2000mmを越え、また国土の6割が山岳地帯で最高標高は3000m近く日中と夜間での温度差も大きいためコーヒーの栽培に適した土地と言えます。1000m以下の土地ではロブスタ種が主に生産され、それ以上はアラビカ種の生産がなされているそうです。生産される豆はウォッシュドがほとんど。

 

風味の特徴は品種にもよりますが、穏やかで青リンゴなどの爽やかな酸味で、しっかりとした苦味と甘みを持っていること。ハイロースト〜フルシティローストまで幅広い表現ができる豆と言えるでしょう。

 

東ティモールには長年の放置によってロブスタとアラビカの自然交配によってできたハイブリッド種も存在する様子。スペシャルティコーヒーのブレンドベースなどでも活用の幅が広そうです。また、前述の通りオーガニック栽培が盛んで、JAS認定を受けていることもあるという点で貴重なスペシャルティコーヒーとなり得る、注目のコーヒーなのです。

東ティモールのコーヒーまとめ ~浅煎り入門にうってつけ~

様々な国に侵攻・占領され、独立を果たしてから日が浅い国、東ティモール。悲しく激動の歴史を経て平和を取り戻そうとしている国の一つで、コーヒーの生産がそれを支えようとしているのは複雑な気持ちの反面、コーヒーファンとしては嬉しく感じてしまいます。

 

東ティモールのコーヒーは穏やかではありつつも爽やかな個性を持ち、オーガニック栽培でフェアトレードでもある。しっかりとした苦味を持っていますので、浅煎り豆が苦手な方への入門にも実はうってつけの豆です。サードウェーブコーヒーの浸透によって近年人気が高まりつつある生産地ですので、見かけたらぜひ味見してみましょう。

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