世界でコーヒーを一番飲んでいるのはどこの国の人でしょう? 「コーヒーの本場イタリア!」とか、「コーヒーのトレンドメーカーのアメリカ?」など、色々な答えがありそうですね。2017年に発表されたデータによると、一人当たりのコーヒー消費量はフィンランドが世界ナンバーワンでした。意外に感じる方もいたのでは?
日本でも愛されているキャラクター「ムーミン」の故郷でもあるフィンランドは、コーヒー愛飲者の国としても有名です。フィンランド人がどのくらいコーヒーを飲むかというと、年間、一人当たりのコーヒー消費量は約12キロほど。カップにすると1日に4~5杯ですからなかなかの量ですね。
フィンランドのコーヒーライフを支える企業はいくつもありますが、今回はフィンランド最大のコーヒー会社で老舗のパウリグ社(Paulig)をご紹介しましょう。
関連記事:【コーヒー消費量世界一】ルクセンブルクの人がコーヒーを沢山飲む本当の理由とは?
目次
フィンランドだけじゃない! 北欧すべての国でトップシェア
創業から140年以上も経つ飲料・食品メーカーのパウリグ社ですが、今日まで家族経営を続け、コアとなる商品も創業当社から変わらずコーヒーのままです。2018年現在では、フィンランドで流通するコーヒーの半分近くがパウリグ社のもので、他の北欧諸国でもコーヒーのトップシェア!
なかでもパウリグ社の「ユフラ・モッカ(Juhla Mokka)」はフィンランドでも最も有名なコーヒーといわれるほど。北欧で好まれる浅煎りコーヒーで、お値段もお手頃です。コーヒー消費量が多い国では、家計にやさしいのもロングセラーの理由のひとつかもしれませんね。
ほかにも「プレジデント(Presidentti)」という人気ブランドや、「ムーミンコーヒー」など様々なシリーズを販売しています。
長寿企業の秘訣? 時代のニーズにこたえる商品とサービス
北欧では浅煎りのコーヒーが伝統的に愛されてきましたが、シアトル系やサードウェーブコーヒーが注目されるようになると、エスプレッソや焙煎度合いが深めのラインナップも充実させます。
ユニークなパッケージもあり、デザイナーとコラボしたスタイリッシュなものや、自分の好きな写真やテキストをプリントできるオリジナルコーヒーパッケージのサービスもあります。
コーヒー業界で注目される、環境やサステナビリティへの取り組みは、マーケットリーダーとしては当然のこと。コーヒーが育つ環境を守るためにも、自然エネルギーへの転換やエネルギー効率の改善を進めています。ゴミの再利用も徹底していて、社内だけでなく、消費者の家庭でもできるゴミやエネルギー対策の啓蒙もしています。
また、パウリグ社は他のヨーロッパ大手コーヒー会社と提携して「パートナーシッププロジェクト」を展開中。コーヒー生産者を支援する共同作戦で、農家の生活水準やコーヒー栽培技術の向上を目指しています。パウリグ社のコーヒーは、このパートナーシップから生まれたもの、もしくは、フェアトレードなど各種認証を受けたものばかりです。
関連記事:「ヒュッゲ」の国のサードウェーブコーヒー The Coffee Collective (コーヒー・コレクティブ)
関連記事:【コーヒーの歴史】珈琲の誕生からサードウェーブまで『コーヒー史大全』
コーヒービジネスを育てるパウリグ・プロフェッショナル
コーヒー会社が、コーヒーマシンやコーヒー豆、メンテナンスなどをセットで提供することがあるのはご存知の方も多いでしょうが、パウリグ・プロフェッショナルではコンサルティングやトレーニングがより充実しています。
ビジネスのスタイルにあったマシンの設置、コーヒー豆のタイプや量などをお客様といっしょに検討し、販売促進などもサポート。コーヒー関係者のためのトレーニングは「パウリグ・インスティテュート」が担います。
コーヒーの基礎知識にはじまり、淹れ方のコツや、プロのバリスタ向けのコースまで取り揃え、サービス現場のクオリティをバックアップします。年間の受講者は5000人を上回るとか。お客様のコーヒービジネスが成功するまで寄り添う、息の長いサポートがモットーのようです。
つねに新たなコーヒービジネスを展開する老舗
ヨーロッパの大手同業者と提携したり、コーヒーマシンメーカーなどと協力してパウリグ・プロフェッショナルを実現させるなど、他社とともに成長することに躊躇がありません。デザイナーや映画館など、他業界とも広くコラボしているそうですよ。
19世紀から21世紀までコーヒーと歩み続ける老舗パウリグ社は、これからもフレキシブルに時代にあったコーヒーを世に送り出して行くのでしょう。
Oy Gustav Paulig Ab
https://www.paulig.com/en(英語サイト)
Paulig Professional