コーヒーコレクティブ

「ヒュッゲ (hygge)」という言葉を耳にしたことはありませんか。

 

欧米でブームとなり、2017年くらいから日本でも注目されるようになったデンマークの言葉です。

 

この言葉が表すのは、心地よくくつろいだ、幸福を感じられる時の過ごし方や考え方。世界幸福度ランキングで7年連続トップ3に入り続けるデンマークのライフスタイルには欠かせないキーワードです。

 

「ヒュッゲ」なライフスタイルは、自分と自分を取り巻く大切な人や自然とともに、シンプルでゆったりとした等身大の生き方です。

 

そんな「ヒュッゲ」の国デンマーク発のサードウェーブ「コーヒー・コレクティブ」を今回はご紹介します。

人にも環境にも、未来にもやさしいコーヒー

デンマーク・コーヒーコーヒー・コレクティブは2007年にデンマークの首都コペンハーゲンでスタートしました。

 

設立したのは、2006年のバリスタ世界チャンピオンやコーヒー焙煎士など3人のコーヒーマニアたち。人生の幸福や環境への意識の高いデンマークで彼らが目指しているのは、コーヒー栽培農家にはじまり未来の環境まで視野に入れたサステナブル (持続可能) なコーヒービジネスです。

 

コーヒー・コレクティブの活動はすべてがオープン。

 

コーヒーの栽培や農家についてはもちろんのこと、取引量や価格、生産・品質管理、焙煎方法や自社運営、環境への取り組みのことまで随時レポートで公表されています。

 

消費者が安心して楽しめるクリーンなコーヒーなのは一目瞭然です。

コーヒー栽培農家と厳選したスペシャルティコーヒー

サステナブル (持続可能)コーヒーマニアが作ったコーヒー・コレクティブですから、納得できる生豆を自ら仕入れて、独自の焙煎をするのは当然のこと。

 

コーヒー・コレクティブは特定のコーヒー栽培農家とパートナーシップを結び、ダイレクトトレード(直接取引) でスペシャルティコーヒーを提供しています。そのうちの約4割はオーガニック認証を受けているそうです。

 

近年ではフェアトレード (公正取引) という言葉が浸透していますが、これは適正価格で取引することで、途上国の生産者の労働環境や生活水準を保証するため始まりました。

 

ダイレクトトレードでは、フェアトレードの価格よりもさらに最低25%を上乗せした価格を栽培農家に支払うこと、そして、年に一度は栽培農家を訪ねることが基準です。

 

生産者の生活と経営を安定させ、彼らと密に栽培方針を話し合うことで、質の高い、香りや味わいのバリエーション豊かなコーヒーが生産できるようになっています。コーヒー・コレクティブは、コーヒー栽培農家訪問のレポートも積極的に発信していて、まさに顔が見えるコーヒーを提供しています。

 

新鮮な生豆を仕入れたら、コペンハーゲンの自社施設で焙煎です。ここでコーヒー・コレクティブのコーヒーの味と香りが決まります。

 

豆の種類や産地の土壌や気候など、自然が生み出した豆の性質を生かせるよう焙煎工程は細やかに設定し、浅煎りで、毎日焙煎したてのコーヒーが店舗では楽しめるようになっています。

消費者のコーヒーライフを豊かに

コペンハーゲン2018年現在、コーヒー・コレクティブはコペンハーゲンに直営店5店舗を構えています。

 

どのバー (コーヒー・コレクティブの店舗) もリラックスしてコーヒータイムを楽しめる自然派の装いです。

 

とはいえ、全店舗の内装やサービスはあえて統一せず、バーごとにインテリアやコーヒーの得意分野が少しずつ異なっています。

 

バーでコーヒーを楽しんでもらうだけでなく、自宅でのコーヒーライフを豊かにするのもコーヒー・コレクティブの活動のひとつ。

 

コーヒーの基礎知識淹れ方を教えてくれるレクチャーや、ちょっと本格的なホームバリスタコースなど、コーヒーの楽しみ方を広げてくれるイベントも定期的に開催しています。

 

また、焙煎所見学ツアーもあり、コーヒー・コレクティブのコーヒーができあがる様子を実際に見ることもできます。

人も環境も大切にするこだわり

環境保全コーヒー栽培農家や消費者だけでなく、コーヒー・コレクティブは自社スタッフの働き方にも配慮しています。就業時間、女性の採用や雇用環境についてももちろん公表していて、2017年のレポートによると、正社員数41人のうち約4割が女性、社員の国籍は12ヵ国に及ぶそうです。小規模ながらダイバーシティ企業と言えそうです。

 

人にだけでなく、環境にもやさしいのがコーヒー・コレクティブのコーヒーです。

 

まず、店舗で利用される電力はすべて風力発電で賄われています。テイクアウトの使い捨てカップは植物を原料としコンポスト可能。

 

再利用できる竹素材のカップも提供していて、壊れた場合には店舗へ持っていくと無料で取り替えてくれるというサービスつきです。

 

自社コーヒーの小売りや卸販売もしていますが、そのパッケージは焼却による有害物質がなるべく少なくなるよう工夫されています。またゴミの低減にも積極的で、環境に優しい商品やサービスはまだまだ改良中です。

 

ゆったり美味しいコーヒーを飲むことで、コーヒー栽培農家やスタッフが幸せになり、地球にもやさしいとなると、コーヒータイムもより豊かで幸せに感じられることでしょう。

 

コーヒー・コレクティブのようなサステナビリティトレーサビリティダイバーシティを実現したコーヒービジネスは、今後ますます理想的なモデルとして注目されるのではないでしょうか。

 

The Coffee Collective本店
住所:Godthåbsvej 34B, 2000 Frederiksberg, Denmark
電話番号:+45 60 15 15 25
https://coffeecollective.dk/

 

イタリア_エスプレッソ
【イタリアンの夫が愛用】直火式エスプレッソマシンが便利でおしゃれ!
2018.8.19
コーヒーに無知だった私が、興味本位でエスプレッソを注文して苦い思いをしたのは、ずいぶん昔の話です。コクの深過ぎるエスプレッソの良さがわからずに、もう飲むことはないだろう…と思っていたあの頃。ところが、私が結婚した相手は、エスプレッソをこよなく愛すイタリア人でした。   エスプレッソの香りはいつしか私...…
サントリークラフトボス
CM・コンビニで見かける「クラフトコーヒー」とは?ヒットの理由と意味も解説!
2018.11.6
サントリーが発売しているクラフトコーヒー「クラフトボス」をご存知でしょうか? クラフトコーヒーは、これまでのコーヒーの常識を覆す、ペットボトルコーヒーの新しい形です。最近では、クラフトボスを追いかけるように、ジョージアからも「クラフトマン」が発売されました。 ただ、クラフトビールは聞いたことがあっ...…
おしゃれ・安い・可愛すぎ。北欧雑貨「ソストレーネ グレーネ」が今キテる!
2018.11.2
突然ですがみなさん、「ソストレーネ グレーネ」をご存知ですか? 近年北欧雑貨が国内で人気ですが、そんな中でも最近注目の北欧ライフスタイルブランドです。もうご存知の方もそうでない方も、商品を見たらきっと行ってみたくなるはず♪ 今回は、世界で展開する「SØSTRENE GRENE(ソストレーネ グレーネ...…
関連キーワード
  • スペインのコーヒー文化と種類をご紹介!カフェは第二のリビングって本当?
  • コーヒースプリームのコーヒー
    Coffee Supremeってどんなコーヒー?ニュージーランド生まれのコーヒーロースター!
  • 真似してみたい! メキシコ流コーヒーの淹れ方とデサジュノの文化をご紹介
  • コーヒーの生産者と栽培環境を守る『認証ラベル』各団体の活動を知る理由とは?
  • 東南アジアで一番大きいバリ島のスターバックス『Starbucks Reserve Dewata(スターバックス・リザーブ・デワタ)』をご紹介

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう