ここ数年、ほうじ茶を使ったメニューや商品が増えたと思いませんか?
緑茶で有名な大手飲料メーカーによると、ほうじ茶市場は毎年10%以上の成長率だとか。ペットボトルのほうじ茶もすっかり定番になりましたし、ほうじ茶ラテやスイーツを提供するコーヒーチェーンやカフェも増えましたね。
日本で人気堅調のほうじ茶は、これから国境を越えて紹介されて行きそうです。ほうじ茶の魅力を世界に広めたいと、2018年にカナダのトロントで、北米初のほうじ茶専門ショップ「ほうじ茶カンパニー(Hojicha Co.)」が事業を開始しました。
北米でほうじ茶に特化したビジネスと聞いて、筆者は意外性を感じましたよ。「海外でほうじ茶って受けるの?」と疑問を持つ読者もいるのではないでしょうか?
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目次
人気のワケは? 「ほうじ茶」のメリットをおさらい
ご存知のとおり、ほうじ茶は緑茶や番茶などを、香ばしく焙煎したお茶です。緑茶の仲間ですが、キツネ色に仕上がっているのが特徴的。
ブームになるのは体にいいことがあるから! ほうじ茶の香ばしさには「ピラジン」という香り成分が含まれていて、リラックスや血行促進の効果があります。高温で炒ってあるため、苦みや渋みが少なく味はさっぱり。緑茶におなじみの「カテキン」もしっかり含まれていて、抗菌・抗酸化作用などがあり、健康と美容に役立つといわれています。
摂りすぎが気になるカフェインですが、含有量は100ml中20mg程度と少なめ。これはコーヒーの3分の1程度です(日本食品標準成分表参照)。ほうじ茶の成分を知ると、リラックス効果の高い、健康的なイメージを持てませんか?
あっさりした味と香ばしい香りは、食品との相性もなかなか。ほうじ茶ラテやスイーツ、料理の下味など、活用方法はまだまだ広がりそうです。
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いいほうじ茶を海外でも飲みたい! ほうじ茶愛が起業の原点
ふたりがほうじ茶に出会ったのは、日本を旅行しているときのこと。ほうじ茶の香ばしさ、苦みがなくほんのり甘い味に魅せられます。
旅行後、ジェヴァ氏はカナダでほうじ茶を探しますが、品質のよいほうじ茶は見当たりません。だったら、遠くまで旅せずとも誰もがおいしいほうじ茶を飲めるよう、ほうじ茶を専門に販売しようと思い立ちます。
ジェヴァ氏の共同創業者であるマシュー氏は、もともとお茶好きだったこともあり、品質と産地にこだわりを見せました。また、ストレートでおいしく飲めることも重視します。というのも、欧米では緑茶でも紅茶でも砂糖を入れて飲むことが多く、お茶本来の味を楽しんでいないという思いがあったからです。
ほうじ茶カンパニーの最初のミッションは「日本から、高品質な本物のほうじ茶を取り寄せる」ことでした。検討を重ねた末、京都のほうじ茶が選ばれます。
ほうじ茶カンパニー厳選のラインナップは、京都のほうじ茶
「深煎りほうじ茶」は二番茶を使い、豊かな香ばしさと甘い香りが特徴です。「黄金焙煎ほうじ茶」は一番茶から作ることで、うま味が多く、黄金色の水色になるよう焙煎した商品だそう。
いずれもシングルオリジンにこだわり、お茶の摘採時期や製造方法をオープンにしているので、品質に信頼感が持てます。現時点では販売している商品はふたつだけですが、高品質ほうじ茶のランナップを増やすべく、すでに動き始めているそうです。
世界で愛されるお茶になる!? ほうじ茶の今後の展開に注目
近年、世界の茶業界では、大手メーカーや有名ブランドが健康・保健志向の商品を増やしています。リラックスや健康効果のあるほうじ茶は、世界のトレンドに見合うポテンシャルは十分!
欧米人には苦みや渋みを苦手とする人も多いですが、ほうじ茶なら味の点でもクリアできそうです。日本人と味覚が比較的近いアジア諸国では、ほうじ茶ラテやスイーツがすでに登場した実績もあります。
世界各地でブームになると、品質が不十分で安価なお茶が増えることもあります。高品質でおいしいほうじ茶を厳選販売してくれるほうじ茶カンパニーは、日本ブランドにとって大切な味方になってくれるかもしれませんね。
Hojicha Co.