日本でも人気急上昇中の台湾カステラは、シンプルで素朴な味が魅力のスイーツです。
そんな台湾カステラと相性が良いのは、いったいどのようなコーヒーなのでしょうか? 本記事では、台湾カステラとコーヒーのペアリングの仕方、さらにコーヒーに合う台湾菓子をご紹介します。
目次
台湾カステラにはコーヒーをペアリング
台湾カステラにペアリングするドリンクをお探しなら、コーヒーはいかがでしょうか? 台湾カステラと相性の良いコーヒーについてご紹介します。
台湾カステラとは?
台湾カステラとは、台湾最北部にある淡水区の名物です。現地では、焼きたてのケーキという意味で「現烤蛋糕」とも、昔ながらのケーキという意味で「古早味蛋糕」とも呼ばれています。カステラが台湾に紹介されたのは、日本の統治時代のことでした。その後、台湾独自の製法で作られたカステラが作られます。最近になり、今度は日本に紹介された台湾カステラは、いま話題のスイーツとして注目を集めています。
台湾カステラの厚みのある生地はふわふわししており、日本のカステラとはだいぶ異なる食感です。日本のカステラはオーブンで焼きますが、台湾カステラは天板にお湯をはってオーブンで湯せん焼きにするためしっとりした仕上がりになります。
台湾カステラはコーヒーとの相性抜群
フードペアリングとは、お互いのおいしさを際立たせる、相性の良い食べ物を組み合わせることです。フードペアリングでは香りが組み合わせの重要なポイントになりますが、ほかにも似ている味のもの、対照的な味のものを組み合わせると相性が良いとされています。
台湾カステラとコーヒーは相性が良い組み合わせですが、合わせるコーヒーの焙煎度合いによっておいしさが変化します。台湾カステラは、こってり濃厚な味が売りのスイーツではありません。むしろ、味も食感も「優しさ」が全面に打ち出されたスイーツですから、コクと苦みが特徴の深煎りコーヒーを合わせると、台湾カステラの繊細な甘みが舌で感じられなくなる恐れがあります。
もし深煎りコーヒーを合わせたいというのなら、カフェオレにしてみると良いかもしれません。ミルクを加えることで深煎りコーヒー独特の苦みが抑えられ、まろやかな味になります。深煎りコーヒーで作ったカフェオレと台湾カステラは、絶妙なハーモニーを生み出すでしょう。
一方、爽やかな酸味を持つ浅煎りコーヒーと台湾カステラを合わせると、お互いの長所をうまく引き出せない可能性があります。フードペアリングの観点からすると、台湾カステラと相性がもっとも良いのは、中煎りコーヒーです。全体的にバランスが良く、ほんのりした甘みが感じられる中煎りコーヒーとふんわりした食感と甘さを持つ台湾カステラの組み合わせは、お互いをうまく引き立て合います。
台湾産コーヒーを合わせて
台湾といえばお茶のイメージが強いため、コーヒーが栽培されていることを知って驚く人も少なくありません。諸説あるようですが、最初にコーヒーを台湾に持ち込んだのはオランダ人だといわれています。日本統治時代にはコーヒーの栽培が盛んになりましたが、戦後になると安い価格の海外産コーヒーが市場に出回るようになり、コーヒー栽培に携わる農家の数が減少します。
そのまま衰退の一途を辿るかのように思えた台湾産コーヒーでしたが、世界的なコーヒーブームのおかげで、再びスポットライトが当たるようになりました。現在、台湾嘉義県にある阿里山エリア(尖崙山、祝山、対高岳山、大塔山、塔山など18の山々から構成されている)を中心にコーヒー栽培が行われていますが、栽培量はそれほど多くはありません。
台湾で栽培されているのはアラビカ種が多く、果物のような芳醇な香りが特徴です。栽培量が少ないことから、台湾でコーヒー農家が生計を立てるには、高価格でも買い手がつく優れた品質のものを作る必要があるといわれています。台湾産コーヒーの知名度は日本ではまだそれほど高くありませんが、苦みや酸味が少ないコーヒーなので、台湾カステラとの相性も良いでしょう。
コーヒーと相性の良い台湾菓子
台湾スイーツと聞くと、かき氷や豆花などを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。たくさんおいしい食べ物がある台湾ですが、ここでは台湾カステラ以外のコーヒーと相性の良い台湾菓子をご紹介します。
台湾版ベビーカステラ「雞蛋糕」
台湾夜市(ナイトマーケット)を訪れるのは、台湾旅行の楽しみのひとつでもあります。そんな夜市でよくお目にかかるのが、「雞蛋糕」の屋台です。雞蛋糕とはベビーカステラのことですが、屋台ごとにカステラの形が違います。
台湾カステラのようなしっとりさはありませんが、甘くて香ばしい台湾版ベビーカステラは、コーヒーのお供にぴったりです。
パイナップルケーキ「鳳梨酥」
年間を通して温暖な気候の台湾は、南国フルーツの名産地です。中でも台湾におけるパイナップルの収穫量は多く、鳳梨酥と呼ばれるパイナップルケーキはお土産としても有名なのではないでしょうか。台湾名物のパイナップルケーキとは、パイナップルで作った餡を小麦粉と卵黄などから作った生地の中に詰めて、焼いた焼き菓子のことです。
ちなみに、鳳梨酥はパイナップルに冬瓜を加えて餡にしたもので、パイナップルが100%使用されている訳ではありません。もしパイナップルのみを使用したパイナップルケーキを購入したいのであれば、「土鳳梨酥」と呼ばれるパイナップルケーキを選ぶことをおすすめします。ただし、鳳梨酥のほうが土鳳梨酥よりも甘みが強く、中煎りコーヒーもしくは深煎りコーヒーとの相性が良いかもしれません。
さつまいもの揚げドーナッツ「地瓜球」
夜市の屋台で売られている地瓜球は、さつまいものお菓子です。さつまいもとタピオカ粉、砂糖を混ぜて作った生地を油で揚げたもので、もちもちの食感がクセになります。地瓜はさつまいも、球はボールですから、地瓜球とはさつまいもボールのこと。地瓜球は中がほぼ空洞になっていて軽い食感ですから、何個でも食べられてしまいます。
油で揚げるなどして加熱調理された食品は、色が茶色に変化して香ばしくなりますが、これをメイラード反応と呼びます。一般的にメイラード反応を起こした食べ物はコーヒーと相性が良いとされているので、地瓜球もコーヒーのお供によく合うでしょう。
台湾版チーズケーキ「奇士蛋糕」
奇士蛋糕と呼ばれる台湾版のチーズケーキは、ひと味もふた味も違います。奇士蛋糕は外側はサクサクのパイ生地、中はチーズ味の柔らかいスポンジから出来ており、ほんの少ししょっぱい味がアクセントになっています。
日本人が想像するチーズケーキとはまったく異なる味かもしれませんが、奇士蛋糕あっさりした味はお茶請けにもってこいです。中煎りコーヒーやカフェオレとの相性が良いスイーツだといえるでしょう。
コーヒーブレイクのお供に台湾カステラを
台湾には、コーヒーと相性の良いお菓子がたくさんあります。
現地でしか手に入らないものもあれば、台湾カステラのように日本でも入手しやすいスイーツも。「このお菓子にはどんなコーヒーが合うのだろう?」と考えるのも、コーヒーブレイクの大きな楽しみです。色々と組み合わせて、最高のペアリングを見つけてみてくださいね。
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