エスプレッソはイタリアで熟成したのちアメリカに渡り、シアトル系カフェの台頭によって日本でも一般的な存在になりつつあります。イタリア本国では砂糖を入れて2~3口で飲み干すスタイルが伝統的ですが、アメリカやオーストラリアではたっぷりのミルクと合わせたドリンクが人気。北欧や日本のサードウェーブ系ロースターではシングルオリジン・エスプレッソの強烈な個性を楽しむ飲み方も徐々に浸透し、エスプレッソの魅力は世界的な広がりを見せています。
そんな中、カフェだけでなく家庭でもラテやアメリカーノをオシャレに楽しみたい人向けの、家庭用エスプレッソマシンがじわじわとキテいるらしいとのこと。家庭用のエスプレッソマシンといえば、全自動?半自動?……デロンギ!?なんて色々耳にすると思いますが、種類が沢山あるんです。
今回は、そんな家庭用エスプレッソマシンの選び方や注意点をご紹介します。あなたにあったマシンを見つけてみてください。
目次
家庭用エスプレッソマシンの選び方〈種類を選ぶ〉
家庭用のエスプレッソマシンには、半自動式(セミオート)と全自動式(フルオート)の2つのタイプがあり、ポッド式という派生型も存在します。自分の生活スタイルにあったものは、どの種類の物なのか見ていきましょう。
半自動式(セミオート)
エスプレッソの半自動式のマシンとは、コーヒーの粉をフィルターにセットしてタンピングという粉を押し固める作業は自分で行い、そこから先はマシンがしてくれるというもの。コーヒーの量や挽き具合を調整しなくてはならないため、最初は失敗することも多々...。
しかし本格的なカフェで使用されているマシンはほとんどがこのタイプ。ラテアートを家庭でしてみたいという人はスチームノズル付きの半自動マシンを選ぶようにしましょう。
全自動式(フルオート)
エスプレッソの全自動式のマシンは、コーヒーの豆と水をセットするとボタンひとつで抽出までしてくれます。ラテも自動で作ってくれるマシンなんかもありますが、半自動式と比べると高価な傾向があります。
全自動式マシンの派生型として、近年流行のポッド式というタイプも存在します。規格で定められたサイズのカートリッジをセットするだけで、誰でも簡単に美味しいエスプレッソやラテが淹れられるというスグレモノ。ランニングコストがかさむため好みは分かれますが、ホテルやオフィスでの導入事例も多い様子です。
カフェポッド式
1杯ごとにわざわざコーヒーの粉をセットするのではなく、カフェポッドを使用するタイプも存在します。カフェポッドとは、1杯分のコーヒー豆を最適な具合(極細挽き)に挽いたものをフィルターペーパーに詰めてあるものを指します。カフェポッドは世界標準で大きさが決められているため、購入するマシンが異なっても適合するというメリットもあります。エスプレッソを気軽に飲みたいという方には最適なマシンかもしれません。
家庭用エスプレッソマシンの選び方〈注意点〉
家庭用エスプレッソマシンを選ぶ際に、いくつか注意する点があります。以下に記載する項目に注意して選ぶと失敗も無くなるはずです。
グラインダーの必要性
全自動マシンを購入する際は別ですが、半自動式を選ぶ方が忘れがちなのがグラインダーの存在です。
グラインダーとはコーヒー豆を細かくすり潰す機械のこと。よくコーヒーミルと混同してしまいがちですが、「コーヒーミル」と記載されたものの多くはエスプレッソで使用するほど細かく挽くことができませんので、エスプレッソ用のものを選ぶようにしましょう。
ラテには時間がかかるという欠点
家庭用エスプレッソマシンの多くは、エスプレッソを抽出するのと、ミルクを泡立たせるスチームを温めるボイラーが共通です。つまり、エスプレッソの抽出後はボイラーが温まるまで少し待たないとスチーミング(ミルクを蒸気で泡立たせること)ができません。
もちろん逆も然り。スチーミング後はボイラー内の温度が下がるまでエスプレッソの抽出はできませんので、大人数のドリンクを一回で用意することは難しいです。
カフェですぐにラテを作ることができるのは、マシンにボイラーが複数内臓されている高性能なマシンを使用しているからなのです。
家庭用エスプレッソマシンの選び方〈 まとめ 〉
エスプレッソやラテを上手に淹れることは予想以上に難しいもの。しかしその分、試行錯誤の楽しさがあることを忘れてはいけません。豆の量を調整したり、ミルクの泡を多くしてみたりという工程を楽しくできる人には、家庭用のエスプレッソマシンは良い買い物になると思います。なにより、来客時にステキなラテの一杯でも淹れることができたらどんなに格好良いでしょう。もちろん、お客さんからのリクエストがあればですが……。