18世紀に活躍したフランスの政治家タレーランは、「イタリアのエスプレッソはフランスにおいてのシャンパンだ」と述べました。
この名言にあるように、イタリアを代表する飲み物であるエスプレッソをおいしく淹れようと思うなら、イタリア製エスプレッソマシンを選んでみてはいかがでしょうか?
しかし、「どこのメーカーのものがいいのかわからない…」という人も少なくないはず。そこで本記事では、家庭用のイタリア製エスプレッソマシンのおすすめをご紹介します。
イタリア製エスプレッソマシンのおすすめ
自宅にイタリア製エスプレッソマシンがあれば、いつでもカフェ仕様のエスプレッソが飲めるでしょう。
ここでは、各エスプレッソマシンの特徴や機能などを詳しくご紹介します。
すべてにおいて優秀な『De Longhi ESAM3300 Magnifica』
全自動タイプのエスプレッソマシンである「De Longhi ESAM3300 Magnifica」の本体はプラスチック製で、業務用のエスプレッソマシンのような素っ気ないデザインではあるものの、本格的なエスプレッソを淹れられると人気のマシンです。
サイズは11 x 15.3 x 14.4 インチ(約28㎝ × 約39㎝ × 約36㎝)とコンパクトで、給水タンクの容量は60オンス(約1.7リットル)となっています。
グラインダーはコーン式でコーヒー豆を均一に挽くことができ、コーヒー豆の挽き具合の調整は13段階設定ですから、完璧なショットを抽出できます。
もちろん、ホールビーンのコーヒー豆だけではなく、すでに挽いてあるものにも対応可能。
シングルまたはダブルのエスプレッソを作るときには、水とコーヒー豆をセットしてボタンを押すだけという手軽さです。
ショットの強さ等をカスタマイズでき、ダブルボイラー(マルチボイラー)タイプなので、エスプレッソ抽出に適した湯温を設定・管理できますから、次回から同じ味を再現できます。
スチームワンド(スチームノズル)を使って手動でミルクを泡立てれば、カプチーノを作ることも可能。
ただし、慣れるまでには少し練習が必要かもしれません。
お手頃価格の『De Longhi EC680M Dedica』
コンパクトなイタリア製エスプレッソマシンをお探しなら、ステンレススティール製で耐久性に優れた 「De Longhi EC680M Dedica」がおすすめです。
全自動タイプで給水タンク容量は34オンス(約1リットル)、サイズは 5.9 x 13 x 12インチ(約15㎝ × 約33㎝ × 約30.5㎝)、本体質量は4kgとなっています。
シンプルな見た目ではあるものの9気圧のポンプ式抽出、さらに抽出量や湯温設定を好みにカスタマイズでき、いつでも最高のエスプレッソが抽出できます。全自動タイプとはいってもこちらのマシンはグラインダーを内蔵していないため、別途購入する必要があるでしょう。
コーヒー粉以外にもカフェポッドで淹れることができ、それぞれに専用のホルダーが付いています。
二重構造になったスチームワンドでミルクを手動で泡立てれば、きめの細かいミルクができあがり、ご自宅でふわふわミルクのカプチーノを楽しめます。
カプチーノ好きには『Gaggia Brera Espresso Machine』
「毎朝おいしいカプチーノが飲みたい! 」という人におすすめなのが、ガジア社の「Gaggia Brera Espresso Machine」です。
こちらは全自動タイプのエスプレッソマシンで、給水タンクの容量は約1.2リットル、サイズは12.4 x 10 x 17.5 インチ(約31㎝ × 約25㎝ × 約44㎝)となっています。
イタリア製エスプレッソマシンといえば日本ではデロンギ社が有名ですが、最近ではガジア社の人気が高まっているようです。
その証拠に、日本マーケティングリサーチ機構が2021年に実施したインターネット調査では、店舗やオフィスに導入したいコーヒーマシンのランキングやお家時間が優雅になりそうなコーヒーマシンのランキングで、ガジア社が第1位に輝いています。
グラインダー内蔵のためホールビーンのコーヒー豆はもちろん、コーヒー粉からエスプレッソを抽出できます。
ガジア社独自開発のシステムにより、マシンが自動で最適なコーヒー豆量を調節。「エスプレッソマシンは使い方が難しそう…」と思う人もいるかもしれませんが、シンプルな操作性が魅力のガジア社のエスプレッソマシンなら、バリスタのような知識がなくてもおいしいエスプレッソがご自宅で楽しめるでしょう。
さらに、ガジア社独自開発のスチームワンドにより、まるでベルベットのように滑らかなフォームドミルクを作ることができ、最高のカプチーノを作るのに適したエスプレッソマシンです。
ちなみに日本国内では、フジ産業がガジア社のコーヒーマシンとエスプレッソマシンの正規販売代理店となっています。
グッドデザインな『Nuova Simonelli Oscar II』
ヌォーヴァ・シモネリ社の「Nuova Simonelli Oscar II」は、インテリアの一部になるようなイタリア製エスプレッソマシンをお探しの方におすすめです。
こちらのエスプレッソマシンはセミオートタイプで、給水タンクの容量は2.8リットル、サイズは12 x 16 x 16インチ(約30㎝ × 約40.6㎝ × 約40.6㎝)となっています。
前モデルであるオスカーの改良版であるオスカー2は軽量化されたにもかかわらず、耐久性に優れたマシンです。
また、モダンアートのような見た目はとっつきにくそうな印象を与えますが、オスカー2になってマニュアル操作からメモリータイプに代わったため、抽出はシングルショットかダブルショットのボタンを押すだけ。
抽出のプログラムモード設定は、ダブルショット用のボタンを長押しして点滅させます。
その後、ポルタフィルターを設置してダブルショット用の抽出ボタンを押し、抽出が開始したら設定したい秒数で、再度ボタンを押します。これで抽出プログラム設定が完了し、次回から好みのエスプレッソを淹れることが可能です。
ただし、こちらのエスプレッソマシンは別途グラインダーでコーヒー豆を挽く必要があったり、ポルタフィルターにセットしたフィルターバスケットにコーヒー粉を入れたり、タンピングなどをしたりする手間がかかります。
そのため、エスプレッソマシンをまったく触ったことがない初心者の方には向いていないかもしれません。
ラテマネー節約に『Saeco Incanto Carafe』
「Saeco Incanto Carafe」は、ミルクカラフェ付きの全自動タイプのイタリア製エスプレッソマシンです。
人気エスプレッソマシンであるデロンギ社のエレッタと似ており、ボタンを押すだけでラテやカプチーノを作ることができますが、サエコ社のインカントはかなりお手頃価格で購入できます。
給水タンクの容量は約1.8リットル、サイズは16.80 x 8.40 x 12.90 インチ(約43㎝ × 約21㎝ × 約33㎝)です。
グラインダーを内蔵しているため、ホールビーンのコーヒー豆でもコーヒー粉からでもエスプレッソを作ることが可能。
グラインダーはセラミック製ですから、ステンレス製のものよりもお手入れが簡単、なおかつ風味の良いエスプレッソを淹れることができます。
ボタンを押すだけで自動でミルクの泡立てが行われますから、ラテやカプチーノをいつでも気軽に飲めるでしょう。サエコ社のインカント・カラフェは「カプチーノが飲みたいけどミルクを泡立てるのが面倒だ」という方や、「毎日のラテマネー代を節約したい」という方におすすめです。
販売サイト:https://www.cafetiers.ca/
バリスタ気分を味わうなら『Rancilio Silvia Espresso Machine』
ランチリオ社の「Rancilio Silvia Espresso Machine」は、セミオートマチックタイプのイタリア製エスプレッソマシンです。自分好みのエスプレッソを淹れたい方に人気のエスプレッソマシンで、給水タンクの容量は約2リットル、サイズは 11.4 x 9.3 x 13.4インチ(約29㎝ × 約24㎝ × 約34㎝)となっています。
ランチリオ社のエスプレッソマシンは家庭用エスプレッソマシンでありながらも、3ウェイソレノイドバルブを搭載するなど、業務用マシンと同等の設計がされています。また、最新タイプのマシンはエネルギー効率が向上しており、スタンバイモードでの効率が8%向上しています。
セミオートマチックタイプなので全自動タイプのエスプレッソマシンより手間がかかりますが、その分エスプレッソを淹れる練習ができ、バリスタとしての技術を向上させることが可能です。
バリスタ初心者におすすめの『Gaggia Classic Pro』
「Gaggia Classic Pro」は、セミオートマチックタイプのイタリア製エスプレッソマシンです。
給水タンクの容量は約2リットル、サイズは14.2 x 8 x 9.5インチ(約36㎝ × 約20㎝ × 約24㎝)となっています。
こちらのエスプレッソマシンはエスプレッソを淹れる練習をしたい人、とくに初心者の方におすすめのエントリーモデルです。
本格的なエスプレッソを淹れることができますが、シングルボイラーのためエスプレッソ抽出とミルクのスチームを同時に行うことはできない点が、このマシンを家庭用のエスプレッソマシンたらしめているといえるでしょう。
電源スイッチボタン、抽出ボタン、スチーム切替ボタンの3つのボタンとシンプルで操作性も抜群です。3ウェイソレノイドバルブを搭載しており、抽出後に外したポルタフィルターからコーヒーパックがキレイに捨てられるので、後片付けの面倒さが軽減されます。
イタリア製エスプレッソマシンを使用するときに気をつけること
デロンギに関しては、電圧や周波数が日本仕様になっている製品もありますが、日本での知名度が低いメーカーのエスプレッソマシンは日本仕様になっていないことがほとんどです。
そのため、イタリア製など海外製のエスプレッソマシンを購入して日本で使用する場合には、電圧・周波数、プラグの形状に気をつけなければいけません。
また、メンテナンスについても考慮する必要があります。
おいしいエスプレッソを飲むために、そしてマシンの寿命を延ばすためにも正しいメンテナンスは欠かせません。
自分でできるメンテナンスもありますが、業者にお願いしたほうが良いメンテナンスもありますから、日本に正規代理店があるメーカー、もしくはメンテナンス・修理を請け負ってくれるサービス業者があるかどうか調べておくようにしましょう。