ニュージーランドに移住してかれこれ13年。“イージーゴーイング”という言葉でなんでも済ませられるお国柄に、どっぷりはまって生活しています。ただ、私がなかなか馴染めなかったのが、甘すぎるスイーツの数々…。
もともと甘党ではないため、ニュージーランドのお菓子は自分に合わないと思い込んでいた私が、唯一! 心を奪われた絶品スイーツこそがパブロバなのです。日本のスイーツにないタイプの触感と食べてみたいと思わせるビジュアルがパブロアのポイント。今回は、私が何度もリピートして作っているお気に入りスイーツ・パブロバについて、とことん語ります!
目次
ニュージー家庭で愛されるデザート・パブロバって?
パブロバは、メレンゲをたっぷり使用した焼き菓子です。もったりフワフワに泡立てた卵白をカリッと焼き上げて、生クリームやフルーツでデコレーションしたもの。小麦粉を使わずに作るお菓子なんです!
フンフン、ちょっと簡単そうじゃない? と思われた方、本当に手軽に作れちゃいます。ニュージーランドでは、クリスマスやおもてなし用の伝統菓子として、昔から家庭で愛されてきたスイーツです。
パブロバはちょっと甘くても、ケーキのようにお腹にたまるしつこさはありません。外側はサクッとして中はフワフワしっとり。そのギャップは病みつきになる新触感であり、見た目もゴージャスなお菓子がパブロバなのです。
パブロバの起源は?ニュージーランドとオーストラリアの論争
ニュージーランドとオーストラリアは、同じオセアニアの隣同士の島国です。ただ、なにかと張り合うテーマが多いのを、ご存知でしょうか? たとえばラグビーでも両国が対戦するときはバッチバチ! ニュージーランド人は、何事にもオーストラリアだけには負けたくない…という気持ちが根付いていて、よくジョークのネタにもなります。
コーヒーのフラットホワイト発祥の地についても、ニュージーランド! いやオーストラリアだ! というエンドレスな論争が繰り広げられているんです。実はパブロバも同じく、ニュージーランドとオーストラリアがそれぞれ、自国で生まれたスイーツだと主張…。
日本人の私にとってはどちらでもいいのですが、伝統スイーツが少なく敵対心のある両国にとっては大問題なのでしょうね。
パブロバの名前の由来はロシアのカリスマバレリーナ
さて、パブロバという言葉の響きからも、なんだかポジティブな想像力が膨らみますよね。素敵なネーミングですが、実はロシアの天才バレリーナの名前にちなんで付けられたそうです。1926年に行われた世界ツアーで、アンナ・パブロワがニュージーランドやオーストラリアを訪問。その際に、両国とも彼女をイメージしたスイーツを考え、パブロバが完成しました。
メレンゲのパブロバを作ったのはニュージーランド!
パブロバと呼ばれるお菓子が、ニュージーランドとオーストラリアに同じ時期に誕生しているため、両国が論争を繰り広げるのも無理はありません。ただ、二つの国が作ったパブロバは、まったく違うお菓子だったというところがポイント。
ニュージーランドでは、卵白を使用してパブロバのバレエドレスをイメージした焼き菓子を作りました。一方で、オーストラリアでは、カラフルなゼリーを使用したお菓子をパブロバと命名したそう。バレリーナのパブロバの伝記にも、ニュージーランドで食べたパブロバには、メレンゲの上に生クリームが重ねてあったことがばっちり書かれています。
その後、ニュージーランドバージョンのパブロバが、両国でも広く愛されるようになったのです。オーストラリアにも同時期にパブロバという別のスイーツが実在したのは確か。でも、今現在パブロバと認識されているスイーツは、ニュージーランド発祥で間違いないでしょう。
【ニュージーランド発パブロバの簡単レシピ】一口サイズで作ってもおしゃれ!
早速おうちで作ってみたい! という方は、以下のニュージーランド発パブロバレシピを参考にしてくださいね。
・卵白 3個
・砂糖 100g
・酢 小さじ1
・コーンスターチ 小さじ1
・バニラエッセンス 少々
・沸騰したお湯 大さじ1
【トッピング】
・生クリーム 150g
・砂糖 12g
・お好きなフルーツ
1.オーブンは200度に予熱して、ボウルに卵白と酢、バニラエッセンス、コーンスターチ、砂糖の三分の一を入れて電動ミキサーで泡立てる
2.材料がまとまったら沸騰したお湯を入れて、残りの砂糖を2回にわけて入れる
3.角が立つまで泡立てたら、ベーキングペーパーをオーブントレイに敷いてメレンゲを円形に広げる
4.200度で2分焼いた後、温度を100度に落として1時間15分焼く
5.生クリームに砂糖を入れて泡立てて、冷ましたメレンゲの上にのせる
6.好きなフルーツをトッピングして出来上がり
メレンゲの形は、ケーキみたいに大きくしても、直径5㎝くらいの一口サイズにしてもOK! 生クリームをのせるため、上をフラットにすれば後の形は、あまり気にしなくても大丈夫です。イチゴやブルーベリーなどをトッピングして、パブロアを完成させましょう!
おもてなしや特別な日のスイーツはパブロバで決まり!
パブロバは、娘も夫も大好きなお菓子で、我が家でもクリスマスなどのイベント時にはよく作ります。スポンジケーキよりもライトな感覚でお腹に入るため、さくさくペロリと食べれちゃうのが魅力です。
コーヒーとの相性も抜群なので、おもてなしの際などに作ってみると喜ばれること間違いなし。ニュージーランドの伝統スイーツ・パブロバをマイレシピに加えて、口の中で広がる新しいサプライズな触感を楽しみましょう!