あなたのお気に入りのコーヒーは何でしょう? こだわりのブレンド、それともデザートのような甘いコーヒー?
コーヒーのバリエーションはどんどん広がっていますが、その基本は本場イタリアのコーヒーにあり! といえるでしょう。シンプルながらも奥深いイタリアンコーヒーの基本メニューについて、一緒に振り返ってみませんか。
目次
イタリアンコーヒーの代表格、エスプレッソ
イタリアで「カッフェ(コーヒー)」といえばエスプレッソのこと。
深煎りの豆を粉状になるまで挽いた極細挽きのコーヒーパウダーを使い、短時間のうちに蒸気で圧力をかけて抽出します。圧力をかけることでコーヒーの成分が凝縮され、フィルターコーヒーよりも雑味が少なく、味わいも濃厚になります。
器にはエスプレッソカップやデミタスカップなど、ごく小さなカップを使い、数え方には「ショット」という単位を使います。分量としては、ワンショットあたり8g前後のコーヒーパウダーを使い、25cc程度のエスプレッソを抽出するのが標準的です。
上手に抽出できたエスプレッソの表面には、ヘーゼルナッツ色の泡の層が形成されます。これは「クレマ」と呼ばれ、エスプレッソの美味しさのサインです。
イタリアンコーヒーのベーシックなメニューは、エスプレッソの抽出方法を調整したり、ミルクを加えたりしたもの。美味しいエスプレッソこそ、世界に広がったコーヒー文化の原点と呼べるでしょう。
エスプレッソのバリエーション
コーヒーの成分は水に触れると同時に抽出が始まり、温度と時間によって成分内容や量が変化します。エスプレッソと同じ豆を使っても、抽出時間や水の量を変えることで、異なる味を楽しむことができますよ。
リストレット
エスプレッソを半分の量の水で抽出したのがリストレット。水の量が少ないので抽出時間もエスプレッソより短くなります。成分がエスプレッソよりさらに凝縮されているので、液体には粘度があり、味は苦みが少なめで力強く、濃厚です。
ルンゴ
リストレットとは反対に、エスプレッソを倍量程度の水で抽出したのがルンゴ。水の量が増えるのでエスプレッソよりマイルドになり、抽出時間も長くなります。
コーヒーは酸味成分がはじめに、苦み成分は後で出るため、抽出時間が長くなるルンゴは苦みをより楽しめます。カフェインも、水との接触時間が長くなると増えるので、シャキッとしたい時の一杯にいかがでしょう。
カフェ・アメリカーノ
アメリカーノとアメリカンコーヒーとは、名前は似ているものの、異なるコーヒーです。
アメリカンコーヒーは、浅煎りから中煎り程度の豆を、主にフィルターを使って淹れたコーヒーです。一方、カフェ・アメリカーノはエスプレッソにお湯を注いで作ります。フィルターコーヒー程度の濃さになりますが、エスプレッソの味を楽しめます。
ミルクベースのイタリアンコーヒー
カプチーノ
エスプレッソに、よく泡立てたスチームミルクとフォームミルクを注いだのがカプチーノ。基本の割合はエスプレッソ、スチームミルク、フォームミルクが1:1:1。ラテアートを描いたり、ココアパウダーをふったりして、見た目も美味しくいただきましょう。
カフェ・ラッテ
ミルク(ラッテ)をエスプレッソに注いだものがカフェ・ラッテ。スチームミルクを使うのがイタリア流です。多めのミルクでよりマイルドにすれば、コーヒーが苦手な人にも飲みやすくなりますよ。
ラッテ・マキアート
カフェ・ラッテとは逆に、エスプレッソをミルクの後に加えるのがラッテ・マキアート。
マキアートという言葉のもとになっているイタリア語は「マッキア(macchia)」といい、「シミ」を意味します。ミルクにエスプレッソでシミをつけるイメージですね。ミルクは泡立てたものを使い、ふわふわのフォームミルクを上に乗せます。
ラッテ・マキアートはミルクとコーヒーの層が分かれているのが特徴です。この層は、比重のより大きなミルクを先に、比重の軽いエスプレッソを後から注ぐことでできるので、順番厳守です!
似た名前のコーヒーに「カフェ・マキアート」がありますが、これはエスプレッソに小さじ2杯くらいのフォームミルクでシミをつけたものなので、ミルクたっぷりのコーヒーをご希望の方はお間違えなきよう!
パーフェクトなエスプレッソで美味しいアレンジを!
ストレートでもアレンジでも、美味しいエスプレッソがあってこそ。エスプレッソの淹れ方や風味にこだわって、イタリアンコーヒーをもっと豊かに味わいましょう!