茶道は、日本の伝統文化のシンボルの一つです。2020年の東京オリンピックの開催と海外の日本ブームが相まって、近年では国内でも手軽に茶道を楽しめるスポットが増えています。
茶道というと、堅苦しいイメージを抱く方もいますが、普段の生活でも茶道の所作が活かされることをご存じでしょうか。
今回は日常生活で使える、茶道の所作についてまとめてみました。
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茶道とは?
茶道は、茶人・千利休が礎を築いた日本の伝統文化の一つです。お客様を招いて、茶せんを使うなどの決められた作法に則り、抹茶を振る舞うことを指します。日本特有の文化でもある、「おもてなし」の一つの方法として位置づけられています。
今日、「苦い抹茶を飲む」「和菓子をたしなむ」といったイメージが先行している茶道ですが、お茶を受け取る・配置する、といった所作にそれぞれの意味が込められています。
その中でも私たちが知っておきたい茶道のマナーについて、次の項でピックアップしてみましょう。
茶道の所作がルーツ!日常生活で使える心遣いとは?
コミュニケーションを取る上で、大切なのは心遣いです。その中でも茶道の所作がルーツとなっている心遣いについてピックアップしてみます。
相手を思いやる気持ち
茶道では、歩き方・茶碗の上げ下ろしなど、やり方や順序が明確に存在します。普段、茶道にあまり触れていない方であれば、「いちいち細かいのでは……」と思うかもしれません。
これらの決まったやり方がある理由としては、まず相手のことを思いやり、不快な思いにさせないことが挙げられます。使っている道具を丁寧に扱う、またはその場にいる人たちを考えて行動すれば、相手に良い印象を与えるのは言うまでもありません。
また、お茶や和菓子をたしなむときに「お先にどうぞ」と声をかけて譲ることも、思いやりです。「思いやり」が込められた、これらの動作や所作を普段から自然にできるようにしたいものですね。
おもてなしの心
2020年開催の東京オリンピックの招致のスピーチで使われた言葉と言えば、「おもてなし」です。「ゲストへの心を込めた応対」を意味するおもてなしの言葉は、国内外を問わず、多くの人たちに共感を得たのは記憶に新しいことでしょう。
そして、この「おもてなし」は、実は茶道とも深く密接なモノものです。まず、茶道のシーンでのおもてなしは、相手がその場の雰囲気になじめる空間作ることが挙げられます。
ほかにも相手に抹茶や茶菓子を渡すときに「一呼吸」おいてから行動することも、おもてなしの一つです。渡す側が落ち着いた気持ちで行動していると、相手にもゆとりを持っていることが伝わり、和やかな雰囲気となります。
またおもてなしの所作は、お茶を適度な温度で振る舞ったり、茶器の絵柄を相手の正面に配置したりするなども含まれています。
これらの行ないに気を遣うのは、細かいことではありますが、気持ち良いものとなります。
茶道の知識を深め、日常生活で生かしてみよう
茶道の所作は、器を回すなどの細かいことが多いですが、この細やかな心遣いが相手とって良い印象を与えるのは言うまでもありません。特に「思いやること」「おもてなしの心」は、普段から意識して生活すると、人間性も磨かれます。
日常生活や対面での食事や仕事をする際に、茶道の所作を頭に入れておきながら心遣いをしてみてはいかがでしょうか。