“Farm to Cup”――農園からお客様に最高の一杯をお届けしたい、という事業コンセプトの下、コーヒーマシンの開発、カフェ事業、さらに中米コスタリカで自社コーヒー農園の経営にも取り組んでいる「GESHARY COFFEE」。

     

    この世界でも類を見ない取り組みにあえて挑戦した経緯と、その先に見据えるものとはいったい何なのでしょうか?

     

    今回は、農園開発事業に立ち上げから携わってきた井澤正行氏、池田賢史氏のお二人に、農園を所有するまでの経緯や現地での取り組み、「GESHARY COFFEE」が目指すコーヒー農園の未来についてお話しを伺いました。

     

    井澤正行 Masayuki Izawa

    GESHARY COFFEE農園開発チーム 主幹

    前職はゲームの企画・開発などを行う会社の執行役員。縁あって「GESHARY COFFEE」の農園事業に携わることとなる。IT業界での経験を活かし、農園管理・運営のIT化、日本式の運営スタイルをミックスさせ中米から日本品質を届けることを目指す。

     

    池田賢史 Takahito Ikeda

    GESHARY COFFEE農園開発チーム

    以前はバリバリの営業マンだったが、新規事業の立ち上げに大きな魅力と可能性を感じて「GESHARY COFFEE」へ。コーヒーの買い付けなど国の垣根を超えて飛び回るうち、井澤氏とのコンビで農園事業を任されるように。

     

    まったく畑違いの二人がコーヒー農園を担当することに

    ▲GESHARY COFFEEで農園開発事業を担当する池田賢史氏(左)と井澤正行氏(右)

     

    ――井澤さん、池田さんともに以前はコーヒーとはまったく無関係のお仕事をされていたそうですね。

     

    井澤:私は数年前から、ゲーム会社の経営に携わっていたのですが、ちょうど開発が一段落した頃、知り合いから「コーヒー農園をやってみないか?」と声をかけられたのがきっかけで、この仕事に就くことになりました。

     

    まるっきり畑違いのジャンルだったので、お話しをいただいた当時は正直、何を言っているのかよくわからなかったですね(笑)。

     

    IT業界から一次産業に変わるわけですからね。それがどういう意味なのか考えましたし、そもそも中米と言われてもわからないことだらけでしたので、どんな国があるのか、パナマってどこ!? みたいな感じで慌てて調べたりもしました。

     

    ――それでも挑戦しようと思った、決め手は何だったんですか?

     

    それが何であれ、やるからには成功させたい、という気持ちですかね。新しいことに挑戦してみたい、という興味もあったと思います。

     

    ちょうど「農業のIT化」というキーワードが注目されている時期でもあったので、今まで自分がやってきたことを中米で活かしてみたい。日本ならではのクオリティというか、日本式のやり方をうまく取り入れて普及させることができたら、すごいものが作れるんじゃないかという期待感もありました。

     

    ――池田さんは異業種に移るにあたって、不安とかありませんでしたか?

     

    池田:私は「GESHARY COFFEE」のプロジェクトが始まった当時は、まだ別の会社で営業職をしていました。

     

    元々、ベンチャーだとか新規事業といったものに憧れというか、とても興味があったので、「GESHARY COFFEE」の新しいコーヒー事業を知って、すぐに応募したんです。

     

    ――さすが営業マン、素晴らしいフットワークですね。

     

    もう矢も盾もたまらず、飛び込んだという感じですね(笑)。

     

    でも、入社した当時はまだメンバーが数名で、少数精鋭といった感じだったので、私はマシンの開発についても、コーヒー農園についてもまったくのシロウトということもあって、多少気後れするところもありました。

     

    そこから徐々に事業が大きくなっていって、コーヒー豆の買い付けに加わったり、現地の視察に参加したりと海外に行く機会が増えていったんです。

     

    ちょうどその頃に、コーヒー事業を“Farm to Cup”というコンセプトでやるなら、自分たちで農園も所有してみよう、という話が一気に具体化してきて、「農園やってみないか?」と声をかけていただいたんです。

     

    それからは農園担当ということで、井澤さんとチームでやらせてもらっています。

     

    ――ちょっと意外なんですが、お二人ともコーヒーに関連する仕事に興味があった、というわけではないんですね?

     

    池田:そうですね(笑)。

     

    井澤:私もコーヒー自体は大好きで、1日2~3杯、毎朝欠かさず飲むくらい好きなんですが、仕事にしたいと考えたことはなかったですね。

     

    池田:営業時代はもっぱら缶コーヒーかコンビニエンスストアの100円コーヒーでしたね。それこそ毎日のように飲んでいました。今の仕事をするようになって、初めてスペシャルティコーヒーの存在を知り、今では毎日、妻といっしょに飲むくらい、すっかりハマっています。

    コスタリカNo.1、コペイ農園との出会い

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    ――「GESHARY COFFEE」グループが所有する農園HACIENDA COPEY(以下、コペイ農園)について教えてください。

     

    井澤:私たちのコペイ農園は、中米コスタリカのほぼ中央に位置するタラスという地区にあります。比較的新しい農園で、敷地面積は86.3ヘクタール、東京ドームに換算すると、約18個ぶんの広さです。

     

    ――ちょっと想像がつかない広さですね。やはり標高が高い地域なんですか?

     

    池田:はい、現地のスタッフたちが暮らすメインハウスは標高1850メートルのところにあります。当然、空気が薄いので、普通に話しているだけでも息が切れるくらいです。

     

    井澤:メインハウスから2150メートルのところまで道が整備されているので、そこまで登ったことがあるんですけど、走って登っても30数分。でも帰りは下りなので10分もかからないんじゃないかな? 一気にぶわーっと下って来られます(笑)。

     

    ――かなり高低差がある土地なんですね。標高によって植える品種を変えたりしているんですか?

     

    ゲイシャの他にもレッドカトゥアイ、イエローカトゥアイ、ビジャサルチ、ビジャロボスの5品種を育てています。標高が低いところはビジャサルチ、そこから少し上がったところにレッドカトゥアイといった感じで区画分けしていますね。

     

    池田:元々農園を譲り受けたときに植えられていた品種もあるのですが、現在ゲイシャは全体の25%くらいですね。今後、売れ行きなどを見ながら全体の割合を徐々に調整していくことになると思います。

     

    ――そのゲイシャが昨年(2019年)のCup of Excellence(以下、CoE)で1位と3位をダブル受賞したゲイシャですよね?

     

    そうですね。おかげさまで非常に多くの方々から、うちの豆を買いたいというお声をいただいていまして、今後どこにどう分配していこうかと頭を悩ませているところです。

    目指すは世界ナンバーワン! ハシエンダ・コペイ農園が切り拓くゲイシャと「GESHARY COFFE」の新たな未来

    ――こちらの農園で収穫された豆は2017年、2018年にもCoEで受賞されていますよね。これら数々の実績がコペイ農園を所有する決め手となったんでしょうか?

     

    じつはそういうわけでもないんです。私たちが農園を探し始めたのはそれより前でして、パナマを中心にいろいろな農園を見て回っていました。

     

    パナマはどんな国で、どんな人たちがいて、農園の土壌・気候はどんなものか。それを知るために自分たちの目と足でいろいろなところを見て回り、ときには現地の不動産屋の紹介で、実際に売り出されている農園の見学にも行きました。

     

    井澤:とくに有名なコーヒー農園が多くあるボケテ、ボルカンの両地区は隅々まで回りましたね。現地の気候なども実際に体感してみないとわからないですし。

     

    池田:その後、コスタリカにも足を運んで、同じように多くの農園を見て回りました。その中でコペイという地区を訪れた際、パナマで得た体感と非常によく似た感覚に気づいたんです。

     

    「あっ! この感覚、パナマとすごく似てる!」って。

     

    それでこの地区について調べてみたら、自然保護にとても力を入れていて、自然が豊かな地域だということがわかったんです。大きな木々がたくさん生えている様子は、シェードツリーに覆われたパナマの農園を連想させるものでした。

     

    きっとここならパナマと同じ環境を作れると思いましたね。

     

    井澤:コペイは気候的にもパナマとよく似ているんです。パナマには「マイクロクライメイト(※)」という特有の気候があり、晴れていても霧が出て、雨が降ってすぐまた晴れる、といった天気の変化がよく見られるんですが、これによく似た気候がコペイ地区でも見られるんです。

     

    山を見ていると、まるで踊るようにふわっと雲が現れて、またふわっと消えていく。振り返ると虹が出ていることもある、そんな神秘的な場所なんです。

     

    ※)マイクロクライメイトとは

    日本語では「微気候」や「局地気候」と言い、地球規模の気候傾向に対して、地形などの影響により、局地的に気候や土壌といった環境が変化すること。このマイクロクライメイトをはじめ、コーヒー農園を取り巻くさまざまな自然環境要因を総称して「テロワール」と言う。

     

    池田:一方で、パナマはコーヒーの生産地としてはすでにメジャーであり、土地を手に入れようにもとにかく高い。それに比べればコスタリカはまだまだ安かった。

     

    また、これは私見ですが、コスタリカで会った人々は素朴で真面目な方が多く、日本人としても馴染みやすい、合いそうな土地柄だなと感じたんです。

     

    我々、日本人にとって、中米って正直よくわからない世界ですし、治安やインフラなどいろいろ不安なところもあるじゃないですか。でも、コスタリカで会った人たちを見ていると、ここならなんとか暮らしていけそうだなと思ったんです。

     

    ――これからも現地で仕事をするとなると、決して軽視できない部分ですよね。

     

    そうですね。仕事のやり方を見ていても、コスタリカの人々はコミュニケーションやチームワークを大事にする。一方、パナマの人たちはすごく独立心が旺盛で、一人ひとりが自分の考えで動いている、みたいな感じ。

     

    これは農園の運営にも通じていて、パナマはそれぞれの農園が独自の考えに基づいて事業を展開している。コスタリカは国が運営するICAFE(=コスタリカコーヒー協会)という機関があって、そこが農園やコーヒー事業をまとめて管理していて、品質向上や安定供給のための指導、情報共有などもやっているんです。

     

    初めて農園事業をやろうとしている我々にとっては、コスタリカのほうが入口としては合っているなと思いました。

    最初に取得したのはフルーツ農園だった!?

    ――農園候補地がコスタリカに決まってからは順調に事が進んだんですか?

     

    池田:今思い返してみると、あまり順調とは言えないですね(笑)。

     

    というのも、日々視察を続けながらも、まだ当時は既存の農園を譲り受けるか、土地を買って一から農園を作り上げるか、明確に決めていなかったんです。

     

    ――では、いい土地があれば自分たちで作るつもりもあった?

     

    もちろんです。実際、私たちがコスタリカで最初に取得したのはコーヒー農園ではなく、フルーツ農園でしたし。

     

    ――フルーツ農園!? その土地をコーヒーに転用する、ということですか?

     

    いえいえ。コーヒーの作付けも始めていますが、元からあったリンゴやアボカド、プラムなどもいっしょに育てていますよ。

     

    ある程度の背丈がある木なら、そのままコーヒーのためのシェードツリーとして使えますし、コーヒーノキといっしょにフルーツを植えておくと良い風味になる、なんて説もありますしね。

     

    井澤:この農園はIT導入のテストケースとしても活用しているんです。これまでにも農園の傾斜を3Dデータ化したり、ドローンを飛ばして正確なマップを作り、道のつけ方、シェードツリーの植え方などを決めるレイアウトを作ったりもしています。

     

    また、現地の大学の協力を得て、土壌調査もやっています。土の特徴を分布化して、どんな成分が足りないか、よりコーヒーに適した土壌を作り上げるにはどうしたらいいか、といった研究を進めているところです。

    ――それは楽しみですね。このフルーツ農園産のコーヒーが収穫できるのはいつ頃になりそうですか?

     

    私たちは内々にこの農園を「リオブランコ」と呼んでいるのですが、「リオブランコ」産の豆が販売できるのは……6~7年先ですかね?

     

    池田:そうですね、長くてそれくらいだと思います。

     

    井澤:ちなみに「リオブランコ」があるのも、先ほどお話ししたコペイ地区なんです。

     

    「リオブランコ」の取得とほぼ同時期にコペイ農園にも立ち寄っていたんですが、これがひとつの大きな転機になりました。

     

    農園訪問時、我々が近くのフルーツ農園を取得したことや、オーナーとのコミュニケーションでお互いに良い関係を築くことができていたこと。コペイ地域の約8割の農園が十分な利益を出せていない状況でも本気でコーヒービジネスに取り組もうとしている姿勢。そうした諸々の状況を見て、この日本人にならコペイ農園を預けてもいいかな、という気持ちになったんだそうです。

     

    ――タイミングと双方の思い、どちらか一方がズレても実現しなかった。運命的な出会いですね。

     

    そうですね、タイミングは本当に重要だったと思います。

     

    先方から譲渡の話が出てからは、話が一気に進んでいって、我々の返事や対応が遅かったり、話したいというときにタイミングが悪く現地に行けなかったりしたら、よそに話が流れてしまった可能性もあったと思います。

     

    池田:その時点ですでにコスタリカでもナンバーワンの農園でしたからね。狙っていたところはいくらでもあったはずです。当時、オーナー自身も「交渉相手は他にもいるからね」みたいなことを仄めかしていましたし。

     

    ――その上で大切な農園を託されたんですね。その前オーナーとは未だに良好な関係が続いているんですか?

     

    近くに他にも農園を持っていて、今はそっちに専念されていますよ。何か困ったときには連絡して、よく相談に乗ってもらっています。

     

    農園に関する相談もありますが、とくに多いのは人事関係ですね。法律や習慣が日本とはまるで違うので、ワーカーの給料の相場とか、休みの与え方とか見当もつかないじゃないですか。

     

    井澤:最近では「クリスマスボーナス」なんて問題もありました。

     

    ――日本で言う、冬のボーナスみたいなものですか?

     

    そんな感じですね。とはいえ、法律で保証されたものではなく、あくまで慣習的なものなので、「どうすんの、これ……?」みたいな話になりまして(苦笑)。

     

    池田:一般的にはもらって当たり前、経営者は払わなきゃいけませんよ、みたいな位置づけになっているそうなんです。

     

    それを踏まえた上で、客観的な視点も必要かなと思って、現地の労働省のホームページを見たり、クリスマスボーナスの定義を調べたりもしました。もちろん最終的にはワーカーの皆さんにボーナスをお出ししましたよ。

     

    井澤:いっしょに働く仲間ですから、信頼関係はもちろん、彼らの習慣も大事にしていきたいですしね。

    日本の考えを取り入れた農園運営でクオリティアップを目指す

    目指すは世界ナンバーワン! ハシエンダ・コペイ農園が切り拓くゲイシャと「GESHARY COFFE」の新たな未来

    ――コペイ農園が「GESHARY COFFEE」グループの傘下になって設備や運営のしかたなど、大きく変わったところはありますか?

     

    池田:譲り受けた時点で、設備面は整っていましたね。我々が仕事をするメインハウスとか、農園との間に流れる川に掛けられた橋だとかも、かなりしっかりしたものが作られていました。

     

    農園自体、山の谷や傾斜のきついところに広がっているので、道の整備も相当大変だったと思いますが、約7キロに渡って道路も敷かれていました。

     

    井澤:日本の舗装された道路のようにきれいに整えられた状態ではないですが、普通に車が通るぶんにはまったく問題ないですよ。

     

    ――水道設備なども完備されていたんですか?

     

    池田:ありました。これも日本の水準から見ればまだまだですけど、周囲の農園に比べたら環境的にはかなり整っているほうだと思います。

     

    井澤:むしろ大きく変える必要があったのは、設備よりワーカーたちの意識ですね。といってもそれほど難しいことではなく、まずはシンプルに「農園をきれいにする」ということを教えています。

     

    ――そんなに汚かったんですか?

     

    汚いというか、ゴミの片づけがまったくできていなかったんです。

     

    たとえば、苗木の根って土といっしょにビニールで包んであるのですが、そのビニールがそこら辺に投げてあったり、土の中に埋まっていたりするんです。

     

    池田:道路工事しようと持ってきた土の中にゴミが混じっていたこともありました。こういのを全部きれいに回収するよう教えています。もちろん自分たちでも毎日農園を見て回り、目に付いたゴミは片っ端から拾い集めるようにしていますよ。

     

    井澤:雑草が増えすぎないよう草刈りなんかもこまめにやっています。きれいで働きやすく、コーヒーの生育にも良い環境を作る。そういう意識づけですね。

     

    文化の違いだと思うんですけど、これまではそういうところに無頓着だったんです。でも、それはゴミだから回収して、農園をきれいにしよう。環境をよくしようと教えているんです。

     

    ――土壌改善や豆の品質向上にも必要なことですね。

     

    池田:収穫時にきれいに熟した赤い実だけを選んでピックできるようトレーニングも進めています。ピッカーに任せていると、黄色や緑色の未熟な実まで無差別にピックしてしまうので。

     

    日頃の整理整頓やピックの精度を高め、それをルーチン化していく。幸いコスタリカの人たちはとても真面目で勤勉なので、それが何故必要なのか、そうすると何がいいのかを教えれば、きちんと実践してくれます。少しずつ日本式のやり方も取り入れてもらって、しっかり根付かせたいですね。

    もっとゲイシャが身近になるような取り組みを

    ――今後、お二人が中心になってコペイ農園を切り盛りしていくわけですが、新たな試みや目標などあれば教えてください。

     

    池田:まずは先ほどもお話しした、ピッカーの精度アップに向けたトレーニングを進めたいですね。

     

    現状でも豆自体が持つポテンシャルは非常に高いので、ピッカーの精度がさらに上がって、完熟した実だけを選別して収穫できるようになれば、コーヒーのクオリティも今以上に高くなると見込んでいます。

     

    井澤:ピッカーさんの精度に比例して給料がアップする、といった取り組みもあるので、ピッカーの技術向上はお互いにとってメリットが大きいんですよ。

     

    ――そうなると、販売価格も比例して高くなる可能性も?

     

    池田:実際その状況になってみないとわかりませんが、現状では経営者が変わったからといって価格を上げようといったことは考えていません。

     

    ですが、今の取り組みがうまく行けば、少なくともコスタリカのゲイシャの基準は大きく変わると思います。

     

    今、パナマのゲイシャはすごい高騰していますが、コスタリカは同等の品質でも価格が下がっている。これが徐々に上がっていくはずです。

     

    といっても、価格が上がるばかりでは一部の人にしか飲んでもらえないので、今後は価格レンジを広げる努力もしていきたいですね。とくにロープライスのところをもっと広げられるように、生産量の増加も視野に入れています。

     

    ――希少性もゲイシャの魅力のひとつだと思いますが、あえて増産ですか?

     

    はい、そうです。その理由はいたってシンプルで、「ゲイシャ=貴重な豆」という世間一般の評価を変えたいんです。

     

    今、世の中で主流となっているのは、カトゥーラやカトゥアイといった、いわゆるトラディショナルな豆ですよね。この風潮を覆して、もっとゲイシャを世に広めたい。多くの人に身近なコーヒーのひとつとして、ゲイシャを飲んでほしいと思っているんです。

     

    将来的にはゲイシャを文化として根付かせたい。そういう流れを作るための取り組みを最終的には作りたいと考えています。

     

    井澤:単純に、こんなにおいしいコーヒーがあるんだってことをもっと多くの人に知ってほしいし、飲んでもらいたいんですよね。そのためには、もっともっと縦にも横にも幅を広げなくちゃダメなんです。

     

    今以上にクオリティの高いものを目指す一方で、多様なニーズに合わせた気軽に飲めるグレードのものも作っていく。それぞれの価値観に合ったゲイシャを作って、より幅広い層の方々に楽しんでもらえるコーヒーにしたいと考えています。

     

    ――素晴らしいビジョンですね! では、最後に読者の皆さんへ一言お願いします。

     

    コペイ農園はすでにコスタリカでもナンバーワンの評価をいただいていて、実際にしっかりとした根拠も実績もある農園です。

     

    そこに我々、日本人の技術と日本式のやり方が入っていくわけですから、これから先、目指すところは当然、世界ナンバーワンだと思っています。

     

    池田:人も技術も改良、改善できるところはまだたくさんあると思うので、これからどんどん突き詰めて、チャレンジを重ねていって、もっともっとおいしいゲイシャをお届けできるように頑張ります。皆さん楽しみにしていてください。

     

     

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