アメリカでもっとも住みやすい都市のひとつに数えられるオレゴン州ポートランドですが、じつは「コーヒーシティ」の名前で知られており、おいしいコーヒーが飲める街として有名です。
本記事では、サードウェーブコーヒー発祥の地ともいわれるポートランドで人気を博している、スペシャルティコーヒー専門ロースタリー『Heart Coffee Roasters(ハート・コーヒー・ロースター)』をご紹介します。
目次
コーヒー好きを虜にする『Heart Coffee Roasters(ハート・コーヒー・ロースター)』
『Heart Coffee Roasters(ハート・コーヒー・ロースター)』は、10年以上に渡り、おいしいコーヒーに目がないポートランドの人々に愛されているロースタリーです。ここでは、『Heart Coffee Roasters(ハート・コーヒー・ロースター)』の歩みと特徴について詳しくご紹介します。
プロアスリートからの転身
創業者のヴィルさんはフィンランド出身で、スノーボードに打ち込める環境を探して、23歳のときにアメリカ西海岸オレゴン州にあるポートランドに移住します。プロのスノーボーダーとして活躍していた彼は、やがてコーヒーの世界に魅了されるようになり、自宅で焙煎したコーヒーを販売するようになりました。
こうして、2009年に『Heart Coffee Roasters(ハート・コーヒー・ロースター)』(以下、Heartで表記)を創業し、現在に至ります。創業当初は、アスリートと焙煎士の二足の草鞋を履いていたヴィルさんでしたが、ロースタリーの仕事が忙しくなるにつれ、焙煎士として生きる道を選ぶことに。じつは、ロースタリーよりも自分のカフェを持ちたかったというヴィルさん。あるインタビュー記事の中で、ロースタリーを開いた時のことを下記のように語っています。
趣味の域を超えて、執着と呼ぶにふさわしいくらいにはコーヒーの世界にハマり込んでしまったのです。 ある時、ふと「自分のカフェを開きたい」と思いました。自転車で移動しながらコーヒーを売ることも考えたんですが…。
いつかは自分でコーヒーを焙煎したいと思っていたので、焙煎機の購入をきっかけに、ロースタリーとしてコーヒービジネスに参入することに決めたんです。」
コーヒーは1日2杯?
焙煎士にもなれば、それこそ1日に何杯ものコーヒーを飲むのだろうと想像する人は少なくありません。新しいコーヒーをリリースするときには、何カ月もかけて試飲を繰り返すそうです。ヴィルさんによると、仕事以外で楽しみのためにコーヒーを飲むのは、1日2杯程度だといいます。
「朝、仕事を開始して午前9時に最初のカップを作ります。生産中のすべてのバッチを調べるため、コーヒーの味に問題がないかどうかを確認するんです。たいていの場合、お昼にエスプレッソを1杯飲んで、午後からもう1杯飲むくらいかな。ひと息つくために飲むコーヒーは2杯で十分。カッピングコーヒーを飲まないといけないからね。」
良いコーヒー生豆を厳選
コーヒービジネスの激戦区に創業したにもかかわらず、ヴィルさんのロースタリーは、すばらしいスペシャルティコーヒーを提供するロースタリーとして注目を浴びるようになりました。その人気の秘密は、コーヒー生豆にあります。アメリカ北西部では、コーヒーを加工することに心血を注ぐタイプのロースタリーが多いようです。
しかしHeartは、最高品質のコーヒー生豆を手に入れることに全力を尽くしています。本当に良いコーヒー生豆だけを厳選し、それらを焙煎し過ぎることなく、コーヒー本来の味を提供できるよう日々努めているのだそう。Heartは、過去12年間を通してケニア、エチオピア、コロンビア、ホンジュラス、メキシコ、ブラジル、グアテマラのコーヒー生産者たちと良い関係を築き上げてきました。信頼関係を強固なものにするため、コーヒー生産者たちのもとを直接訪れる手間を惜しみません。
コーヒーは種類ごとに「旬」が存在します。旬に収穫したコーヒーは何物にも代えられないほど貴重ですから、それらのコーヒーを購入するために品質管理を支援するのは当然のことです。そうすることで、すばらしい品質のコーヒー生豆を安定して手に入れることができます。
『Heart Coffee Roasters(ハート・コーヒー・ロースター)』のコーヒーについて
ポートランドの人々を魅了するHeartのコーヒーとは、一体どのようなコーヒーなのでしょうか?
ここでは、Heartのおすすめの商品をご紹介します。
甘みの強い「ETHIOPIA WURI」
エチオピアコーヒーの中でも、独特の強い甘みがある「WURI」はHeartの人気商品です。
このコーヒーを生産するのに、1,567人もの手が掛かりました。こちらのコーヒーはグァバとハチミツ、そしてライラックの花のような風味を持っており、約300g入りのバッグが21米ドルで販売されています。
コーヒーのサブスクリプションサービス
Heartが提供しているコーヒーのサブスクリプションサービスのお届け期間は、1週間ごと、2週間ごと、4週間ごとの3つの選択肢の中から選べます。
コーヒーの種類によって価格が異なり、季節のブレンド、ロースタリーのおすすめ、デカフェなどの種類から、お好きなコーヒーをチョイスすることが可能。
また、サブスクリプションサービス以外にも4つのコーヒーがボックスに詰められたお試しパックが販売されており、「ETHIOPIA WURI」など定番人気のコーヒーを試すことができます。
おいしさのピーク時に飲むために
焙煎したてが一番おいしいイメージがあるかもしれませんが、Heartのコーヒーのおいしさのピークは焙煎から1週間以内です。フィルター、エアロプレス、フレンチプレス等でコーヒーを淹れる場合には、焙煎日から3~7日ほど時間を置いたほうが良いでしょう。
エスプレッソの場合には、焙煎から1週間~2週間置いたコーヒーを使用することをおすすめします。
おいしいコーヒーを淹れるためにも、コーヒーと水の量の比率が適切なものであるかどうかを確認します。
水っぽいコーヒーになってしまうのであれば、コーヒーを細かく挽くこと、抽出時間を少し長くしてみること、使用するお湯の温度を少し高めにしてみるなどのことを試してください。
ロースタリーが教えるエアロプレスの抽出レシピ
Heartの公式サイトには、抽出器具ごとにふさわしい抽出レシピが掲載されています。おいしくコーヒーを淹れる自信がなくても、プロの抽出レシピを参考にしてみれば、納得のいく味のコーヒーが完成するのではないでしょうか。
ここでは、Heartおすすめのエアロプレスでコーヒーを淹れる方法をご紹介します。
エアロプレスとは?
エアロプレスとは、外でもエスプレッソのような濃いコーヒーを飲みたいという願いを叶えるため、2005年に開発されたコーヒー抽出器具のひとつです。ハンドドリップとフレンチプレスの良いとこ取りしたかのようなエアロプレスは、空気の圧力を利用してコーヒーを抽出する器具で、短い抽出時間でもすっきりしたコクのあるコーヒーを淹れることができます。
じつは、Heartの創業者であるヴィルさんも、エアロプレスで淹れたコーヒーのファンだそうですよ。
エアロプレスでコーヒーを淹れてみよう
まず専用のペーパーフィルターの上からお湯を注いですすぎ、紙の味を取り除きます。その後、ペーパーフィルターをセットしましょう。コーヒー豆18gをミルで挽きますが、このときフィルタードリップするよりも少し細かくなるように挽いてから、エアロプレス内に粉を入れます。
93~96℃のお湯270gをすばやく注ぎます。かき混ぜる棒でコーヒーをかき混ぜた後、プランジャーを置いて50秒蒸らします。蒸らし終わったらプランジャーを外し、5秒間コーヒーを混ぜましょう。再びプランジャーで蓋をして、1分45秒待ちます。時間になったら、プランジャーを外してコーヒーを5秒混ぜます。
プランジャーを戻して、注射器のように20秒間かけてゆっくり下までプレスしましょう。プレスするのが難しいのであれば、コーヒーの粉が細かすぎで、プレスするのが簡単な場合にはコーヒーを粗く挽きすぎたことになります。
『Heart Coffee Roasters(ハート・コーヒー・ロースター)』のカフェ
ポートランドには、Heartのカフェが3つあります。現在、どの店舗も午前8時~午後3時の営業で、コロナ禍のためテイクアウトのみ注文を受け付けているのだそう。通常営業再開は公式サイトでお知らせするとのことですが、機会があれば「コーヒーシティ」と名高いポートランドの人々が愛してやまない、Heartのコーヒーを飲んでみたいですね!
・WESTSIDE店
住所:1123 SW WASHINGTON ST, PORTLAND
電話番号:503-954-3645
・BURNSIDE店
住所:2211 E BURNSIDE ST, PORTLAND
電話番号:503-206-6602
・WOODSTOCK店
住所:5181 SE WOODSTOCK BLVD, PORTLAND
電話番号:503-208-2710
参照サイトURL:
https://www.heartroasters.com/