女性とカップ

日本の死亡原因第1位のがんは、世界では死亡原因第2位。世界の約6人に1人はがんが原因で亡くなっているといわれています。世界保健機関(WHO)は今後20年で新たながんの症例数が70%増加すると予測しており、がん対策は世界的に関心の高いテーマです。

 

これまで食事とがんの関係についてさまざまな研究が行われてきましたが、コーヒーはがんにどのような影響を与えるのでしょうか。

 

本記事では、女性特有のがんである子宮体がんについて解説し、子宮体がんの発生率にコーヒーがどのように影響するのかをご紹介します。

増加傾向にある子宮体がんとは?

目を閉じる女性

胎児を発育する場所である子宮は妊娠していないときには約6、7cmで、ニワトリの卵ひとつ分ほどの大きさの器官です。そのような小さい器官にできる子宮体がんとは、いったいどのようながんなのでしょうか?

 

肥満が子宮体がんの発生リスクを高める

婦人科がんと呼ばれるがんには子宮がんや卵巣がん、腹膜がんなどの種類があります。その中でも子宮がんには子宮頸がんと子宮体がんの2種類がありますが、がんができる部位だけではなく、がんが発生する原因もそれぞれ異なると考えられています。

 

子宮内膜がんとも呼ばれている子宮体がんは、子宮の奥にある子宮内膜に発生するがんのことです。ウィルス感染が発生原因のひとつとされている子宮頸がんとは違い、子宮体がんの発生原因は女性ホルモンが関係するタイプ(タイプ1)そうでないタイプ(タイプ2)に分けられます。

 

子宮体がん全体の約80%以上が、女性ホルモンが原因となっているタイプ1です。このタイプの子宮体がんは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが長期的に刺激を与えることによって発生するといわれています。発生原因が異なるタイプ1とタイプ2ですが、どちらも食生活をはじめとした生活習慣が大きく関係しており、肥満によって発生リスクが高まります。

 

日本では子宮頸がんにかかる女性が多いといわれていますが、欧米では子宮体がんにかかる女性のほうが多いのだとか。しかしながら、子宮体がんは食の欧米化が進んだ日本でも増加傾向にあります。

 

不正出血で発症がわかるケースが多い

40代から徐々に増えはじめ、閉経を迎えた50代・60代の女性に多く見られる子宮体がんは初期症状がほぼありません。月経とは無関係の不正出血やおりものの異常により明らかになる場合も。

 

国立がん研究センターが2017年のデータをもとにまとめた統計によると、子宮体がんにかかって死亡するおおよその確率(累積死亡リスク)は0.3%です。累積死亡リスクが2%の大腸がんや胃がんに比べると、子宮体がんで亡くなる確率ははるかに低いことがわかります。

 

とはいえ、子宮体がんもそのほかの部位にできるがんと同じく、リンパ液や血液の流れによって転移します。子宮体がんが転移しやすい部位として、免疫器官のひとつであるリンパ節をはじめ、膣や腹膜、さらには肺などの器官が挙げられます。

 

子宮体がんの予防にはコーヒーが効果的?

マグとコーヒー豆

婦人科の病気の中でも、女性ホルモンが関係している病気はコーヒーを控えたほうが良いとされています。ところが、国立がん研究センターの調査結果によると、コーヒーを飲むことで子宮体がんの予防効果を期待できることが明らかになりました。

 

コーヒーを飲む女性ほど子宮体がん発症リスクが低い

国立がん研究センターの予防研究グループは約15年間にわたって、全国の40歳から69歳の約54,000人の女性を対象に、コーヒーの摂取と子宮体がんの発症率の関係についての調査を行いました。調査対象の女性たちは、コーヒーを毎日3杯以上飲むグループと毎日1,2杯ほど飲むグループ、そして週に3,4日しかコーヒーを飲まないグループと週に2日以下しかコーヒーを摂取しないグループの4つに分けられました。

 

追跡調査では、週2日以下しかコーヒーを飲まないグループの子宮体がん発症リスクを1とすると、毎日コーヒーを3杯以上飲むグループの子宮体がん発症リスクはわずか0.38ほどという結果に。正確を期すために調査開始から5年以内に発症した子宮体がんを除いて調査が行われましたが、同様の結果となりました。この調査により、コーヒー摂取が多いグループほど子宮体がんの発症リスクが低くなることが判明しました。

 

コーヒーがインスリンの分泌に影響を与えることが関係か

なぜコーヒーに子宮体がんの発症リスクを低減する作用があるのか、いまのところ不明です。一説には、コーヒーにインスリン感受性改善の作用があるためではないかといわれています。コーヒーには子宮体がんのほかにも、インスリン感受性の低下が原因で発症する2型糖尿病を予防する効果があるといわれています。

 

がんと糖尿病は相関関係にあり、糖尿病を患っているとがんを発症するリスクが高いことがわかっています。つまり、コーヒーのインスリン感受性改善の作用が糖尿病を予防することで、がんの発症が抑えられると考えることができます。

 

また、コーヒーには自律神経を刺激し、脂肪の燃焼を促す効果があります。あくまでも仮説にすぎませんが、肥満が子宮体がん発症リスクを高めることを考えれば、肥満を予防するコーヒーが子宮体がんの発症リスクを下げるのは理にかなっているといえるのではないでしょうか。

 

自分の体と向き合うことが大切

夕日と女性

大腸がんや胃がんほどではないものの、増加傾向にある子宮体がん。

 

生活習慣が発症に影響するため、女性なら誰もが発症する可能性があります。女性ホルモンが関係する婦人病ではカフェイン摂取に気をつける必要がありますが、子宮体がんの予防にはカフェイン入りのコーヒーが効果を発揮します。しかし、コーヒーは万能薬ではありません。

 

自分の体と向き合って生活習慣を見直すと同時に、病気の早期発見・早期治療を心がけるようにしたいですね。

 

 

参照サイト:

https://ganjoho.jp/

https://www.fsc.go.jp/

http://www.do-yukai.com/

https://epi.ncc.go.jp/

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