【前編】では代表的なコーヒードリッパー5種類の形状の違いやそれぞれの特色についてご紹介しました。
→ コーヒードリッパーはどれがオススメ? 人気の5種を比較してみました!【前編】
引き続き【後編】では、各コーヒードリッパーの使い勝手の部分や実際に抽出したコーヒーの味わいについて、少し掘り下げていきましょう。
目次
使い勝手、機能面からドリッパーの性能をチェック
使用するのは前回同様、こちらのドリッパーたちです。
① HARIO V60透過ドリッパー(ハリオ式)
② 珈琲サイフォン コーノ名門フィルター(コーノ式)
③ カリタ 102D(カリタ式)
④ メリタ アロマフィルター1×2(メリタ式)
⑤ カリタ ウェーブドリッパー185(ウェーブ式)
まずは、各ドリッパーの湯だまりのよさ(滞留時間の長さ)について比べてみましょう。
水の滞留時間でドリッパーの特性を検証
比較の方法は至ってシンプルです。
それぞれのドリッパーにペーパーフィルターをセットし、200ccの水を投入。その水が落ち切るまでの時間を計測しました。
その結果がこちら。それぞれ数回の計測を行い、結果をグラフ化してみました。
平均時間でもっとも速かったコーノ式と、もっとも時間のかかったメリタ式では、なんと4倍近い差が! 水だけでも滞留時間にこれほどの差が出るのは驚きですね。
また、水の落ちる時間が短いドリッパーほど、水の注ぎ方によって滞留時間が変化しやすいという傾向も見られました。
つまり、滞留時間の短いドリッパーはコーヒー豆の特徴や状態、自分の好みに合わせて淹れ方を工夫できる一方で、そもそもハンドドリップに慣れていないと毎回味が安定しない原因にもなりうる、というわけです。
意外と知らない抽出方法の違い
ペーパードリップでのコーヒーの淹れ方は、最初に少量のお湯を注いでコーヒー粉を蒸らしてから、分量のお湯を数回に分けて入れる。というのが一般的です。
しかし、今回取り上げたドリッパーのうち、コーノ式の『コーノ名門フィルター』は、「点滴法」と呼ばれるオリジナルの抽出方法が推奨されています。
この「点滴法」は、名前のとおり「点滴」のようにポタポタとお湯を落として抽出する方法。
「蒸らし」の工程がなく、ドリッパーの中心めがけてポタポタとお湯を落としていき、コーヒー抽出液がサーバーに落ち始めたら、細い糸状のお湯を静かに回し入れる、という独特の方法です。
この「点滴」のようにお湯を落とすことがとても難しく、専用のドリップポットも売られているほどで、ペーパードリップをこれから始める人には、少し敷居の高い抽出方法といえるでしょう。
飲み比べで味の違いをチェック
では、実際コーヒーの味にどれほどの違いが出るのか。それぞれのドリッパーで淹れたコーヒーをcafend編集スタッフ数名で飲み比べてみました。
そのときにあがっていた感想をまとめたものがこちら。
今回は比較的安価なブレンド豆を使用しましたが、それでも明確にドリッパーごとの味わいの違いを感じることができました。
なお、スタッフ間の人気は割れましたが、コーノ式とウェーブ式を推す声がやや優勢で、「口に合う」「おいしい」「飲みやすい」といった意見が多く聞かれました。
好みや腕前に合わせてドリッパーを選ぼう
コーヒー好きならひとつは持っておきたいドリッパー。今回は代表的な5種類について、その特長や機能、味の違いなどをご紹介してきました。
それぞれ淹れやすさやコーヒーの味の傾向なども異なりますので、今回の記事を参考に、ぜひ自分に合ったドリッパーを探してみてください。