アメリカのスーパーマーケットには、大手コーヒー製造企業のコーヒーがずらりと棚に並んでいます。

 

その中のひとつに数えられる『Peet‘s Coffee(ピーツコーヒー)』は、じつはアメリカのコーヒー史に名を刻むにふさわしいコーヒーショップです。

 

本記事では、アメリカでは知らない人はいないと言われるほど有名な『Peet‘s Coffee(ピーツコーヒー)』をご紹介します。

クラフトコーヒーの元祖『Peet‘s Coffee(ピーツコーヒー)』

1966年創業のピーツコーヒーは、アメリカでは「クラフトコーヒーの元祖」として知られています。

 

日本国内の知名度はそれほど高くないピーツコーヒーですが、いったいどのような歴史を持つコーヒーショップなのでしょうか?

 

世界一まずかった?! アメリカのコーヒー

ピーツコーヒーの創業者であるアルフレッド・ピート(Alfred Peet)氏は、オランダ・北ホラント州にある都市アルクマールでコーヒーと紅茶の会社を営んでいた両親のもとに生まれ、父親からコーヒービジネスについて多くのことを学びました。

 

大学進学を断念したことをきっかけにロンドンに移住した彼は、コーヒーと紅茶の輸入業をはじめます。

 

1950年代には、インドネシアで紅茶の事業に従事し、そこで重厚なコクが特徴の深煎りコーヒー豆と運命的な出会いを果たしました。

 

この出会いこそが、後に誕生するピーツコーヒーに大きな影響を与えます。

 

その後、コーヒー輸入業をアメリカではじめようとカリフォルニアに赴いたピート氏でしたが、アメリカで飲んだコーヒーの味にショックを受けることに。

 

「I came to the richest country in the world, so why are they drinking the lousiest coffee? (世界一豊かな国に来たっていうのに、どうして彼らは一番まずいコーヒーを飲んでいるんだろう?)」と不憫に思った彼はコーヒー輸入業を辞め、アメリカの人々に『おいしいコーヒー』を飲ませるべく、コーヒー豆の販売業をスタートさせることを決意しました。

 

こうして1966年、カリフォルニア州バークレーのカリフォルニア大学にほど近い、労働者階級の人々が住む地域に、『Peet’s Coffee, Tea & Spices(ピーツコーヒー・ティー&スパイス)』を開きます。

 

ちなみに、完成した自家焙煎コーヒーを母親にプレゼントしたところ、「濃すぎる! 」と味の改善を要求されたのだとか。

 

しかし、コーヒーの焙煎に関してゆるぎない自信を持つピート氏は、母親の意見にはまったく耳を貸さず、販売に踏み切ります。

 

高品質のアラビカ種のコーヒー豆のみを使用し、より濃く、より甘くローストされたピート氏自慢のコーヒーは、瞬く間に人気となりました。

 

Peet‘s Coffeeはスターバックスの大先輩

アメリカで大成功を収めたピーツコーヒーですが、じつはスターバックスと深い関係にあります。

 

スターバックスの創業者であるゴードン・バウカー (Gordon Bowker)氏、ジェリー・ボールドウィン (Jerry Baldwin)氏、ゼブ・シーグル (Zev Seigl)氏ら3人は、かつてピート氏のもとで働いていたことがあります。

 

コーヒーの知識や経営に関することなど、コーヒービジネスの基本をピーツコーヒーで学んだ彼らは、1971年に自分たちのコーヒーショップをオープンさせました。

 

オープン当初は、コーヒー豆をピーツコーヒーから調達していたそうで、これがピーツコーヒーがスターバックスの大先輩、もしくは師匠と呼ばれる所以です。

 

アメリカで高い市場シェアを誇るピーツコーヒーですが、いまや世界中で人気のスターバックスに比べると、後れを取っているように思えるかもしれません。

 

日本を例に挙げると、スターバックスは日本に1,696 店舗(2022年3月時点)もあるのに対し、ピーツコーヒーはひとつも店舗がない状態です。

 

じつはアメリカ本土でもピーツコーヒーはごく一部の州にしか展開しておらず、スターバックスに比べるとその拡大規模はわずかであると言わざるを得ません。

 

なにかと比べられることの多いスターバックスとピーツコーヒーですが、経営戦略が異なる企業を比べるのはナンセンスでしょう。

 

スターバックスを世界的なコーヒーショップへ押し上げた立役者である元CEOのハワード・シュルツ(Howard Schultz)氏が提唱したように、スターバックスが自宅や職場以外の「第三の場所」であるとするなら、ピーツコーヒーはコーヒー愛好家にとっての「セーフガード」に例えられます。

 

1980年代のアメリカでは低品質のコーヒーばかりが市場に出回っており、泥水のようなコーヒーにしかありつけないためか、人々のコーヒー離れが加速しました。そんな中にあって、ピーツコーヒーはリッチローストな高品質のコーヒーを供給し続けます。

 

こうしてピーツコーヒーは、スペシャルティコーヒーの黎明期以前からすばらしいコーヒーを提供し、アメリカで「クラフトコーヒーの元祖」としてその名を広く知られるようになりました。

 

パンデミック以降はオンライン販売に注力

ピーツコーヒーでは、創業当初から「to bring people real good coffee(本物のおいしいコーヒーを提供する)」をモットーに、カリフォルニアにある焙煎工場において小さなバッチで生産が続けられてきました。

 

コーヒーの鮮度が味に大きく影響することを考慮し、ピーツコーヒーはすべて注文を受けてから焙煎を開始することにこだわっています。

 

アメリカのスーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売されているコーヒーのパッケージ中央には、焙煎した日付が印刷されたラベルが貼られており、新鮮なコーヒーが消費者の手元に届くよう配慮されています。

 

ピーツコーヒーのコーヒーは、直営店のコーヒーショップやスーパーマーケットのほか、アマゾンやコストコオンラインで購入可能です。

 

全世界がパンデミックに襲われたとき、デジタル変革を進めていたピーツコーヒーでは、これらeコマースチャネルでの販売数が飛躍的に伸びたといいます。

 

これまで売上の約70%は、200店舗ほどある直営店のコーヒーショップからもたらされていましたが、パンデミック以降は平均週 8,000 件だったオンライン注文が週 24,000 件に急増し、eコマース経由の売上が逆転しました。

Peet‘s Coffeeのおすすめコーヒー

ピーツコーヒーといえば、メジャーディッカーソンブレンドが有名です。

 

もっとも愛されているこのブレンドコーヒーは、1969年に元陸軍軍曹のキー・ディッカーソン氏のアイデアをもとに誕生しました。

 

しかし、「メジャーディッカーソン以外のコーヒーを飲んでみたい」と考えている方におすすめのコーヒーをご紹介します。

2022年限定販売『ANNIVERSARY BLEND 2022』

ピーツコーヒーの2022年限定となる「アニバーサリー・ブレンド」は、熟したチェリーとチョコレートの風味が特徴のコロンビアと、ジューシーなプラムとフローラルな香りが特徴のルワンダのコーヒーをブレントしました。ダークローストでフルボディのこのブレンドは、フレンチプレスで淹れるとさらにおいしく感じられるかもしれません。

 

どっしり濃厚なコクの『ARABIAN MOCHA-JAVA』

アラビア半島の南西に位置するイエメンとインドネシア・ジャワ島のコーヒーをブレンドした「アラビアン・モカ・ジャワ」。ほろ苦いチョコレートとカルダモンが合わさった独特の風味を持つこのブレンドは、ピーツコーヒーの定番人気商品となっています。こちらも「アニバーサリー・ブレンド2022」と同じようにフルボディでコクのあるコーヒーですから、フレンチプレスで抽出するのがおすすめです。

 

華やかで甘い『GUATEMALA SAN SEBASTIÁN』

「グアテマラ・サン・セバスティアン」は、ピーツコーヒーと40年以上も長い付き合いを持つグアテマラ・アンティグアの農園で作られたコーヒー豆を使用しています。3つの火山に囲まれたアンティグア渓谷は、世界最高級と呼び名の高いコーヒー生産地です。乾燥した気候がコーヒーノキにストレスを与え、甘くて複雑な風味を持つコーヒーチェリーを生み出します。

 

ピーツコーヒーは、最高級コーヒーの生産地として有名なアンティグアの「フィンカ・サン・セバスティアン(Finca San Sebastián)」農園のコーヒーのみを使用し、優雅なアロマと洗練された味わいを併せ持つシングルオリジンコーヒーを完成させました。

 

【Peet‘s Coffeeに学ぶ】フレンチプレスを使ったコーヒーの淹れ方

フレンチプレスは、フルボディのコーヒーを淹れるのに適した器具です。

 

フレンチプレスを使えば、深煎りコーヒーの豊かで複雑な風味を上手に引き出すことができるでしょう。

必要なアイテムを揃えよう

フレンチプレスでコーヒーを淹れるときには、すぐ手に取れるように、使用するアイテムを揃えてからコーヒーを淹れはじめるようにしましょう。

 

必要なものはフレンチプレスのほか、コーヒー豆、ケトル、スケール、スプーン、コーヒーミル、タイマーの7つ道具です。

コーヒーを淹れるときの手順とコツ

① 最初に、200℃のお湯を用意しましょう。
② コーヒー豆45gを塩つぶほどの大きさになるまでコーヒーミルで挽きます。
③ お湯で中を温めておいたフレンチプレスにコーヒーの粉を入れてから、4分後にアラームが鳴るようにタイマーをセットします。
④ フレンチプレスにお湯を半分ほど注いでから、ハンドルを持って中身を混ぜ合わせるように揺らします。その後、30秒蒸らしましょう。
⑤ フレンチプレスに残りのお湯を注ぎ、プランジャーを途中まで軽く押し沈め、引き上げます。
⑥ タイマーが鳴ったら、今度はプランジャーを底まで押し沈めます。
⑦ 完成。カップに注いで、完璧に淹れた1杯を楽しみましょう。

 

ピーツコーヒーの公式サイトに、フレンチプレスを使ったコーヒーの淹れ方の動画が載せられています。

 

詳しくはそちらをご覧ください。

 

 

参照サイトURL:

https://www.peets.com/

https://www.labbrand.com/

 

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