「エスプレッソの作り方って難しそう?」「家庭でも本格的なエスプレッソは作れるの?」「エスプレッソマシンは必須なの?」こんな疑問はありませんか?
エスプレッソは、濃厚な味わいと香りを楽しむための重要なコーヒーの抽出方法です。
しかし、専用マシンがなければ作れないというわけではありません。
エスプレッソを成功させるポイントは、正しい知識と工夫にあります。
そこで今回、CAFENDでは、エスプレッソの基本から家庭での作り方、さらにはアレンジメニューまで幅広く紹介します。
また、マシンなしでも楽しめる「なんちゃってエスプレッソ」の作り方も解説していきますので、自宅でのコーヒーライフを充実させたい方は必見です。
目次
「エスプレッソ」とは
イタリア発祥で、現在は世界中で親しまれているエスプレッソ。その名称は、専用機器で高圧をかけ瞬時に抽出する方法から、「エクスプレス(急行)」が変化したものです。
従来は抽出時間の短さを補うため、深煎りの豆を使用するのが一般的でした。
しかし近年では、豆本来の魅力を引き出すことに重点を置く店舗が増加しています。
エスプレッソの特徴は、圧力下でお湯とコーヒーオイルを乳化させ、風味や香りを最大限に引き出す点です。
さらに、独自の抽出法から生まれる「クレマ」と呼ばれる泡層も、おいしさの重要な要素となっています。
1杯分は約30mlと少量ですが、この凝縮された液体には、濃厚な味わいと豊かな舌触りが詰まっています。この点こそが、エスプレッソの魅力です。
エスプレッソとドリップコーヒーの違い
エスプレッソは高圧抽出により、コーヒーエッセンスのような濃密な風味を生み出します。
上質なエスプレッソは、蜂蜜に似た粘性を持つ液体として抽出されます。
イタリアの伝統的な楽しみ方では、多めの砂糖を加え、数口で飲み干します。カップ底に残った砂糖も、スプーンですくって味わうのが習わしです。
ドリップコーヒーはお湯とコーヒー粉を接触させて成分を抽出し、フィルターで粉を取り除きます。
器具やフィルターの材質により抽出方法は様々で、どのように、どれくらいの時間をかけて成分を引き出すかが味わいを左右します。
エスプレッソと比べると、ドリップコーヒーは透明感のある外観で、穏やかでまろやかな味わいが特徴的です。抽出法の違いが、個性的な味わいを生み出します。
エスプレッソを淹れるための必要な器具
直火式タイプ(マキネッタ)
イタリアの家庭では、マキネッタと呼ばれるエスプレッソメーカーが一般的です。
特に、ビアレッティ社の「モカ」シリーズが有名で、イタリアのほぼ全家庭に1台あるとされています。シンプルな構造で耐久性が高く、世代を超えて使用されることもあります。
内部にコーヒーオイルが馴染むことで、独特の風味が生まれるのも特徴です。
「モカ」は、IH対応モデルや五徳用補助リングも販売されており、日本の家庭でも問題なく使用できます。
使用方法は簡単です。本体を分解し、下部タンクに水を、中間のフィルターにコーヒー粉を入れ、組み立てて加熱するだけです。
携帯性も高く、自宅やアウトドアでも重宝します。
電動式タイプ
家庭用でありながら本格的な外観を持つ電動式タイプは、業務用マシンをコンパクトにしたものです。
直火式と比べて圧力をかけた抽出が可能で、薄めながらもクレマを作ることができます。
家庭用電動式マシンは、使用するコーヒーの形態によって3タイプに分かれます。
- 粉を金属フィルターに詰めるタイプ
- ポッドをセットするタイプ
- 両方に対応するタイプ
自分好みの味を追求したい方は1のタイプとミルを、手軽さを求める方は2か3のタイプがおすすめです。
エスプレッソ用の極細挽きコーヒーは劣化が早いので淹れるたびに挽くか
個包装のポッドの使用がおすすめです!
高機能タイプからカプセルタイプまで
家庭用エスプレッソ器具は様々です。
業務用並みの圧力を持つ高機能タイプから、誰でも簡単に使えるカプセルタイプまで幅広く存在します。
使用頻度、目的、作りたいメニューなどを考慮して、最適な器具を選ぶことが大切です。
【初心者向け】本格的なエスプレッソの作り方
エスプレッソ抽出の鍵は、コーヒー粉の詰め方と圧縮にあります。
初心者でもできる手順を紹介します。
1.マシンの準備
専用タンクに水を入れ、電源を入れます。
2.コーヒー粉の準備
豆から挽く場合は、この段階で粉にします。
3.ホルダーへの充填
2カップ分を一度に抽出する場合、1杯あたり6~9gの粉を使用します。
- ドーシング:粉をフィルターに入れる
- レベリング:粉の表面を均す
- タンピング:専用器具で粉を押し固める
これらの工程は、プロのバリスタも必ず行う重要なプロセスです。フィルター内の粉密度を均一にし、抽出時にうまみを効率よく引き出すために不可欠です。
4.抽出
フィルターをマシンにセットし、抽出を開始します。
適切に準備できていれば、蜂蜜のような粘性のあるコーヒー液が流れ出ます。
5.完成
1カップあたり約30ml抽出したら止めます。
エスプレッソ用の小さなカップは「デミタス」と呼ばれます。
その愛らしさから、コレクションの対象にもなります。
また、エスプレッソ以外にも、シロップやディップの器としても活用できる多目的なアイテムです。
【マシンなし】自宅で簡単にできるエスプレッソ風コーヒーの淹れ方
本格的なエスプレッソはマシンを使って淹れるため、自宅では難しいのが残念な点です。
そこでおすすめなのが、マシンを使わないエスプレッソ風コーヒーです。
エスプレッソのような濃縮された風味を完全に再現することは難しいですが、自宅にある手軽なアイテムで作ることが出来ます。
ここでは、「なんちゃってエスプレッソ」を淹れる3つの方法を紹介します。
「インスタントコーヒー」を使ったエスプレッソの作り方
もっとも簡単なのが、インスタントコーヒーを使って淹れる方法です。
上手に淹れられればクレマも立って、見た目にも本格的な「なんちゃってエスプレッソ」になりますよ。
- 2〜3gのインスタントコーヒーをカップに入れます。
- 60℃のお湯30mlをゆっくりと注ぎます。
ポイントはお湯の温度です!
熱すぎると上手にクレマが立たないので注意しましょう。
「フレンチプレス」を使ったエスプレッソの作り方
フレンチプレスで淹れたコーヒーは、豆の油分まで抽出されるため、まろやかな風味が特徴です。
いつもより少し濃いめに淹れれば、エスプレッソアレンジにもぴったりです。
- 中挽き粉10gにお湯を120ml注ぎます。
- 4分後、プランジャーを押し下げ、カップに注ぎます。
フレンチプレスで淹れる際のお湯の温度は、沸かしたてがベストです!
コーヒーのフレーバーをしっかりと抽出してくれます。
「ドリップコーヒー」を使ったエスプレッソの作り方
定番のハンドドリップでも、「なんちゃってエスプレッソ」を淹れることができます。
- 細挽きもしくは中挽きの粉を10g、フィルターにセットします。
- お湯を少し注ぎ、30秒ほど蒸らします。
- 100mlのお湯を数回に分けてゆっくりと注ぎます。
濃く抽出しようと、コーヒーの粉を多くしすぎると、えぐみが出ておいしくなくなってしまいます。
いつもの量の1.5倍を目安にしましょう。
エスプレッソを使った簡単アレンジレシピの作り方
エスプレッソを使ったアレンジメニューがたくさんあります。
ここでは、5つのレシピを紹介します。ぜひ、お気に入りのメニューに加えてくださいね。
- アフォガート
- カフェラテ
- マロッキーノ
- 麹甘酒ラテ
- キャラメルコーヒーブリュレ
アフォガート
エスプレッソで、ぜひ試したいのがアフォガートです。
アフォガートとは、バニラアイスにエスプレッソを注いだ大人のスイーツです。甘さと苦味、冷たさと温かさ、白と黒など、さまざまなコントラストを楽しめる一品です。
- エスプレッソ 30ml
- アイスクリーム 100g
- エスプレッソを淹れます。
- 別のカップにアイスクリームを盛り付けます。
- アイスクリームを入れたカップにエスプレッソを注ぎます。
アレンジ例
- アイスの下にコーンフレークやグラノーラ、ナッツを敷く
- メープルシロップやはちみつをかける
そのままでも十分おいしいですが、さまざまなアレンジも試してみましょう。
アイデア次第でおもてなしスイーツとしても活躍してくれます。
カフェラテ
定番のカフェラテなら、ミルクを使って簡単に作れます。
【ホットで楽しみたい場合】
- エスプレッソ 60ml
- 牛乳 240ml
- カップにエスプレッソを淹れます。
- あたためた牛乳を市販のミルクフォーマーなどで泡立てます。
- エスプレッソの上からあたたまったミルク(スチームミルク)を注ぎます。
- 上に泡立てたミルク(フォームミルク)をふんわり乗せればできあがりです。
バリエーション
- チョコシロップを加えてホイップクリームを乗せればカフェモカになります。
- フォームミルクをたっぷり使えば、カプチーノになります。
- ミルクを豆乳に変えれば、ヘルシーなソイラテになります。
【アイスで楽しみたい場合】
- エスプレッソ 40ml
- 牛乳 100ml
- 氷 適量
- スプレッソを淹れます。
- グラスの中に氷と牛乳を注ぎます。
- グラスを斜めにしてエスプレッソを注ぎます。
白と茶色のきれいな二層に分かれ、見た目にも楽しめます。
お好みでアレンジできるのも、おうちカフェならではの楽しみですね。
マロッキーノ
- エスプレッソ 30ml
- ミルクフォーム 50ml
- チョコレート 適量
- ココアパウダー 適量
- カップにエスプレッソを抽出します。
- 別のカップにチョコレートを入れます。
- ミルクフォームを作り、2のカップに注ぎます。
- 3にエスプレッソをそっと注ぎ、ココアパウダーを振りかけて完成です。
麹甘酒ラテ
- 麹甘酒 80ml
- 牛乳 100ml
- エスプレッソ 30ml
- シロップ お好み
- 氷 適量
- エスプレッソを淹れて、冷まします。
- グラスに麹甘酒を注ぎ、氷を入れます。
- 牛乳を氷に当てながらゆっくり注ぎます。
- エスプレッソを氷に当てながら注ぎ、好みでシロップを加えて完成です。
キャラメルコーヒーブリュレ
- 粉ゼラチン 小さじ1
- 水 大さじ1
- 生クリーム 200ml
- エスプレッソ 30ml
キャラメルソース
- グラニュー糖 100g
- 水 50g
- 粉ゼラチンを水で溶かします。
- 生クリームとエスプレッソを加熱し、砂糖を加えて混ぜます。
- 沸騰直前で泡立てない程度に混ぜ、火を止めます。
- ゼラチンを加えて混ぜ、火から下ろします。
- キャラメルソースを作り、大さじ1杯を器に入れます。
- 4の混合液を注ぎます。
- 冷やして完成です。
まとめ
本記事では、エスプレッソの作り方について、詳しく解説しました。
最後に以下でおさらいをしましょう。
- エスプレッソは、圧力をかけて短時間で抽出するイタリア生まれのコーヒー
- 特徴
-
- 濃厚な味わいと香り
- クレマ(泡の層)の存在
- 一杯分は約30mlと少量
- エスプレッソマシンの種類
-
- 直火式
- 電動式
- カプセルタイプ
- 家庭での楽しみ方
- マシンを使った本格的な抽出
- マシンなしの「なんちゃってエスプレッソ」の作り方
・インスタントコーヒー
・フレンチプレス
・ドリップコーヒー
- アレンジメニュー
-
- アフォガート(バニラアイスにエスプレッソを注いだデザート)
- カフェラテ
- マロッキーノ
- 麹甘酒ラテ
- キャラメルコーヒーブリュレ
エスプレッソは、専用マシンがなくても自宅で楽しめます。
さまざまなアレンジメニューで、おうちカフェを充実させましょう。