自宅でのコーヒータイムに、音楽をかける人もいらっしゃるのではないでしょうか? 心地良い音楽とコーヒーがあれば、それだけでお部屋がカフェに早変わりします。クラシックやジャズも素敵ですが、これからの季節には聴くだけでさわやかな気持ちになれるボサノヴァがおすすめです。
本記事では、コーヒータイムのお供にぴったりなボサノヴァのおすすめアーティストと曲をご紹介します。
関連記事:相性バッチリ! コーヒーを飲みながら聴きたいジャズ10選
関連記事:偉業を成し遂げたのはコーヒーのおかげ?フランス皇帝ナポレオンが愛したコーヒー
目次
ラテン音楽とはひと味違った魅力のボサノヴァ
1958年にブラジルの首都リオ・デ・ジャネイロで生まれたボサノヴァは、ラテン音楽であるサンバとジャズを融合させた新しい音楽として一世を風靡します。ですが、ボサノヴァの生みの親であるジョアン・ジルベルト自身は、「ボサノヴァ(新しい傾向)」を歌っているとは少しも思っておらず、自分はサンバを歌っていると常に主張していたというから面白いですね。
リズミカルなギターの音色にのって、ポルトガル語でぼそぼそと語りかけるように歌われるボサノヴァは、どこかノスタルジックさを感じさせる音楽です。実際、現在のブラジルっ子たちにとってボサノヴァは、父親や母親たちが若かりし日に流行ったひと昔前の音楽として認識されています。
ボサノヴァの本場の人たちからすればちょっと古臭い音楽かもしれませんが、ボサノヴァがいまでも良い音楽であることには変わりありません。ボサノヴァは中南米のスペイン語圏で盛んなラテン音楽に比べると気負わずに聴くことができ、聴くだけで清涼感をもたらしてくれる貴重な音楽だといえるでしょう。
関連記事:【カフェ男】第7回:新宿fragile(フラジャイル)でサブカル系イケメン店員を発見!
関連記事:偉業の影にコーヒーあり。コーヒーからインスピレーションを得ていた偉大な音楽家
まるで一服の清涼剤のよう!コーヒーに合うボサノヴァのおすすめ曲7選
ボサノヴァを聴いてみたいけどどの曲を聴けばいいのかわからないという人のために、おすすめのアーティストと曲をご紹介します。
アストラッド・ジルベルト「イパネマの娘」
ボサノヴァの創始者ジョアン・ジルベルトの元妻で、ボサノヴァ歌手のアストラッド・ジルベルトの気だるげな歌声は、物憂げな午後のコーヒータイムにしっくりはまるはず。アストラッドが歌った英語バージョンの「イパネマの娘」は世界的にヒットし、ジョアン・ジルベルトと離婚した後もボサノヴァの女王として数々の英語で歌ったボサノヴァをリリースしました。
ミルトン・ナシメント「Travessia」
「ブラジルの声」の異名を持つミルトン・ナシメントの歌声は、内向的な彼の性格を表すかのように繊細かつノスタルジック。彼の声は美しい音色を発する楽器のように魅力的で、いつまでも聴いていたくなるほどです。コーヒーを片手に音楽に対する愛情と優しさにあふれた彼の歌を聴けば、心豊かな午後を過ごすことができるかもしれませんね。
ナラ・レオン「Wave」
ボサノヴァはウィスパーボイスで歌われるのが常ですが、このスタイルはナラ・レオンのアパートで誕生しました。ナラ・レオンのアパートの隣人たちが苦情をいってこなければ、ボサノヴァ特有のささやくような歌い方は生まれなかったのだとか。ボサノヴァの女神として知られるナラ・レオンののびやかな歌声は、心身ともにリラックスさせてくれるでしょう。
セルジオ・メンデス「マシュ・ケ・ナダ」
ボサノヴァを世界に広めた人物のひとりであるセルジオ・メンデス。彼は世界的なヒット曲やビートルズの曲をアレンジし、ボサノヴァをよりポップで親しみやすい音楽として紹介しました。ジョルジ・ベン作曲の「マシュ・ケ・ナダ」は、1960年代にブラジルのサンパウロで流行ったスラングで、日本語に訳すと「なんてこった」という意味になります。
べべウ・ジルベルト「Samba Da Bencao」
ジョアン・ジルベルトと歌手ミウシャの娘であるべべウ・ジルベルト。現在のブラジル音楽界を代表するシンガーに成長した彼女の歌は、まさにチルアウトしたいときにぴったり。洗練された楽曲にのった甘すぎないべべウ・ジルベルトの歌声は、頭をスッキリさせてくれるダブルショットのカプチーノのようです。
トム・ジョビン「A Felicidade」
ボサノヴァという音楽ジャンルを堪能したいなら、ぜひトム・ジョビンののびやかな歌声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。ボサノヴァの創始者のひとりであるアントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)の「A Felicidade」は、リオのカーニバルに参加するために一生懸命に働くブラジルの人々のことを歌っており、幸せな気分に浸れる一曲です。
エリス・レジーナ「Aguas De Marco」
エリス・レジーナは、1960年から1970年代にかけてブラジルでもっとも人気があった女性シンガーです。36歳という若さでこの世を去った彼女ですが、そのハートフルな歌声は現在も多くのボサノヴァファンを魅了してやみません。彼女の歌を聴きながら午後に一杯のコーヒーを飲めば、気だるい午後を乗り越える力を得られるかもしれませんね。
懐かしさを感じさせるボサノヴァとコーヒーで心落ち着く午後を
コーヒーの香りに心をくつろがせる効果があるように、音楽にも心のこりをほぐしてくれる効果があります。ゆったりとしたリズムと耳元でささやくような歌声が特徴のボサノヴァを聴けば、疲れた心が癒されるかも。
ストレスフルな生活を送っているなら、なおのこと。コーヒータイムのような、日々の生活の中でのささやかな楽しみが重要なものになるでしょう。「最近、疲れが取れないな」というのであれば、自分のために特別な一杯を淹れて、ボサノヴァに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。