誰もがかかる恐れのある脱水症ですが、症状がひどくなると単なる水分不足では済まされないことも。
脱水症といえば夏の病気だと思われがちですが、冬の時期にも注意したい病気です。本記事では、冬も脱水症になってしまう理由と、コーヒーが脱水状態を悪化させるかどうかについてご紹介します。
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目次
冬の時期にも起こる脱水症
夏の時期に起こりやすいイメージがある脱水症ですが、じつは冬の時期にも注意する必要があります。
冬は脱水症に気づきにくい
脱水症とは、体内の水分量が不足したときに起こります。汗を掻きにくい冬の時期は、脱水症になっていても気づきにくく、自覚がない場合が多いもの。しかし、夏のように汗を掻いていなくても、わたしたちの体の水分は着実に失われています。水分が失われている自覚がないからこそ、気づいたときには脱水症がかなり悪化していることも少なくないようです。
中には、冬の時期には頻繁にトイレに行きたくなくて、あえて水分補給を控えてしまう人もいらっしゃるでしょう。寒くなると、トイレが近くなる人も多いのではないでしょうか。これは、寒さが交感神経を刺激して排尿が促されること、さらに体の末端の血管が寒さで縮むと血液量が増えるので、体内の水分量を減らそうとする体内機能が働くから、などの理由があげられます。
のどの渇きを感じにくいからにしろ、あえて水分補給をしないにしろ、冬でも夏のように脱水症になる恐れがあります。暖房で温まった室内にいるのであればなおのこと、体の水分は奪われてしまうので、脱水症には注意する必要があるでしょう。
脱水症のサインとは
わたしたちの体内の約60%は水分です。汗や尿となって体外へ排出される水分もありますが、食べ物や飲み物から水分を摂取することで、いつも一定の水分量が保たれています。1日に必要な水分量は個人差があり、性別や年齢、身体活動レベルで変わってくるのだそう。ですが、体内の水分量が減ってしまうと、肌だけではなく、脳や胃腸など体のあらゆる部分に不調が現れるようになります。
脱水症のサインとしては、唇や肌が乾燥するほか、口の中が粘って乾くようになったり、めまいや立ちくらみを起こしたり、だるさを感じたりします。また、食欲低下ややる気がなくなったり、頭痛や吐き気をもよおしたりする場合も。
脱水症を防ぐには、こまめに水分補給をすることが大切です。のどの渇きを感じていない場合でも、意識的に水分を摂るようにしましょう。また、室内であれば加湿器を使用するなどして、最適な湿度(湿度50~60%ほど)を保つことなどが役立つでしょう。
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コーヒーを飲むと脱水症になる?
利尿作用があるといわれているコーヒーですが、冬にコーヒーを飲むと脱水症になりやすくなるのでしょうか?
結論、1日数杯程度なら問題なし
コーヒーに含まれているカフェインは、交感神経を刺激します。コーヒーを飲んで交感神経が優位になると、体内のほとんどの血管が収縮することになり、腎臓の血管も拡張します。腎臓は血液をろ過して老廃物や塩分を輩出する働きがありますが、腎臓の血管が拡張すると、ろ過する血液量も増えることに。結果として、尿がたくさん作られることになるため、コーヒーには利尿作用があるといわれています。
「利尿作用のあるコーヒーの摂取は体の水分量を減らすため、脱水症をもたらすのでは? 」と考える人もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、コーヒーのカフェインが持つ利尿作用はとても弱いものです。ですから、1日数杯程度のコーヒー摂取であれば、脱水症を引き起こす恐れはないといわれています。
コーヒー摂取は水分補給にもなる
コーヒーを飲むことは水分補給にも繋がります。コーヒーの成分といえば、カフェインやポリフェノールが一番に思い浮かぶかもしれませんが、じつはコーヒーの98%以上は水分からできています。そのため、コーヒーを飲めば、ちゃんと体内の水分量を補うことが可能になるのだとか。まったくなにも飲まないよりも、むしろコーヒーを飲んだほうが脱水症を防げるといえるのです。
もちろん、コーヒーだけによる水分補給はあまりおすすめできません。脱水症の予防として水分を摂取しようと思うのであれば、経口補水液や飲料水のほうが好ましいでしょう。しかし、利尿作用があるからといって、コーヒーを避けなければいけないなどということは決してありません。
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冬は意識的に水分補給を心がけて
わたしたちの体の水分は常に失われています。ただ座っているだけでも、眠っているときでさえも、季節に関係なく水分は減っていくもの。つい水分補給を忘れがちになる冬の時期ですが、脱水症にならないためにも、ぜひとも意識的に水分を摂るようにしましょう。数杯程度であればコーヒーが脱水状態を悪化させることはまずあり得ませんから、寒い冬でも安心してコーヒーブレイクを楽しんでくださいね。
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