ニュージーランド生まれの「Coffee Supreme(コーヒー スプリーム)」は、創業28年を迎える老舗のスペシャルティコーヒーロースターです。
日本にも東京に直営店があるためご存知の方も多いのではないでしょうか。本記事では、Coffee Supremeがどのような歴史を歩んできたのかを詳しくご紹介します。
目次
ホスピタリティを大切にする「Coffee Supreme(コーヒー スプリーム)」
コーヒーロースターとして古い歴史を誇るCoffee Supremeは、ニューヨーク発のデイリーライフスタイルマガジン『Gear Patrol』により、世界のコーヒーロースターTOP10に選出されました。
いまや世界的に有名なコーヒーロースターへと成長したCoffee Supremeですが、その歩みとはどのようなものだったのでしょうか。
小さなカフェからコーヒーロースターになるまで
1993年、クリス・ディランとマギー・ウェルズが、ニュージーランドの首都ウェリントンで「Reds(レッズ)」という小さなカフェを開きました。この小さなカフェが、「Coffee Supreme(コーヒー スプリーム)」の前身です。当時のニュージーランドには、いまほどのコーヒーブームはまだ訪れていませんでした。
それでも、この気さくでおいしいコーヒーを提供する小さなカフェは、コーヒーを愛する人々が集う人気スポットとなります。その後、コーヒー焙煎機の購入をきっかけにコーヒーロースターとしての歩みをスタートさせ、現在では何百軒ものカフェがCoffee Supreme のコーヒー豆を使用するまでに成長しました。
もっとも愛されるコーヒーロースターへ
移り変わりが激しいコーヒービジネスの世界で、人気ロースターであり続けることはけっして容易いことではありません。しかし、カフェとしてはもちろん、コーヒーロースターとしても大成功を収めたCoffee Supreme。現CEOであるAl Keating氏は、『We don’t want to be the biggest, but we want to be one of the most loved.(1番大きくはなりたくないけど、1番愛されるコーヒーロースターになりたい)』と語りました。
味にこだわるのは当然ですが、Coffee Supremeは味以外の可能性も追求しているコーヒーロースターです。1番愛されるコーヒーロースターになるために、コーヒーを通してホスピタリティーを発揮しているCoffee Supremeは、人と人とがコーヒーで繋がれる空間を創造しています。
また、なによりも創造性を大切にしたいと願っているCoffee Supremeは、フランチャイズ化して店舗数を増やすことが、大成功に繋がる道だとは考えていません。どんなに素晴らしいコーヒーを提供する店でも、フランチャイズ展開をすれば輝きを失うとCEOは述べています。そのため、現在Coffee Supremeはニュージーランド国内以外に、オーストラリアのメルボルンとブリスベン、日本の東京・渋谷に直接店舗運営を行う直営店のみが存在します。
世界を魅了するデザイン
もっとも愛されるコーヒーロースターになるための方法は、おいしいコーヒーを提供し続けることだけではありません。Coffee Supremeにとって、最高の味とサービスを提供することは当然のことであり、なんら特別なことではないといいます。愛されるコーヒーロースターになるには、知名度を上げるのもひとつの方法です。そこで彼らは、「知名度を上げるためにはデザインにも力を入れなくてはならない」と考えました。
Coffee Supreme のCEOによると、あらゆるデザインに注力するというアイデアに辿りつく以前に使用していたパッケージは、味気がなく、まるでドッグフードのパッケージのようだったそうです。しかし、優秀なデザイナーたちによって革命がもたらされ、Coffee Supremeはコーヒーロースターでありながら、アート部門を有する企業となりました。
結果として、Coffee Supremeの前身であったカフェ「レッド」からブランドカラーの赤を受け継ぎ、ストリート風なロゴが目を引く素敵なパッケージが完成します。Coffee Supremeの知名度を上げる戦略は功を奏し、世界中のパッケージデザインを紹介するサイト The Dieline主催の2013年度オープンコンペ「Dieline Packaging Awards」のノンアルコール飲料部門のパッケージデザインで第1位を獲得しました。
アジア発の直営店「Coffee Supreme Tokyo(コーヒー スプリーム トーキョー)」
Coffee Supremeにとって、ニュージーランドとオーストラリア以外の国に進出した第1号店である「Coffee Supreme Japan」。
最近では、西日本最大級のeスポーツ総合施設である「esports Challenger’s Park」の併設カフェをサポートしたことで注目を集めました。ここでは、Coffee Supremeが東京に直営店をオープンさせるに至った、興味深いいきさつについてご紹介します。
コミュニケーションを大切にするコーヒースタンド
東京都渋谷区神山町に店舗を構えるCoffee Supreme Japanは、2017年10月にオープンして以来、コーヒーやドーナツを提供するほか、Coffee Supremeのコーヒー豆やクリエイターとコラボしたグッズ、遊び心いっぱいのオリジナル商品の販売、飲食に関わるトータルサポートを行っています。
Coffee Supreme Tokyoのある奥渋谷は落ち着いた雰囲気が魅力のエリアで、性別も年齢も国籍も関係なく、さまざまな人がコーヒーを買いに立ち寄ります。店舗で提供されるコーヒーは、ハンドドリップではなくマシンで抽出されますが、その理由はコーヒーを買いに来てくれるお客さんとたくさん会話がしたいからなのだそう。このようにCoffee Supremeは、コーヒーを通してコミュニケーションを提供することに重きを置くコーヒースタンドです。
東京に進出したいきさつ
ニュージーランドの店舗同様、ホスピタリティを大切にするCoffee Supreme Japanですが、その誕生はある一人の男性の熱意によって実現しました。Coffee Supreme Tokyoオーナーの松本浩樹氏は、以前は音楽やゲームなどのエンターテイメント業界で活躍していましたが、育児休暇を取得して行ったニュージーランドでCoffee Supremeと運命の出会いを果たします。
松本さんはCoffee Supremeで提供されるコーヒーの味は言うまでもなく、そこで働く人たちの豊かでのびのびとした働き方に魅了されたのだといいます。Coffee Supremeで働いているのはクリエイティブな人ばかりで、スタッフひとりひとりが楽しみながら働いていることが、ダイレクトに伝わってくるほど素晴らしい会社でした。
根気強く説得した結果
松本さんは、Coffee Supreme のCEOに直接会い、思い切って日本進出を提案してみます。ところが、完全拒否はされないながらも、「いまはまだその時ではない」とCEOはなかなか首を縦に振りませんでした。
それでも諦め切れず、松本さんはニュージーランドで働きながら説得を試みます。彼の「なんとしてもCoffee Supremeを日本にオープンさせたい! 」という熱意は冷めることを知らず、約3年もの間粘り強く説得した結果、ついに快い返事を聞くことに成功しました。
ニュージーランド発のコーヒーの味わいを楽しんで
ヨーロッパからの移民が多いせいか、ニュージーランドではドリップ式コーヒーよりも、エスプレッソが好んで飲まれています。そんなニュージーランド生まれのコーヒーロースターCoffee Supremeですが、エスプレッソ用のコーヒー豆だけではなく、ドリップ用のコーヒー豆も取り扱われています。
ニュージーランド独自のコーヒーといえば、フラットホワイトを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。フラットホワイトとは、スチームしたホットミルクに少しだけエスプレッソを加えたもの。ラテによく似たフラットホワイトですが、エスプレッソの味がラテよりもしっかりめのコーヒーです。Coffee Supremeにもフラットホワイトがメニューにありますが、もし東京の直営店に立ち寄る機会があればぜひニュージーランドのオリジナルコーヒーの味を試してみてはいかがでしょうか。
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