メキシコと聞くと、なにが思い浮かぶでしょうか? タコスにブリトーといったメキシコ料理やソンブレロと呼ばれるつば広の帽子、カラフルに彩られた街並みかもしれません。とにかく明るいイメージのあるメキシコですが、ほかの南米の国々同様、有名なコーヒー生産地でもあります。

 

本記事では、メキシココーヒーの特徴や伝統的なコーヒーの淹れ方、そして食文化などをご紹介します。

 

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【メキシコのコーヒーの特徴】産地の高度で三等級に分けられている

コーヒー生豆

世界有数のコーヒー生産国のひとつに数えられるメキシコ。メキシコのコーヒーには、どんな特徴があるのでしょうか?

 

メキシコにコーヒーの苗が持ち込まれたのは、18世紀後半頃だといわれています。スペイン人による統治のもと、ベラクルス州で最初のコーヒープランテーションがはじまりました。現在、メキシコのコーヒーは高度によって三等級に分けられており、標高の高い場所で栽培されたコーヒー生豆ほどグレードの高いものとみなされます。

 

基本的に、標高1400メートル以上の高地で栽培されたものはアルチュラバドと呼ばれ、最上級グレードのコーヒー生豆とされています。次に標高900メートル以上、1300メートル未満で栽培されたコーヒー生豆のことをプリマラバド、さらには標高700メートル以下で栽培されたコーヒー生豆をブエンラバドと呼びます。

煮出しコーヒーにスパイス等を入れるのがメキシコ流

シナモン

メキシコの伝統的なコーヒーの作り方をご紹介します。

煮出しコーヒーとは

メキシコのコーヒーは、煮出しスタイルが一般的です。煮出しコーヒーとは鍋などにコーヒーの粉と水を一緒に入れ、かき混ぜながら沸騰させます。沸騰したら速やかに火から下し、蓋をして少し置いた後でカップに注ぎます。

 

ポイントは、沸騰した後にすぐにカップに注がないこと。熱々のコーヒーを飲みたいからと、沸騰したてのコーヒーを注いでしまうと、コーヒーの粉が混ざってしまいザラザラした口当たりのコーヒーに仕上がってしまいます。

砂糖やシナモンなどを入れたカフェ・デ・オジャ

メキシコでは、煮出したコーヒーに砂糖やシナモン、クローブを加えて飲みます。コーヒーに甘さを出す砂糖も、黒砂糖にすればさらにコクのある味に。伝統的な淹れ方では陶器の容器で煮出すのが特徴で、陶器の種類によって味わいが変わるといわれています。

 

作り方は、黒砂糖とシナモンと水を陶器の容器や鍋にいれて沸騰させ、しっかり砂糖を溶かします。同じ鍋に深煎りのコーヒーを挽いて粉にしたものを投入し、5分ほど煮出します。沸騰したら火を消し、しばらく放置してコーヒーの粉が沈むのを待ちましょう。その後、カップに注いでお好みでシナモンスティックを添えていただきます。

 

イメージ的に太陽の光がさんさんと降り注ぎ、暖かいイメージのあるメキシコ。しかし、メキシコは標高が高く、メキシコシティなどでも寒暖の差が激しい場所です。思いのほか寒い日には、一杯のカフェ・デ・オジャが体を温めてくれるでしょう。

【メキシコの朝食文化】デサジュノで一日の良いスタートを

ブラックコーヒー

一日の良いスタートを切るために、バランスの取れた朝食は欠かせません。真似してみたい、メキシコのデサジュノの文化をご紹介します。

ゆったりとした気分で食べたいデサジュノ

「デサジュノ」とはスペイン語で朝食のことを指し、メキシコでは卵料理やフレッシュジュースに加えてコーヒーが提供されるのが定番です。また、トウモロコシの粉から作るトルティーヤの上に卵を落として焼き、サルサを添えた「ウェポス・ランチェロス」もメキシコで人気の朝食となっています。

 

基本的には、メキシコのデサジュノはシンプルなもの。もちろん、ホテルやちょっと高級なレストランに行けば、ブッフェ形式の豪華なデサジュノに出会うこともあります。しかし、デサジュノで一番大切なのは、ゆったりとした気分で朝食をとること。寛いだ気分で朝食をとれば、消化にも良いでしょう。忙しい平日には難しいかもしれませんが、ゆっくりできる日にはぜひ真似してみたいですね。

コーヒーのお供はトルタと菓子パンで決まり

「トルタ」とは、メキシコ風のサンドイッチのこと。少し柔らかいフランスパンに野菜やチーズをはじめ、卵や肉、魚や煮豆などを挟んだものです。トルタ専門の屋台は至るところにあるため、テイクアウトしてコーヒーと一緒にいただくにもいいですね。

 

甘い菓子パンの中でも、コンチャはメキシコで定番かつ人気のあるパンとして知られています。コンチャとはスペイン語で貝を意味しますが、日本のメロンパンのようなパンで、メキシコのブラックコーヒーのお供にぴったり。

 

一方、カリカリの細長い揚げドーナッツであるチュロスは、チョコラテなどに浸して食べるのがメキシコ流です。ただし、メキシコでは朝食というよりも夕食にパンを食べる人が多いそう。ですが、大らかで細かいことは気にしないメキシコの国の人々は、「パンは夕食に食べるものだよ」とはいわず、わたしたちの好きなようにさせてくれるでしょう。

太陽の国メキシコのコーヒーでデサジュノしてみては?

メキシコの朝ごはん

白いご飯とお味噌汁の朝食も素敵ですが、たまのブランチにはメキシコ流の朝食を楽しんてみてはいかがでしょうか? デサジュノにこれといった決まりはなく、のんびりと朝食を楽しむことが唯一の特徴です。

 

メキシコ流の朝食には、ぜひメキシコのコーヒーをお供にしてみてはいかがでしょうか。

 

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