コンビニコーヒーが登場する前は、仕事中にコーヒーが飲みたくなったら近くのコーヒーチェーンを探すか、缶コーヒーで我慢するかという選択に頭を悩ませていた方は少なくないでしょう。ところが今ではコンビニで安価で美味しいコーヒーが飲めるのが普通の世の中になりました。
ではなぜコーヒーショップではなく、コンビニでそれほど安く、そして美味しいコーヒーを提供できたのでしょうか。コンビニコーヒー成功の理由をお教えします。
コンビニコーヒーが安い理由
なんと、コンビニコーヒー1杯の原価(豆代)は10~20円と、コーヒーチェーンの原価とほとんど変わりありません。それでも価格を抑えられる要因は、場所代と人件費の低さにあります。
もともと他の商品を売っているコンビニでは、コーヒーを提供するための場所代や人件費はほとんどかかりません。それに加えてセルフサービス形式であったりボタン一つでコーヒーを抽出できたりと、従業員の作業効率化を図ることによってコストを極限まで削っています。
また、コンビニではコーヒーを買うついでにお菓子やスイーツを買ってもらうことで、新規の顧客を獲得するという狙いがあるそうです。安い原材料を使っているから安く販売できるのではなく、企業努力とコンビニという形態を生かした、販売方法を突き詰めることで可能になった価格と品質だったのです。
コンビニコーヒーがこんなに売れた理由
コンビニコーヒーの発端は、意外にも大手ハンバーガーチェーンの「100円コーヒー」にありました。ハンバーガーの付随メニューとして100円でコーヒーを提供したところ、大反響を呼ぶことに。酸味が少なく丁度良い苦味のあるコーヒーにリピーターが集まりました。
これにコンビニ業界が参入したことで、コンビニコーヒーは受け入れられたのだとされています。
コンビニコーヒーでは、大衆受けするコーヒーの美味しさについての研究がなされました。そこで挽きたて淹れたてのコーヒーに美味しさを感じる人が多いと判明し、専用の全自動マシンを開発することで安価なコーヒーを実現。各社がそれぞれのコンセプトでコーヒーを販売しました。
挽きたてのコーヒーは豊かな香味があり、コーヒーサーバーで淹れっぱなしのコーヒーとは違った香り高さを持ちます。それを激安で提供するコンビニコーヒーは大ヒット。コーヒーファンの求める「苦味の奥の甘み」とか「フルーティな酸味」といったテイストをあえて出さずに、みんなが美味しいと思う味を激安で提供するという方向性が受け入れられたのでしょう。
コンビニコーヒーについて〜まとめ〜
コンビニコーヒーは、効率化によって高い品質のコーヒーを提供したこと、大衆向けの「美味しさ」を追求したことによって実現できたヒット商品なのです。
コーヒーファンのなかには「コンビニコーヒーは不味い」と言う方もいますが、筆者は美味しいコーヒーを低価格で提供できていることは素晴らしいことだと思います。なにより、コーヒーは美味しいということを多くの人に広めたことがコーヒーファンとしてうれしいこと。コンビニコーヒーはそんな偉い存在なのです。