コーヒーを飲み過ぎて、夜に眠りにつけなくなった経験はありませんか?睡眠を気にせずにコーヒーを飲みたい人に有効的なのが、デカフェ・カフェインレスのコーヒーです。妊婦さんにも関心が高いデカフェ・カフェインレスコーヒーですが、自宅で作れたらどんなに良いことか……なんて思っている方もいるはず。
どうやってカフェインだけを除去しているか、気になりますよね。
今回はコーヒーに含まれるカフェインの除去方法、デカフェの作り方について解説します!
目次
デカフェ・カフェインレスコーヒーの定義とは?
デカフェ・カフェインレスコーヒー、とは、本来覚醒作用があるとされているカフェインの含有を抑えたコーヒーのこと。不眠症や、妊婦の方などに敬遠されるカフェインをできるだけ取り除いたコーヒーは、それらの悩みを持った人々から一定の需要があります。
カフェインレスコーヒー、デカフェなど呼び方は様々ありますが、日本ではカフェインを90%以上除去していれば記載する事が可能で、全くカフェインが含有されていない事を保証する表記ではありませんので、注意が必要です。
デカフェ・カフェインレスコーヒーの作り方
では、カフェインを除去する作業はどのようにして行われるのでしょうか。
カフェインは水に溶けにくいという性質があるため、以前は有機溶剤にコーヒー豆を浸す事で溶け出させる方法が取られていましたが、現在は発がん性の問題などから日本ではそのような溶剤を使用した食品は流通していません。
現在は、「超臨界状態の二酸化炭素を使用した方法」と、「スイスウォーター製法」と呼ばれる特殊な水を使用した方法が主流とされています。
二酸化炭素を使用するカフェイン除去法
カフェインは二酸化炭素に溶けやすい性質を持っています。しかしコーヒー豆を二酸化炭素に浸すだけでは、豆内部のカフェインを取り除く事ができないため、「超臨界」と呼ばれる状態の二酸化炭素を使用します。
超臨界状態とは、気圧を温度をコントロールする事で液体と気体、個体の全ての性質を備えた状態。言葉は難しいですが考え方は単純で、液体のように二酸化炭素が溶けやすい状態で気体のように豆の内部まで簡単に浸透するようにした二酸化炭素を使うということ。
風味成分は残したままカフェインのみを除去する事ができ、また二酸化炭素は人体への悪影響もないため、極めて優れた方法だとされています。ただし、比較的大きな設備とコストが必要なため値段もあがりやすいという側面があります。
スイスウォーター製法
カフェインは水には溶けにくい性質を持っており、水に溶かすには時間をかける必要があります。しかも、コーヒーの風味成分とされるアミノ酸や小糖類、クロロゲン酸類などは水に溶けやすく、コーヒー豆をつけただけではカフェインよりもこれらの成分が先に溶けてしまうという問題があります。
そこで発案されたのがスイスウォーター製法。
スイスウォーター製法では、コーヒー豆に含まれるカフェイン以外の水溶性(水に溶けやすいこと)の物質をめいっぱい溶かした状態の水にコーヒー豆を浸すことで除去を行う方法です。カフェイン以外の物質は溶け出さないので、時間をかけて除去作業を行う事ができます。
水を使用するという消費者の安心感と、比較的コストが抑えられる事からスペシャルティコーヒーにも使用されている方法です。
【自宅では作れない?】デカフェ・カフェインレスコーヒー
これまで、カフェインの除去法を記載してきましたが、超臨界を利用したり、スイスウォーター製法を利用したりと、自宅でデカフェ・カフェインレスのコーヒーを作るのは現状では難しいでしょう。
ただ、最近ではデカフェもメジャーになってきており、市販のモノを容易に購入することができます。カフェインの摂取を控えつつコーヒーを飲みたいという方は、そちらを試してみると良いかもしれません。
将来はカフェインレス・コーヒーノキが主流になるかも!?
現在日本で流通しているカフェインレスコーヒーは、上記のように安全な方法で製造されているものばかりですが、多少なりとも風味は損なわれてしまっているのが現状です。そこで、そもそもカフェインを含有しないコーヒーノキを作ろうという研究もなされています。
実はカフェインレス・コーヒーノキは2004年に実現されているものの、これらは遺伝子組み替えのロブスタ種(苦味が強くて商品価値が低いとされている)であったり、カフェインの元となる成分が通常より多くなってしまったりと問題が多く、まだ実際に商品化されてはいません。
もしかしたらあと数年後には、風味も安全性も高品質で環境にも優しいカフェインレスコーヒーノキが開発され、不眠症の方や妊婦、子供にも楽しめるようになるのかもしれませんね。
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