コーヒーの香りにリラックス効果がある、という話はわりとよく耳にしますよね。実際、コーヒーの甘く香ばしい香りを嗅いだことで、緊張が解けた、気分をリフレッシュできたといった経験のある方も多いと思います。
そんなコーヒーの香りに秘められた「不思議な力」について、このほどメリタジャパンが脳科学の視点から、とてもユニークな実験を行いました。果たしてその結果とは――?
コーヒーと脳科学、最強タッグによる初の科学的検証
今回、コーヒーの香りが脳にもたらす影響を検証したのは、コーヒーウェアの主要メーカーであるメリタジャパンと、杏林大学名誉教授で医学博士の古賀良彦先生。
古賀良彦 Yoshihiko Koga 杏林大学名誉教授東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、杏林大学医学部精神神経科学教室に入室。助教授、主任教授を経て現在に至る。日本睡眠学会名誉理事長、日本ブレインヘルス協会理事長、日本薬物脳波学会副理事長、日本臨床神経生理学会名誉会員、日本TMS研究研修センター理事長などを務める。 |
脳科学のエキスパートとコーヒーを知り尽くしたプロフェッショナル。この両者による豪華タッグで、コーヒーの香りを感じることで脳はどんな反応を示すのか、科学的に検証してみようというわけです。
ちなみに検証方法や条件は以下のとおり。
【被験者条件】
- 20~40代の男女9人
- 右利きで、問題なく香りを感じることができる
- コーヒーに関心がある
【検証方法】
コーヒーの香りを嗅ぎながらランダムで流れる数字を聞き流す、または計算を行い、脳の前頭葉16部位での血流量を計測する。コーヒーの香りは以下の条件で調整。
① コーヒーミルで挽いた直後の粉の香り
② ①にお湯を注いだ抽出中の香り
③ 挽いてから1週間が経過した粉の香り
④ ③にお湯を注いだ抽出中の香り
なお、今回実験で使用したコーヒーミル(グラインダー)は、以前ご紹介したこちら。
業務用と同規格のフラットカッターを採用した本格仕様ながら、お手頃価格で人気のグラインダーです。
コーヒーの香りが脳の血流量を高める
さて、気になる検証結果ですが、個人的にもっとも驚かされたのが、①の粉を挽いた直後のフレグランスと、②のそれにお湯を注いだアロマとの差でした。
以下は実験による脳の前頭葉への血流量の変化を表したグラフで、左が①、右が②のものになりますが、その結果は歴然ですね。
※メリタジャパン調べ
②の抽出時のアロマでは目立った変化はなく血流量はほぼ横ばい、対する①の挽きたての香りは赤のラインが急激に跳ね上がり、前頭葉への血流量が大幅に増加しているのがわかります。
筆者個人としては、どちらも甲乙つけがたいほどに魅惑的で心安らぐよい香りだと思うのですが、脳の感じ方はこんなにも違っているんですね。
一方、粉に挽いてから1週間が経過した③を①と比較したグラフが以下。
※メリタジャパン調べ
③(グラフ右)はじわじわと血流量が増えていますが、やはり①の劇的な変化とは比べるまでもありません。
コーヒー豆は粉に挽いてしまうと、その瞬間からどんどん香りが抜けていってしまうので、この結果は概ね予想どおり。それでも挽きたてを抽出した②より健闘していることに驚きました。
ちなみにこれらの検証結果ですが、今回の被験者9人が全員一致していたそうです。挽きたてのコーヒーの香りには、脳の働きを高める確かな効果があるといっても過言ではなさそうですね。
挽きたてのコーヒーの香りが「脳力」をアップ!
今回、血流量を計測した脳の前頭葉16部位は、主に記憶力や集中力、ひらめきなどの発想力を司るといわれる重要な部分。
この部分の血流量が増えるということは、それだけ脳が活性化され、高いポテンシャルを発揮できる状態になっている、ということ。
このように挽きたてのコーヒーの香りが脳に与える影響を科学的に証明できたのは、もちろん今回が初めて。コーヒーの新たな可能性を切り開く大きな一歩といえそうです。
仕事や勉強でもうひと頑張りしたいとき、集中力やひらめきが求められる場面など、ただコーヒーを飲むのではなく、自分で豆を挽き、その香りをじっくり楽しむことから始めてみては?
いつも以上の「脳力」が発揮できるかもしれませんよ。
この機会に「豆から挽いてみようかな?」と思った方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
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