アメリカのノースカロライナ州に本社を置く『Counter Culture Coffee(カウンター・カルチャー・コーヒー)』は、1990年代にアメリカで流行しはじめたサードウェーブコーヒーの代表格とも呼べるコーヒーロースターです。
本記事では、創業から25年以上経ったいまもスペシャルティコーヒーのすばらしさを伝えている老舗のコーヒーロースターをご紹介します。
目次
老舗コーヒーロースター『Counter Culture Coffee(カウンター・カルチャー・コーヒー)』の特徴とは?
自然豊かなノースカロライナ州ダーラムで創業した『Counter Culture Coffee(カウンター・カルチャー・コーヒー)』は、社会的にも環境的にもサステナビリティを目指すコーヒーロースターです。その歩みと特徴についてご紹介します。
『Counter Culture Coffee(カウンター・カルチャー・コーヒー)』の成り立ち
ノースカロライナ大学で経営学修士号を取得したブレット・スミスさんは、アメリカで注目を集めはじめていたプレミアムコーヒーにビジネスの可能性を見出しました。ビジネスパートナーを探していた彼は、小さなコーヒーロースターで働いていたフレッド・フックさんと出会います。
ビジネスとコーヒーへの情熱を抱いていた二人はすぐに意気投合し、1995年にノースカロライナ州ダーラムで、スペシャルティコーヒー専門のロースター『Counter Culture Coffee(カウンター・カルチャー・コーヒー)』(以下の表記、カウンター・カルチャー)を立ち上げました。こうして、地元のダイナー「Pop’s Trattoria」に初めて自社焙煎のコーヒーを販売します。
環境に配慮するコーヒーロースター
1997年、カウンター・カルチャーはシェードグロウンコーヒー(シェードツリーコーヒー)の「サンクチュアリコーヒー」というシリーズを発表します。シェードグロウンコーヒーとは木陰でコーヒーを作って熱帯林とその土壌を守ると共に、生態系の保全にも役立つ環境に優しい方法で栽培されたコーヒーのことです。
同年、ニューオーリンズで開催されたスペシャルティコーヒーのイベント「Specialty Coffee Association of America」で「サンクチュアリコーヒー」を紹介したカウンター・カルチャーは、シェードグロウンコーヒーを販売した初期のコーヒーロースターとして、その名を知られるようになります。
このように創業当初から現在に至るまで、環境に配慮することを企業理念として掲げてきたカウンター・カルチャーですが、2002年にはアメリカの農務省が制定したナショナル・オーガニック・プログラムによって、ノースカロライナ州で最初のオーガニックロースターに認定されました。
優秀な人材が集まるコーヒーロースター
すばらしい企業には優秀な人材が集まりますが、カウンター・カルチャーも例外ではありません。ここでは、カウンター・カルチャーを代表する人材をご紹介します。
トップバリスタを輩出
2003年、ニューヨーク州北部にあるコーヒーロースターで焙煎士としてのキャリアをスタートさせたエリン・マッカーシーさん。その後、カウンター・カルチャーの企業理念に惹きつけられた彼は最初に勤めたロースターを去り、カウンター・カルチャーでバリスタとして働くようになります。
そして、バリスタの競技会に参加するようになったエリンさんは、2013年に出場した「ワールド・ブリュワーズカップ・チャンピオンシップ」で、アメリカ人初の優勝者となりました。バリスタトレーニングの指導者となった彼は、これからコーヒーライフをスタートしたいと思っている方に向けてコーヒーの抽出と挽き方の関係を下記のようにアドバイスしています。
細かく挽いたコーヒー豆は早く抽出されますが、粗めに挽いたものは抽出が遅くなります。
均一に挽けていない場合にはうまく抽出されず、コーヒー本来のおいしさを味わうことができないので気をつけてくださいね。
デザインの重要性を認識
より多くの人にコーヒーを手に取ってもらうためには、コーヒーの品質を守り続けるのはもちろん、魅力的なデザインが非常に重要な役割を果たします。とくに、人目を引く洗練されたデザインは、新規顧客を獲得するのに有効だと提唱したのも、このロースターです。
カウンター・カルチャーには、優秀なビジュアルデザイナーのクリスティ・ドゥギャンさんが在籍しており、デザイン部門の監督として写真やビデオ撮影、商品のデザインやWebサイトの管理を行っています。
彼女はユタ州にある学校でフォトグラファーの学位を取得した後、カウンター・カルチャーの商品を扱っていた喫茶店でアルバイトをしていました。
カウンター・カルチャーのコーヒーを通してコーヒーの世界に魅せられたクリスティさんは、ノースカロライナ州ダーラムにある本社のデザイナー部門の仕事に応募します。こうして憧れの企業で働くことになった彼女は、カウンター・カルチャーのブランディングに大きく貢献することになりました。
さまざまなイベントを提供する『Counter Culture Coffee(カウンター・カルチャー・コーヒー)』
カウンター・カルチャーは、最高品質かつ環境に優しいコーヒーを提供するだけに止まらず、コーヒーにまつわる知識やテクニックをできる限り多くの人々と共有したいと望んでいます。その証拠に、カウンター・カルチャーはさまざまなイベントやコーヒー講座を開催していますが、ここではその一部をご紹介します。
フリーテイスティングのイベント「Tasting at Ten」
カウンター・カルチャーはダーラム本社にあるトレーニングセンターのほかにも、ボストン、アトランタ、シカゴ、ロサンゼルスなどに専用施設を構えています。各トレーニングセンターでは、毎週金曜日の午前10時から「Tasting at Ten」と呼ばれるテイスティングの無料イベントが行われており、カウンター・カルチャーのコーヒーを試飲することができます。現在このイベントは、コロナ禍の影響で一時的に開催中止となっていますが、今後の開催日程はWebサイトで告知されるようです。
お家で本格的なコーヒーを淹れるための講座「Coffee At Home」
カウンター・カルチャーが提供しているコーヒー講座「Coffee At Home」では、自宅でカフェ並みのコーヒーを淹れるための知識とテクニックを学べます。こちらはZoomを介した講座なので、事前にカウンター・カルチャーのWebサイトで講座受講の登録を済ませておけば、トレーニングセンターに出向くことなく、自宅のキッチンから受講可能です。
「Coffee At Home」には、カッピング技術を学べる「Coffee Cupping at Home」(受講費用:60米ドル~)やエスプレッソマシンを使いこなすための「Espresso at Home - Field Trip」(受講費用:25米ドル~)といった講座があります。どの講座においてもカウンター・カルチャーに在籍するコーヒーのスペシャリストたちが熱心に指導に当たるため、コーヒー初心者でも楽しく学べるでしょう。
『Counter Culture Coffee(カウンター・カルチャー・コーヒー)』のコーヒーと淹れ方のコツ
スペシャルティコーヒーの老舗ロースターのおすすめ商品と、ロースターが教えてくれたおいしくコーヒーを淹れるコツとポイントについてご紹介します。
爽やかな香りの「Apollo」
コーヒーの原産国といわれているエチオピア。そんなコーヒーの故郷エチオピアで収穫されたコーヒー豆を100%使用した「Apollo」は、フローラルでほのかにシトラスの香りがする爽やかなコーヒーです。
チョコレートのような風味のコーヒーを飲み慣れていると、エチオピア産のコーヒーの繊細な味に驚くかもしれません。「Apollo 」は、12オンス(約340g)のパックが15.75米ドルで販売されています。こちらのコーヒーはカウンター・カルチャーの定番商品ですが、商品入れ替えのため欠品している場合があります。
冬季限定の「Iridescent」
虹色と名づけられたコーヒーは、冬季限定のブレンドコーヒーです。毎年登場するこちらの商品は、1ポンド当たり1米ドルの売上をコーヒー生産国に寄付する仕組みになっているのだとか。ブレンドに使用されているのはエチオピア、ケニア、そしてラテンアメリカのコーヒーたち。
ダークチョコレートのようなコクとベリーの香りが楽しめる、カウンター・カルチャーオリジナルのブレンドコーヒーです。
・カウンター・カルチャー流のコーヒーの淹れ方
ドリップコーヒーの場合でもフレンチプレスでコーヒーを淹れる場合でも、焙煎したて、挽きたてのコーヒーを使用するのがカウンター・カルチャー流です。
カウンター・カルチャーでは、お湯28gに対して1.6〜2.0gのホールビーンコーヒーを使用します。
もちろん使用するコーヒー豆の量はお好みに合わせて調整できますが、お湯500gのときには約30gのホールビーンコーヒーを用意すると良いでしょう。
- まず紙のニオイや味を消すため、ペーパーフィルターをお湯ですすぎます。
- 次に、コーヒー豆をテーブルソルトとほぼ同じサイズに挽きます。
- 90~96℃のお湯を準備します。
- フィルターをセットし、そこへ挽いたコーヒーを水平になるように入れます。
- 中央から外側へ向けて円を描くようにお湯を注ぎ、コーヒー全体が水分を含むようにして、フィルターからコーヒーが流れ落ちる前にストップします。
- 30~45秒ほど待ってから、再びゆっくりとお湯を注ぎます。
フィルターの端に沿ってお湯を注がないように注意してください。コーヒーを抽出するときには、作業開始から終了まで3~4分ほど時間を掛けるようにすると良いでしょう。
抽出している間の香りを楽しむのも、スペシャルティコーヒーを淹れる醍醐味です。お気に入りのコーヒーを淹れて、ちょっと贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
参照サイトURL:
https://counterculturecoffee.com/
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