変動が激しいビジネスの世界で生き抜くためには、独自性を打ち出すことが必要です。コーヒー業界も例外ではなく、ほかと差別化を図るために悪戦苦闘しているコーヒーロースターはこの世にたくさん存在します。
本記事では、ユニークな戦略でアメリカ・サンディエゴにおいて唯一無二の存在となっている、スペシャルティコーヒー専門のコーヒーロースター『Nostalgia Coffee Roasters(ノスタルジア・コーヒーロースターズ)』をご紹介します。
目次
女性が活躍する『Nostalgia Coffee Roasters(ノスタルジア・コーヒー・ロースターズ)』
アメリカ西海岸カリフォルニア州南部に位置するサンディエゴは、温暖な気候で住みやすい都市として知られています。
『Nostalgia Coffee Roasters(ノスタルジア・コーヒーロースターズ)』(以下、ノスタルジア・コーヒーロースターズ)は、サンディエゴを拠点にしているスペシャルティコーヒー専門のコーヒーロースターです。
コーヒーに魅了されて
ノスタルジア・コーヒー・ロースターズは、2018年に創業された比較的新しいコーヒーロースターです。
創業者のテイラー・フィールズさんは、学生時代、シカゴのコーヒーショップで試験勉強をしているうちにコーヒーに恋をしてしまったといいます。彼女にとってシカゴの厳しい寒さと辛い試験を乗り越えるには、コーヒーの力が必要不可欠でした。
努力の甲斐もあり、無事サンディエゴの会計事務所に就職できたものの、テイラーさんのコーヒーへの思いは募るばかり。会計事務所の顧客の中には、コーヒー業界で活躍している人たちも多く、彼らの情熱的な仕事ぶりを知ることがさらなる刺激になりました。
すっかりコーヒーの虜になったテイラーさんは、コーヒー関連のレッスンを片っ端から受講しはじめます。そうして、コーヒーに関するあらゆる知識を貪欲に吸収した彼女はそれまで勤めていた会社を辞め、29歳のときにコーヒーロースターを立ち上げました。
移動販売車でスタート
コーヒーロースターには、ロースタリーにカフェを併設しているもの、カフェの規模までとはいかないまでも試飲スペースを設けているものなどがあります。自慢のコーヒーを販売して商売を軌道に乗せるためには、できるだけ多くの人にコーヒーを飲んでもらわなければなりません。
ところが、ノスタルジック・コーヒーロースターズが選んだのは、実店舗を構えることではなく移動販売という方法でした。トレーラーを購入したテイラーさんは配管や電源の取り付けなどすべて自分で改造し、移動式カフェとしてサンディエゴのレーンフィールド公園でデビューを果たします。テイラーさんにとっては実験的な試みであったこの移動式カフェですが、瞬く間に地元の人々の間で人気となりました。
彼女ュはこの移動式カフェを、「サンディエゴ唯一の移動式サードウェーブ・カフェ」と呼んでいます。移動販売車で提供するコーヒーは4オンスマキアート、6オンスカプチーノ、8オンスフラットホワイトなど、どれもスペシャルティコーヒー協会(SCA)の基準に従って淹れられたものです。ただ甘いだけ、おしゃれに見えるだけの飲み物ではなく、一杯一杯が完璧なショットになるまで細心の注意を払って淹れられています。
女性を応援するコーヒーロースター
ノスタルジア・コーヒーロースターズは創業者をはじめ、営業部長、研究開発部長はみな女性であるほか、ロースタリーで働く人の75%は女性が占めています。女性が活躍する社会、多様性を認める社会作りに貢献したいと願うノスタルジア・コーヒーロースターズは、積極的に女性のコーヒー生産者と共に仕事を行っているのが大きな特徴です。
例えば、インドネシア・スマトラ島は世界有数のコーヒー生産地ですが、ノスタルジア・コーヒーロースターズが直接取引しているコーヒー協同組合は、女性が代表理事として活躍しています。また、ノスタルジア・コーヒーロースターズでダークローストした「グローリーデイズ」は、メキシコ南部で女性生産者によって生産されたコーヒーを使用しているのだそう。
さらに最近では、コロンビアに住む16歳のヴァレリアという名前の女性のコーヒー生産者とも仕事を開始したばかりです。コロンビアの女性生産者は男性生産者に比べると、コーヒーを販売するための販路が大幅に少なく、コーヒービジネスに参入するチャンスがあまりないといわれています。
ノスタルジア・コーヒーロースターズでは、それら不利な立場にいる人々をサポートし、旧体制に縛られたままのコーヒー業界にポジティブな変化を起こしたいと考えています。
『Nostalgia Coffee Roasters(ノスタルジア・コーヒー・ロースターズ)』が人気の理由
ノスタルジア・コーヒーロースターズが人気なのは、移動式カフェでコーヒーを販売するコーヒーロースターがめずらしいからというだけではありません。
ここでは、ノスタルジア・コーヒーロースターズの人気の秘密についてご紹介します。
ノスタルジア・コーヒーロースターズの転機
創業以来、絶好調だったノスタルジア・コーヒーロースターズですが、パンデミックの影響を避けることはできませんでした。数カ月間の休業を経て営業を再開したときには、残念ながら、パンデミック以前のような盛りあがりを見せることはなかったようです。
しかし、創業者のテイラーさんは、「これまで直面した多くの困難から、成功するための確実な方法は、あきらめないことだと学びました。結局、どんなことにおいてもリスクを取らないことのほうが、リスクとなるのです。」と語っています。
実際、休業期間中であっても、ノスタルジア・コーヒーロースターズのビジネスは停滞していた訳ではありません。休業期間は、新しいコーヒーを作るためのアイデアを実行するのに、最適な準備期間でした。
ノスタルジア・コーヒーロースターズでは自社焙煎の拡大に伴い、「Bird Rock Coffee Roasters」で焙煎士をしていたブラント・ラドウスキーさんをヘッドロースターに迎えます。
「まず最初に、ブラントのコネクションを頼って、たくさんのコーヒー輸入業者に連絡を取りました。そうして数多くのサンプルを取り寄せ、試行錯誤のうえ作り出したのが、わたしたち自慢のエスプレッソ専用ブレンドコーヒー"Memory Lane(メモリーレーン)"です。このコーヒーは、コーヒーガイドサイト『Coffee Review』で高評価を叩き出しました。」と、テイラーさんは述べます。
すばらしい味わいのコーヒーは、ノスタルジア・コーヒーロースターズの人気に繋がっています。
その証拠に、ノスタルジア・コーヒーロースターズが焙煎したコーヒーの需要は増加の一途を辿り、800gの焙煎機では賄いきれなくなりました。
現在では、12kg容量の焙煎機を導入し、今後発生するであろうさらなる需要に対応しています。
地元に貢献するコーヒーロースター
地域社会に惜しみなく貢献していることも、ノスタルジア・コーヒーロースターズの人気の秘密です。
例えば、ノスタルジア・コーヒーロースターズは、新型コロナウィルスの予防接種会場で働くボランティアや看護師たちに毎週コーヒーを届けています。
また、サンディエゴで火災が発生した際にも、移動式カフェを火事現場の近くまで移動させ、消火作業に励む消防隊の人々にコーヒーを振る舞いました。
さらに、非営利団体と提携したノスタルジア・コーヒーロースターズは、コーヒーが1箱売れる度に、1本の木を植林するボランティア活動にも従事しています。
『Nostalgia Coffee Roasters(ノスタルジア・コーヒー・ロースターズ)』のコーヒーをご紹介
小規模なロースタリーでありながらも、高い人気を誇るノスタルジア・コーヒーロースターズ。
いったいどのようなコーヒーを作っているのでしょうか?
最高のエスプレッソ専用ブレンド『Memory Lane (メモリー・レーン)』
アメリカのコーヒーガイドサイト『Coffee Review』が、2022年2月に発表したテイスティングレビューで93点を獲得した、こちらのコーヒーは、ブラジルとグアテマラ、そしてインドネシアの異なる精製方法で処理されたコーヒー豆を焙煎してブレンドしました。
カカオニブやローストしたカシューナッツの豊かな風味とフリージアのような花の香りが特徴で、シロップのようなとろりとした口当たりがします。
フルーティーな『Ethiopia Shantawene Natural (エチオピア・シャンタウェネ・ナチュラル)』
エチオピア・シャンタウェナ村で栽培されたアラビカ種のコーヒー豆を使用したこちらのコーヒーは、ラズベリージャム、ダークチョコレート、タイム、野生のハチミツの風味が特徴です。
甘みと酸味のバランスが良く、滑らかな口当たりのこのスペシャルティコーヒーは、飲んだ人の心をウキウキと弾ませてくれるに違いありません。
爽やかな酸味の『Rwanda Gatare(ルワンダ・ガタレ)』
ルワンダ・ガタレ産のアラビカ種のコーヒー豆を使用したこちらのスペシャルティコーヒーは、ダークチョコレート、ブラックチェリー、アンバー、ピンクグレープフルーツの皮、マグノリアの香りがカップに漂います。
ベルベットのような滑らかな口当たりで、チョコレートのような後味に、ブラックチェリーの香りが心地よく複雑に絡み合います。
未来に前進するコーヒーロースター『Nostalgia Coffee Roasters(ノスタルジア・コーヒー・ロースターズ)』
ノスタルジア・コーヒーロースターズは、コーヒーにまつわる素敵な思い出を築き上げるお手伝いをしたいと願っているコーヒーロースターです。
ノスタルジア・コーヒーロースターズが提供するコーヒーはすでに高い評価を得ていますが、世界一のコーヒーロースターになる夢を叶えるまで彼らは前進し続けるでしょう。
参照サイトURL:
https://nostalgiacoffeeroasters.com/
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