北欧食器のヴィンテージものを代表するグスタフスベリ。北欧モダンデザインを築いたデザイナーが生み出したグスタフスベリの器たちは、時代を超え、いまも世界中で愛されています。本記事では、独特のコーヒー文化「フィーカ」を大切にする国スウェーデンで誕生した、グスタフスベリの名作シリーズをご紹介します。
目次
「グスタフスベリ(GUSTAVSBERG)」の世界的なデザイナーたち
グスタフスベリは、スウェーデンが誇る北欧食器の老舗ブランドです。1825年、ストックホルム東部にあるグスタフスベリの地に、陶器工房として創業しました。現在は、フィンランドの有名食器ブランド「イッタラ」の傘下グループに属しながら、かつての名作シリーズの復刻版を主に製造しています。
グスタフスベリは、世界的に有名なデザイナーたちを輩出した陶器メーカーです。彼らが生み出した作品は、ヴィンテージの北欧食器として人気を博しています。
北欧デザインの父「ヴィルヘルム・コーゲ」
ストックホルム生まれのヴィルヘルム・コーゲは、ヨーテボリやミュンヘンで絵画やグラフィックデザインを学んだ後、1917年にグスタフスベリのチーフデザイナーに就任します。機能性にモダニズムを加えた北欧デザインを考案し、グスタフスベリの名を世界に知らしめました。
北欧モダンデザインを生んだ「スティグ・リンドベリ」
1937年にグスタフスベリに入社したスティグ・リンドベリは、ヴィルヘルム・コーゲのアシスタントとして、すばらしい作品を生み出していきました。グスタフスベリのアートディレクターに就任した後は北欧デザインを昇華させ、実用的でありながら、飽きのこない秀逸なデザインが特徴の北欧モダンデザインを完成させます。
世界的に有名なデザイナー、陶芸家「リサ・ラーソン」
1954年にグスタフスベリ社に入社し、約26年もの間、同社の専属デザイナーとして活躍しました。退社後には、海外で個展を開くなどして、世界的に有名な陶芸家に。とぼけた表情のライオンやインパクトのある表情のネコなど、かわいらしい動物たちのオブジェ作品で知られています。
いつかは手に入れたい「グスタフスベリ」の名作シリーズ
日常的に使用する器に、素敵なデザインを施したグスタフスベリのアイテムは、まさに「用の美」を体現したものばかり。ここでは、ヴィンテージ食器の世界でも有名なグスタフスベリの名作シリーズをご紹介します。
爽やかな「ベルサ(BERSA)」
ベルサとは、スウェーデン語で「葉っぱ」のこと。ベルサシリーズにはその名の通り、かわいらしい葉っぱ模様が施されています。グスタフスベリのアイテムの中でも人気の高いシリーズで、1960年から1974年にかけて製造されました。
現在では復刻版が製造されていますが、2016年にはスティグ・リンドベリ生誕100周年を記念して、新しい作品が製造されたことも。白地の器によく映える深いグリーンの葉っぱ模様のテーブルウェアは、食卓に明るさと爽やかさをもたらしてくれるでしょう。
気取らなさが魅力の「プルヌス(Prunus)」
青いプラムが描かれたプルヌスは、1962年から1974年にかけて製造されたシリーズです。ほっこりした温かみのあるデザインなのに、しっとり落ち着いた雰囲気の器たちは、コーヒーブレイクやティータイムに大活躍するはず。
プラムの並ぶ角度が少しずつ違っているため、見れば見るほど愛着がわいてくる不思議なアイテムたち。おもてなしの席はもちろん、ひとりでのんびり過ごしたいときにも使える気取らないデザインが素敵ですね。
知的な雰囲気の「アダム(ADAM)」
北欧モダンデザインらしさに溢れたアダムは、白地に青のドットが施されたシリーズです。なんの変哲もないドットモチーフのようですが、配置に遠近法が用いられており、立体的に見える工夫がなされています。シャープで大人っぽい雰囲気の器たちは、すっきり目覚めたい朝の食卓にぴったり。
アダムと対になった「エヴァ(EVA)」シリーズもあり、こちらは赤地の器に白いドットが施されています。エヴァもアダムと同様に知的な印象を与えながらも、明るくてはつらつとした雰囲気が特徴です。アダムとエヴァをセットにして、仲良しカップルに贈れば喜ばれるかもしれませんね。
優雅な「ブルーアスター(Blue Aster)」
1960年代に製造されたブルーアスターは、優雅な時間のお供にふさわしいシリーズです。アスター(エゾギク)が器いっぱいに描かれた大胆なモチーフでありながら、深い色合いと黒の縁取りがスタイリッシュな雰囲気を醸し出しています。
ブルーで統一するのもよし、色違いの「レッドアスター(Red Aster)」とセットで揃えるのもよし。食卓を上品に演出する、主役級のテーブルウェアになること間違いなしでしょう。
手仕上げのぬくもりを感じて
グスタフスベリのアイテムは、復刻版でも手作業でひとつずつ丁寧に仕上げられているため、生産量が少なく希少なアイテムが多いのが特徴です。ちょっぴり値が張るものの、一点一点にぬくもりを感じる素敵なグスタフスベリの器たち。
特別な日にも、なんでもない日常にも使えるグスタフスベリの器を揃えれば、毎日がもっとワクワクするのではないでしょうか。
参照サイト:http://gustavsberg.jp/