コピルアクの味

世界で一番高価なコーヒーといわれている「コピ・ルアック」。一杯5,000円から8,000円ほどもする伝説のコーヒーを求めて、インドネシア共和国・バリ島のコーヒー農園を訪れてみました。バリ島に数多くあるコーヒー農園ですが、今回はギャニャールのロド・トゥンドゥにある「テバ・サリ」農園をご紹介します。

コーヒー農園「テバ・サリ」

テバサリ農園

コーヒー農園「テバ・サリ」は、緑豊かなギャニャールのロド・トゥンドゥに位置しています。農園の入り口につくと、ガイドが園内を案内してくれます。

 

バリ島の伝統的な哲学「トリ・ヒカ・カラナ」をコンセプトに据え、自然と人、神との調和を意識して作られた園内は小規模ながらも、心地良い場所です。ガイド歴2カ月のコマン君が、一生懸命に園内やルアックの説明をしてくれました。

 

ルアック(ジャコウネコ)は、スマトラ島とバリ島のほか、スラウェシ島などで生息が確認されています。現在「テバ・サリ」で飼育されているルアックは8匹。1匹のルアックから採れるコピ・ルアックは約3gで、1カ月に採取できる量はおよそ1kg程度。

 

バリ島で栽培されているのはロブスタ種が主流ですが、「テバ・サリ」のルアックはアラビカ種のコーヒー豆を好んで食べます。その理由は、アラビカ種のコーヒー豆のほうがフルーティーな香りがするからだとか。もちろん、ルアックにコーヒー豆だけを与えるのではなく、食物繊維をとるためにもパパイヤなどの果物も与えているそうです。

コピ・ルアックの起源について

コピルアクの起源

コピ・ルアックの起源をご紹介する前に、インドネシアのコーヒーの歴史にも少し触れておきたいと思います。現在、世界第4位のコーヒー生産国であるインドネシアですが、コーヒーが生産されるようになった背景には悲しい歴史が隠されています。

 

16世紀から約350年間、植民地としてオランダ統治下に置かれたインドネシア。植民地化してすぐ、オランダ政府はアラビカ種のコーヒーをインドネシアに持ち込みますが、地震や洪水等の影響で栽培に失敗します。1696年になってようやく、インド南部のマラバールから持ち込まれた苗木の生育に成功し、ジャワ島以外の島でもコーヒーの栽培が行われるようになります。

 

その後、1830年には強制栽培制度が実施され、オランダ政府による本格的なコーヒー栽培がインドネシアにて行われるようになりました。コーヒー栽培に従事しながらも、強制労働に駆り出されたインドネシア人たちがコーヒーを飲むことは許されていませんでした。

 

そこで、ルアック(ジャコウネコ)の糞からコーヒー豆を拾い集め、洗って焙煎し、飲んでみたことが「コピ・ルアック」の始まりだといわれています。

コピ・ルアックができるまで

コピルアク

コーヒー農園「テバ・サリ」では、コピ・ルアックがどのように作られているのかを実際に目で見ることができます。

 

まず、ルアックの糞から消化不良で排出されたコーヒーチェリー集めてお湯で洗い、丸1日天日干しします。その後、手で残った果肉を剥き粘液質に包まれたコーヒー豆を取り出し、さらにお湯で洗います。

 

乾燥させたコーヒー豆1kgを1時間かけて焙煎し、杵でついて粉状にしていきます。次に粉状になったコーヒーを篩(ふるい)にかけて、さらに細やかなコーヒーパウダーに仕上げます。手作業の工程が多いのは、デリケートなコーヒー豆を傷つけてしまわないため。機械を使うとコーヒー豆が潰れてしまい、苦みが出てしまいます。少量しか採取できないことに加えて、手作業で丁寧に作られるコピ・ルアック。希少で高価な理由がよく理解できます。

無料テイスティングは全15種類

テイスティング

「テバ・サリ」農園内を見学後、東屋にてコーヒーや紅茶・ココアなどが振る舞われます。無料テイスティングは全15種類という豊富さ。

 

コピ・ルアックに関しては、150,000ルピア(約500円)で注文することができます。日本の10分の1の値段で飲めるなんて、さすが本場です。しかし、現地のコーヒーの価格と比べると、10倍以上も高いコピ・ルアック。コーヒー好きな人が多いインドネシアですが、コピ・ルアックを日常的に飲んでいる人はほとんどいないのではないでしょうか。

 

コピ・ルアックは注文してもしなくても良いのですが、コピ・ルアックを飲むために来たのだから当然1杯お願いしました。注文した後は、無料テイスティングを飲みながらしばしの休憩を楽しみます。無料テイスティングでは、南国らしいハイビスカス・ティーやマンゴスチン・ティー、そしてココナッツ・コーヒーやバニラ・コーヒーなどが提供されます。

 

初めて飲んだマンゴスチン・ティーの美味しさに感動していると、コピ・ルアックを淹れる支度をしにガイドのコマン君が戻ってきました。

 

彼が手に持っているお皿には、サプライズ・プレゼントのチョコレートが数切れ乗っています。

 

「オレンジ風味のチョコレートとカプチーノ風味のチョコレート、どちらも当農園の売店でご購入いただけます」と素晴らしいガイド(商売人?)っぷりを発揮してくれたコマン君ですが、なにはともあれ粋な計らいが嬉しいですね。

「テバ・サリ」のコピ・ルアックのお味は?

コピルアクの味

コピ・ルアックの淹れ方ですが、コピ・バリのように淹れるのかと思えば、日本製のサイフォンで淹れてくれました。香りを楽しむならコピ・バリのように、カップに入れたコーヒーパウダーに直接お湯を注いで淹れたほうが良いといわれています。

 

しかし「テバ・サリ」では、コーヒーのかすがカップに残るのを嫌がる外国人観光客が多いことを受けて、サイフォン式で淹れるようになりました。目の前で淹れてもらったコピ・ルアックですが、残念ながら期待していたような独特の香りを感じることはできませんでした。

 

ところが、ブラックでひと口飲んでみたところ、ふんわりと香ばしいようなフルーティーなような、なんともいえない風味を感じることができました。鼻に抜けていく風味を楽しみながら、舌先でほど良い酸味と苦みを感じ、口の中にしっかりと広がる豊かな味わいを堪能することができます。

 

次は、ココナッツ・シュガーを入れて飲んでみました。「ちょっと多いかな?」と思いつつも、優しい甘さのココナッツ・シュガーをティースプーン2杯入れてみます。これが素晴らしい相性で、コピ・ルアックのコクとココナッツ・シュガーの甘さがお互いを引き立て、まるでデザートのようなコーヒーが完成しました。

 

程よい甘さのうえ後味がすっきりしているので、いつまでも飲んでいたくなるような味です。機会あってコピ・ルアックをお試しになる際には、ぜひココナッツ・シュガーとの相性の良さもお試しください。

コピルアク体験まとめ

コピ・ルアックを求めて訪れた、バリ島のコーヒー農園「テバ・サリ」をご紹介しました。1日平均200人、多いときは1400人もの観光客が訪れる「テバ・サリ」ですが、人の多さなど気にせずゆったりとした時間を過ごすことができます。コピ・ルアックの上品で高貴な味わいは、期待以上の満足感を与えてくれます。

 

みなさんもぜひ機会を作って訪れてみてくださいね。

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