『美味しいコーヒーの条件』と聞くと豆の種類や抽出方法などを思い浮かべると思います。もちろん、それらも美味しいコーヒーの条件として欠かせないポイントになりますが、忘れがちなこととして挙げられるのは「コーヒーと水」の関係性です。

 

よく『人間の身体の70%は水でできている(実際は年齢によって異なります)』と言われていますが、コーヒーはなんと90%以上が水で出来ているのです。

つまり、『水の種類によってコーヒーの味は大きく変わる』といっても過言ではないのです。

 

そもそも水の種類とはどのようなものなのでしょうか。

ミネラルウォーターや水道水、軟水・硬水など水によってコーヒーの味がどのように変化するのか解説していきます。

 

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【水の種類】軟水と硬水の違いって何?

水の種類スーパーやコンビニでもメーカー別にズラッと並ぶミネラルウォーターですが、一体どんな違いがあるのでしょうか。

よく耳にするものとしては軟水・硬水ですよね。

この軟水・硬水がそれぞれコーヒーの味や性質を変化させるのですが、一体どのようなメカニズムなのでしょうか。まずは軟水と硬水の違いを解説していきます。

 

水というのは見た目こそ同じですが、水の中に含まれる成分に違いがあります。

代表的なもので言うとカルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウムです。

そして、この成分が多く含有しているものを硬水と呼びます。反対にこれら成分の含有量が少ないものを軟水と呼ぶのです。

 

では、味はどうでしょうか。

硬水は成分の含有量が多いので若干の苦味があり、コクがあると言われています。

また、軟水は口当たりがまろやかでさっぱりとした水と言われています。

この軟水と硬水の違いはコーヒーの味に直接関係していきます。

 

次項では軟水で淹れたコーヒー、硬水で淹れたコーヒーをそれぞれ解説していきます。

コーヒーを淹れるなら、軟水?硬水?

コーヒーと水の関係基本的に日本人の口は軟水向きと言われています。それは日本で採れる水のほとんどが軟水だからです。

 

また、軟水はミネラルの含有量が少ないのでコーヒーの成分を余すことなく抽出することができます。つまり、軟水で淹れたコーヒーはコーヒー本来の味を引き出すことができるのです。

 

このように書いてしまうと「コーヒーを淹れるなら軟水がいいじゃないか」と思われてしまいますが軟水にも弱点があるのです。それは『コーヒーの苦味成分』になります。

 

コーヒーの苦味成分は軟水には溶けにくいという特徴を持っており、反対に硬水には溶けやすいという特徴を持っているのです。

つまり、エスプレッソといった苦味を楽しむコーヒーを淹れるのであれば硬水が適しているとされています。さらに硬水はコーヒーの香ばしさや渋味を引き出すことでも知られています。

 

まろやかで酸味のあるさっぱりとしたコーヒーを淹れるのであれば『軟水』、重厚で香り高いコクのあるコーヒーを淹れるのであれば『硬水』と水を使い分けるのもいいかもしれません。

 

続いて、敬遠されがちな『水道水で淹れたコーヒー』。水道水で淹れたコーヒーは美味しくないのでしょうか?

水道水でも美味しいコーヒーは淹れられるの?

水道水

水道水には『カルキ』や『塩素』といったものが含まれており、飲用として敬遠する人も多いかと思います。

ですが、日本の水道水は優秀でしっかりと処理をすれば問題なく飲めるのです。

水道水を鍋に入れ10分ほど沸騰させればカルキや塩素は抜けて味に違和感がなくなります。ただし、置き水にしてしまうと水に含まれる酸素が抜けてしまうので沸騰させた水は早めに飲むようにしましょう。

 

個人的な意見になりますが、水道水で淹れたコーヒーよりもミネラルウォーターで淹れたコーヒーの方が雑味がなく美味しいと思いました。

ですので、水道水で淹れるコーヒーは基本的に非常用として考えています。あくまでも筆者の感想です。

【飲み比べ】ミネラルウォーターによって変化するコーヒーの味

実際によく見掛けるミネラルウォーターでコーヒーを淹れて飲み比べてみました。

今回は軟水・硬水の他に中硬水と呼ばれる水を使ってコーヒーを淹れてみます。

 

・南アルプスの天然水(軟水)

 

 

僕がコーヒーを淹れる際に使用しているミネラルウォーターです。

普段飲んでいるものなのでレビューが難しいのですが軟水なのに苦味も引き出せていると思います。また、口当たりはまろやかで他の味もバランスよく引き出せている優秀な商品だと思います。

 

・エビアン(中硬水)

 

 

エビアンホルダー直撃世代の僕としては店頭で見掛けると赤面してしまうミネラルウォーター。

苦い過去を思い出させる水だけにコーヒーの苦味をも強く感じさせます。目覚ましに香りが強く濃いコーヒーを飲みたい人におすすめの商品です。

エビアンは軟水と硬水の中間『中硬水』に区分されています。

 

・森の水だより(軟水)

 

 

地域にもよるかと思いますが、なぜか僕の周囲の店では本商品を叩き売りしています。

普段は飲用水として購入していますが、今回初のコーヒー用の水に。

淹れてみると意外や意外! 軟水なので飲みやすさはもちろんですが、コーヒーの酸味と甘味をバランスよく引き出す素晴らしい水でした。癖の無いコーヒーを淹れるならおすすめです。

 

・ボルヴィック(軟水)

 

 

飲んでみて最初に感じた感想は「美味しいかもしれない」。

それもそのはず、調べてみるとボルヴィックはヨーロッパ(フランス)の採水地では珍しく軟水とのこと。口当たりが良く味のバランスがしっかりとれたミネラルウォーターです。

 

・ヴィッテル(硬水)

硬水なので口当たりが重く感じましたが、飲みにくいといった印象はありませんでした。

休憩中のコーヒーというよりも、食後にゆっくり飲むコーヒーの水として良いと思います。

ただ、やはり軟水と比べると若干味に癖があるので、あえてこの水を使ってコーヒーを飲みたいとは思いませんでした。

 

 

 

飲み比べてみるとたしかに違いが分かる「コーヒー×ミネラルウォーター」。個人的には軟水に軍配を上げますが、まだまだ試していない硬水がたくさんあるのが気になるところ。

 

今後もコーヒーに合うミネラルウォーターを見つけ次第紹介していこうと思います。

ノスタルジックカルチャー

都心に住んでいる人は信じられないかもしれないが、僕が生まれ育った東京都立川市という町はタヌキやヘビもよく出たし、夏にはホタルが飛ぶような田舎だ。湧き水だって珍しくない。

喉が渇けば普通に湧き水を飲むこともあった。

 

当時は美味しいとも不味いとも思わず飲んでいたが、この記事を書き終えたら急にあの時の湧き水を飲みたくなった。

思い立ったら吉日。僕は立川市の矢川緑地という自然豊かな場所に訪れた。

湧き水を手ですくい、飲んでみるとなんともいえないノスタルジックな気持ちになる。「あぁ…時代が変わっても変わらないものがあるんだ」と思い耽りながら立川市を後にした。

 

その晩、激しい腹痛に襲われることを知らずに…。

湧き水は殺菌処理されていないので加熱処理は必ず行うように! 絶対!

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