毎日の生活にコーヒーが欠かせないという人も少なくないはず。もしもあなたがコーヒーラバーを自負するのであれば、飲み物としてだけではなく、料理にもコーヒーを加えてみてはいかがでしょうか?
デザートと好相性のコーヒーですが、料理に使えば隠し味として料理のおいしさを引き立ててくれます。本記事では、コーヒーの料理活用アイデアを3つご紹介します。
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目次
料理をおいしくするコーヒーの4つの効果
コーヒーを料理に使うなんて意外だという人もいらっしゃるでしょうが、コーヒーには料理をおいしくする効果があります。
コーヒーは肉を柔らかくする
pH(水素イオン指数)は、水溶性の性質を0から14の数値で表すことができます。pH7を中性とし、数値が0に近づくほど「酸性」に、数値が14に近づくほど「アルカリ性」を示します。一般的に肉のpH値はpH5で、この状態のときがもっとも固いとされており、肉を柔らかくするためには酸性に近づける必要があります。
コーヒーの成分が体内で分解されるとアルカリ度が高くなるため、栄養学的にはコーヒーはアルカリ性です。しかしながら、体内摂取される前のコーヒーは酸性を示します。そのため、肉をコーヒーに漬け込んでおけば、酸性に近づけることができるため、肉を柔らかくする効果が得られます。
コーヒーは臭みを消す
食材の下処理を丁寧にすれば、料理が一層おいしくなります。臭み取りも食材の下処理のひとつですが、コーヒーを使って臭み取りをすることも可能です。コーヒーはコロイド溶液の一種で、液体の中にコロイド粒子が分散しています。
コロイド粒子は分子やイオンに比べると表面積が大きく、ほかの物質を吸着する特徴を持ちます。そのため、調理前の肉などをコーヒーに漬けておけば、コロイド粒子が肉のにおい成分を吸着するので、臭みを取ることができます。
コーヒーを使うと、きれいな焼き色がつく
食材を加熱するとこんがりと焼き色がつきますが、これはメイラード反応とカラメル化といった化学反応から生まれるものです。糖とアミノ化合物が結合するとメラノイジンと呼ばれる褐色物質が生まれ、これをメイラード反応と呼びます。一方、食材が茶色くなり、苦味が出るカラメル化は糖の結合と分解によって発生します。
熱を加えればメイラード反応、もしくはカラメル化が起こりますが、食材の水分量やアミノ化合物の種類によって焼き色がつく温度は異なります。食材を加熱するときにコーヒーを塗れば、早めにメイラード反応を起こすことが可能に。加熱しすぎると固くなってしまう食材でも、コーヒーを使えばきれいな焼き色と良い香りをプラスすることができます。
コーヒーは食材のコクを引き出す
料理の味に深みを出すコク。カレーやシチューにコクがないと、物足りない感じがしますよね。そんな料理にコクを加えたいときに便利なのが、コーヒーです。
コーヒーにはクロロゲン酸から生まれるコクがありますから、料理の味がなんだか物足りないときや頼りないときに加えれば、あっという間にコクをプラスすることが可能です。
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料理の味に差がつくコーヒーの3つの活用アイデア
いつもの料理にコーヒーを加えれば、味に広がりを持たせることができるでしょう。気軽にチャレンジできる、コーヒーを使ったレシピや活用法をご紹介します。
ほろ苦さが大人の味「コーヒードレッシング」
野菜をさらにおいしくするドレッシング。もしも、しょうゆベースのドレッシングやゴマの風味が効いたドレッシングに飽きてきたら、コーヒードレッシングを試してみてはいかがでしょうか。
作り方はとても簡単、淹れたての「コーヒー大さじ2、バルサミコ酢大さじ2、メイプルシロップ大さじ2、レモンジュース小さじ1」を混ぜるだけです。ルッコラや水菜などを使ったグリーンリーフたっぷりのサラダと好相性ですよ。
風味豊かな「豚肉のコーヒー煮」
食べる手が止まらなくなること必至の豚の煮物ですが、コーヒーで煮れば豚肉の臭みが取れていっそうおいしくなります。
「輪切りしたにんにく1片、輪切りしたしょうが1片、ざく切りした長ねぎ1本、ドリップしたコーヒー小さじ2、砂糖大さじ2、ブイヨン1個半、水1カップを混ぜ合わせた中に、料理酒」をふって焼き色がつくまで炒めておいた豚肉を入れて煮込みます。汁気がなくなるまで炒めれば完成です。
コクが違う「コーヒー入りデミグラスソース」
手づくりのデミグラスソースにコクを加えたいなら、コーヒーをプラスしてみましょう。コーヒー入りのデミグラスソースなら、いつものオムライスやハンバーグをひと味もふた味も変えてくれるはずですよ。
「中濃ソース大さじ3、ケチャップ大さじ3、水50㏄、料理酒50㏄、砂糖小さじ2を混ぜ、炒めたきのこと玉ねぎ」に加えて弱火で煮込みます。完成直前にインスタントコーヒー小さじ1を加え、かき混ぜながら2分程度弱火で加熱します。
コーヒーで味にバリエーションを
風味豊かなコーヒーを、飲むだけではなく料理にもプラスして、料理をワンランクアップさせてみましょう。コーヒーで味にバリエーションをつけることもできますし、コーヒーを下処理に使って料理の味をさらに引き立てることもできます。
アイデア次第でコーヒーの活用法はいろいろ、きっとあなたの料理の幅をぐんと広げてくれるでしょう。