かつては日本発祥説もあったというほど日本人が大好きなアイスコーヒー。きりりと冷えて苦味の効いたアイスコーヒーは暑い季節の必需品ですよね。
アイスコーヒーの作り方には「急冷式」と「水出し」2種類があります。急冷式は、濃いめに淹れたドリップコーヒーを氷を入れて冷やしてアイスコーヒーにする方法です。コンビニのレジカウンターに置かれているドリップマシンで売られているアイスコーヒーも、こちらのタイプになります。
では、今回紹介する水出しコーヒーとはどのような方法で作られるのでしょうか?
今年の暑い夏に美味しく飲んでいただきたい「水出しアイスコーヒー」についてご説明します。
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水出しコーヒーとは?
急冷式の作り方は、ドリップして冷やす透過法(とうかほう)。水出しコーヒーは水出しコーヒーポットなどを使用して、お湯を使わずお水に浸してつけ置きして抽出する浸漬法(しんしほう)で作られます。
抽出する浸漬法(しんしほう)で作られる水出しコーヒーは、ゆっくり時間をかけてコーヒー豆の成分を水に抽出していくので、コーヒー独自の嫌なえぐみを抑えられコーヒーの甘さや柔らかい口当たりの苦味を引きたたせることができます。
お湯を使わず抽出するので酸味を引き出すのが難しいのと古いコーヒーを使用すると鼻につくようなよくない香りがでることがあります。ですので、水出しコーヒーに使用するコーヒー豆はできるだけ良質な豆を使うことをおすすめします。
水出しコーヒーの特徴
コーヒーは通常、コーヒー豆に高温のお湯を触れさせることでしっかりと成分を溶け出させる必要があります。しかし、しっかり抽出しすぎると苦味や雑味が出てしまいます。そして逆に温度が低すぎるとぼやっとした印象でコクが出なかったりと、温度の調節はとっても奥が深いのです。
水出しコーヒーはこの難しい温度調整はせず、なんと冷水で抽出する方法。低温で長時間の抽出によって苦味や雑味が比較的出にくく、すっきりした印象のコーヒーを簡単に入れることができます。またペーパードリップでは溶け出しにくい油分(コーヒーオイル)なども引き出せるので、甘さや旨みを感じやすいコーヒーにすることができます。
水出しコーヒーの自宅でできる簡単な淹れ方
水出しコーヒーの淹れ方は超簡単。お茶パックに挽いたコーヒー豆(500mlに30~40g程度)を入れ、デカンタなど密閉できるポットに入れて水で満たします。あとは冷蔵庫に入れて一晩放置するだけで完成! 驚くほど簡単なのです。
放っておくだけでできてしまうので、寝る前に冷蔵庫に入れて朝に氷と一緒に保温ポットに入れて職場で飲む、なんてこともできてしまいます。以前別の記事でも触れていますが、アイスコーヒーは水筒との相性がいいのでおすすめです。
お茶パックは百均でも手に入りますが、手元にない方はポットに直接コーヒー豆を入れ、飲む直前にドリッパーで濾すという方法もあります。この場合はペーパーフィルターではスッキリと、金属フィルターではシッカリめに仕上がる傾向があります。
水出しコーヒーを美味しく淹れるコツ
水出しのコーヒーはとても簡単に美味しく抽出することができるのですが、より好みの味にするためのコツが幾つかあります。
1つ目のコツは普段ドリップするよりも少し濃く淹れること。氷を入れることで少し薄まるため、普通の濃度で淹れてしまうと薄く感じてしまうためです。
2つ目は苦味を効かせること。筆者は浅煎りの豆を使用した爽やかなコーヒーがお気に入りなのですが、一般的にアイスコーヒーはキレのある苦味が好まれることが多いです。浅煎りや中煎りの豆で物足りない場合は、エスプレッソ用の深入り豆を30~50%ほどブレンドすると濃厚で美味しくなります。
水出しコーヒー:まとめ
フレンチプレス並みに簡単で美味しい抽出法ですので、是非とも実践してみてください。
ちなみに、現在アメリカなどでは先述した「コールドブリュー」などと呼ばれて人気が高まりつつあり、抽出に長い時間をかけることから贅沢なイメージのコーヒーとされています。カフェでコールドブリューを見かけたときは試してみることをおすすめします。
また水出しコーヒーの一種としてウォータードリップという特殊な手法も存在します。なかなかクールな器具が販売されていますので、コーヒーギークになりたい方はリサーチしてみましょう。