“カフェ”と“喫茶店”。この二つの言葉は同じだと思われがちですが、じつは明確な違いがあることをご存知でしょうか。まずは“喫茶店”と“カフェ”の言葉の成り立ちから解説します。
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“喫茶”という言葉は約千年前から使われていた?
喫茶店と聞くと『ひと昔前のカフェの呼称』というイメージを持っている人も多いかと思います。“喫茶”という言葉は調べてみるとひと昔前どころではなく、なんと鎌倉時代から使われていたと言われています。
当時の意味としては“緑茶を飲んで、その効用を得ること”や“お茶の習慣や作法”を指す言葉だったそうです。現在では緑茶だけではなく、コーヒーや紅茶も喫茶にカテゴライズされ、それを提供する店、つまり“喫茶店”になったというわけです。
日本のカフェの原型「カフェー・プランタン」はどんなお店?
しかし、当時のカフェはコーヒーよりもアルコールの提供を中心としており、現在のカフェとは異なる業態だったとされます。そして、90年代後半、シアトル系カフェの台等により、日本でも現在に続くカフェ文化が浸透しました。
いよいよ本題!カフェと喫茶店の違いとは?
“喫茶店”と“カフェ”の呼称の成り立ちを解説しましたが、この二つの言葉は具体的にはどのような違いがあるのでしょうか?それは“提供できる飲み物”に違いがあります。
喫茶店で提供できる商品はコーヒーや紅茶等の飲み物、菓子やフルーツ、軽食に限定されますが、カフェはこの他にもアルコール類の提供も可能になります。
喫茶店を営業する場合は「喫茶店営業許可」の申請が必要となり、
カフェを経営する場合は「飲食店営業許可」の申請が必要になります(前者の申請のほうが通りやすい)。
このように営業許可は区分されていますが、屋号に「喫茶店」または「カフェ」と名乗ることに規定はありません。
たまに耳にする純喫茶ってどんな喫茶店?
日本で始めて“カフェ(カフェー)”と名乗ったのは「カフェー・プランタン」と解説しましたが、先述したようにプランタンはアルコール類の提供が中心で、カフェというよりバーのような空間だったそうです。
「このようなカフェは本来のカフェではない」ということから誕生したのが「純喫茶」と呼ばれるものです。
純喫茶はアルコールの提供はせず、コーヒーを中心とした喫茶店で現在の“喫茶店”“カフェ”の原型になったと言われています。
若者はそんな言葉を使わない
一回り年下の知人との会話中「うわぁ、ジェネギャっすね」と言われた。僕はよく聞き取れず「じぇね...ってなに?」と問うと、彼は「ジェネレーションギャップの略っすよ」などと言うではないか。
僕が続けて「ふぅん、ジェネギャプねぇ」と言うと、「いやいやいや、ジェネギャプじゃなくて、ジェネギャ。ジェネギャプなんて言ったらかなり寒いっすよ」と言われてしまった。
そもそも僕の若い時分、ジェネレーションギャップという言葉を使っていることが最先端だった。少し年上の人間と話しては「うわぁ、ジェネレーションギャップっすね」と嘲笑っていたことを思い出した。しかし中年となった僕は、逆に青年から嘲笑われる対象となっていたのだ。
悔しさからだろうか?
僕は廃れかけているジェネレーションギャップという言葉を守りたい心境に駆られていた。
ところで、今「喫茶店」という言葉も廃れかけている。きっと若者たちは「カフェ」などと西洋かぶれの言葉を好んで使っているのであろう。先ほどの一回り年下の知人に「君は喫茶店のことをカフェと呼ぶか?」と問うたところ、「どっちも言わないっすね~。普通スタバとか店名とかで言うんじゃないっすかぁ?」と言われてしまった。
その通りだ。若者とは流行の言葉を使うというより、使いやすい言葉を柔軟に使う。僕は凝り固まってしまった頭を掻きながら、ただただ彼の前で笑うしかなかった。